激変する中国の情報市場について、日本で良く言われる政府による情報統制というお決まりの視点ではなく、それを前提として勃興する中産階級がどう情報統制の中で必要な情報を得てきたか、新興メディアがどうそれに応え、情報産業が発展してきたかという視点で描かれている。
メディアの姓は党という習近平政権の下で情報
...続きを読む統制が強まっている一方、『もともと不自由な社会で生まれ育ってきた中国人は、不自由さにはそう簡単に屈服しない』という。微博の書き込みも政府に批判的であれば消されるのは当然として、それまでの間にどれだけ拡散できるかが重要という。また、廈門で地方政府の工場誘致をSNSから生まれたムーブメントで止めた(中央政府から地方政府に圧力がかかった)というような事例もある。政府の方でも、『手にした権力をカネに換える』という伝統的な価値観もあり、お金で現場レベルの規制緩和が買われているような事例も紹介されている。
最新の情報に対する需要の高まりと供給の質量の増大が規制ギリギリのレベルを探る形で、途方もないスピードで進化しているということなのだろう。