作品一覧

  • ウォール街のアルゴリズム戦争
    3.8
    1巻2,640円 (税込)
    著者スコット・パタースンの日本語版への序文から(抜粋) 二〇一二年に本書が米国とヨーロッパで出版されたとき、この話を信じる者は少なかった。何百年もの間、営業を続けてきた権威あるニューヨーク証券取引所のような公開市場に対して、ちっぽけな企業が影響力を行使できるものだろうか? 批評家たちは、混雑する立会場上で大振りな手信号で合図する慌ただしいトレーダーがいた古い取引所が既に存在しないことに気づいていなかった。新しい市場は、ニューヨークの忙しい大通りから遠く離れたニュージャージー州郊外にある巨大なサーバー・ファームからなっていた。  コンピュータが主導する市場は、こうした理由から全く新たなレベルの開示基準を求められる。規制当局は、素早く追いつかなければならず、取引所と高速トレーダーの仕組みを理解しなくてはならない。さもないと、このゲームは続き、定年後のために働く一般投資家が損をすることになる。  一つ明らかなのは世界が前進するということであり、取引所は電子化され、コンピュータ主導になるということだ。ロマンチックなイメージではあっても立会場で手を振るトレーダーの日々に回帰することはない。この変化には優れた面もある。以前より安く取引ができ、全般的により効率的だ。  だが、恐ろしく賢いプログラマーによって設計された非常に複雑なコンピュータ・アルゴリズムに制御され、取引所は遥かに不透明でもある。

ユーザーレビュー

  • ウォール街のアルゴリズム戦争

    Posted by ブクログ

    ウォール街でアルゴリズムを操る人間なんてみんな博士号を持った数学者やロケット工学者みたいなイメージだったけれど、ここで登場する面々は高校中退の天才だったり、ウォール街じゃなくて実はシカゴからやってますみたいのだったり、無粋で押しの強いぺてんまがいの連中だったりと、個性の強い面々。1/1000秒でマーケットを撹乱する注文を出したり、システムの裏を書いたりと、まあ戦国時代です。大変革をもたらした天才ハッカーのレイバンとビックデータを駆使するグリーンバーグには夢と好感を感じました。とても面白かった。

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    2021年03月13日
  • ウォール街のアルゴリズム戦争

    Posted by ブクログ

    株式市場のオンライン化、高速取引、高頻度取引、AIトレーディングと、株式市場の革命の歴史。
    今年1月に読んだ『アルゴリズム取引の正体』は技術的側面から書かれた本だったが、こちらは歴史と人物とビジネスに比重が置かれている。
    ページ数の多い本だけど、面白すぎる。

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    2020年09月29日
  • ウォール街のアルゴリズム戦争

    Posted by ブクログ

    7p
    東京証券取引所でのコンピュータ主導の取引は2010年は10パーセントだったのが、2015年には75パーセントになっている。

    高頻度取引の話。
    498pの解説にもあるが、フラッシュボーイズの本のエピソード1みたいな話らしい。フラッシュボーイズは高頻度取引が最強って話で、これはそれが生まれた背景を掘り下げてる。

    小説っぽい書き方だった。ほとんど読み飛ばした。
    個人的にはもっと具体的なアルゴリズムの話が読みたいので。

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    2017年10月29日
  • ウォール街のアルゴリズム戦争

    Posted by ブクログ

    アメリカ証券市場のIT化の裏で起きていたアルゴリズム戦争、と言っても「電子せどり」的なかすめ取り系の取引だった訳ですが、そんな取引形態が誕生し、市場を席巻し、証券取引所のありようまで変えていってしまう、その経緯や背景を描いた本。
    金儲けをたくらむ悪い金融屋さんが仕掛けたのかと思いきや、従来のトレーダーがズルして儲けていることに憤りを感じたプログラマーがIT化を仕掛け、取引手数料を安くして、流動性を高めて…という中でこんな流れになってしまった、というのが何とも皮肉です。
    「電子せどり」的な取引は、いいとこ数分でポジションを手放して、その日毎に手仕舞いをするのですが、本の終盤にはそこから一歩進んで

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    2016年07月20日

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