日本人の精神性について論じた本。精神的なカロリー消費がやばいのでこころがだいじょうぶな人が読めば良いと思う。でも多くの日本人に読んでほしい。
本書において「日本的ナルシズム(自己愛)」はおおむね以下のような性向を指し、(運が悪ければ)それが日本的なうつ病を引き起こすと主張する。
・社会(場)との想
...続きを読む像上の一体感(不十分な自己)
・具体的状況への愛着と普遍的・理論的なものへの嫌悪(キリストは嫌いでもクリスマスは祝う)
・具体的状況の愛着ゆえの葛藤の先送り(平和と軍事力、憲法と安保法)
このような性向は政府・企業・ご近所等、あらゆる組織において観測できる。これらが日本語の特性や農耕民族としての歴史から紐解かれていくのは大変興味深かった。
日本と西洋近代が対立軸として書かれている。どちらが優れているとかないけど、政治や経済は近代西洋のロジックで回っているんだし葛藤を乗り越えて和洋折衷しなきゃね、って結論です。