表題の母が指すのは物心つく前に亡くなった実母と継母の「おかあさん」、別れた妻で息子の母の三者になる。
自分の出生が母の弱った身体から命を奪った、実母を殺したという思いは切実だった。しかしその思いは息子の母である理英に「でも、うぬぼれてるっていいたい。わたしはそう簡単には殺されないよっていいたい」と言われる。
息子の母もまた殺してしまう不安に対してこのような言葉をかけられた時、どれほど励まされるかと思うと落涙。自分も大切な人に対して、わたしのせいでその人の多くを奪ってしまったと度々思っていたので切実であった。