作品一覧

  • 数寄の真髄 茶にあそぶ
    5.0
    1巻5,280円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 垂涎の名品道具、自由自在な茶の世界。当代随一の数寄者・潮田洋一郎氏が一茶庵・佃一輝宗匠と作り上げる、約束事にとらわれない茶事の数々。究極の名品道具を、自在に、絶妙に、さり気なく使いこなす、至福の時間を一冊に。【珠玉の茶事9席を収録】重要文化財、重要美術品も含む、愛好家垂涎の名品茶道具を使いこなした一客一亭を収録しました。通常の茶の湯の規格には合わない空間や器物も楽しむため、ときには煎茶が組み入れられているのも本書の特徴です。【迫力の写真と臨場感】すべての写真は、進行する茶事の現場で新規に撮り下ろしました。床にかかる書画や花、濃茶が練られる茶碗、道具を賞玩する主客、そしてさまざまな角度から細部に迫った道具など、茶席の臨場感が追体験できます。【一客一亭の数寄談義】空間と器物がととのえられ、そこに亭主と客の交わりがあって、茶という場は成立します。道具を介して交わされる主客の会話を座談形式でまとめました。思わぬ方向に展開する二人の対話も、茶事の魅力といえましょう!
  • 数寄語り
    4.0
    数寄を追う者、つまりディレッタントは広汎な知的探究を通じて専門をいくつも乗り越えるが、学問共同体の一員ではない。著者が還暦から東大文学部の大学院研究生として過ごした二年間は、大学の追及する学問的専門性と、著者の関心である間口の広いアマチュア性との齟齬が、教授陣を困惑させたという。しかし茶の湯領域「宋・元と平安から元禄」と煎茶領域「明・清と享保以降」を統合することで、相互補完的に一千年の日中それぞれの文化が網羅できる。抹茶と煎茶の数寄を同時にすることで、豊かな世界が広がる、という著者の試みは注目に値する。明の文徴明や祝允明の書と薄茶で絵高麗を取り合わせてみたり、江月の書に古染付茗碗で煎茶を飲むなどの試みは、茶に新風を呼び込める可能性もある。著者所蔵の美術館級名物道具で構成する茶事を通じて現代の数寄を浮かび上がらせる。臨場感あふれる茶事の客は、林屋晴三氏を筆頭に、藤田一照氏、佃一輝氏、樂吉左衛門氏、池田巖氏、千宗屋氏、樂篤人氏という豪華な面々。オール新撮影。

ユーザーレビュー

  • 数寄の真髄 茶にあそぶ

    Posted by ブクログ

    実業家の潮田氏が、文人茶の佃氏を招いて一客一亭の茶事を催す。
    葉山の茅山荘、その奥のロータスハウス、箱根の環山、永田町の佳風亭などで、重要文化財や重要美術品を含む名品の数々で、季節ではない趣向を凝らしていて、道具を揃えられるお金持ちだからできるというわけではなく、それらをうまく取り合わせて良さを引き出す教養とセンスがあるんだろうなと感心した。
    潮田氏には煎茶の心得もあるので、煎茶席も用意し、佃氏がよく言っている文会のような茶人だった。
    名品を楽しむ茶会も、こうしてお金がある人が一般人にも手が届くようにやってくれるならいいね。自分のようなお金がない人間は、自分のないセンスとか工夫で道具を揃えてや

    0
    2024年06月04日
  • 数寄語り

    Posted by ブクログ

    いにしえの茶には季節性が希薄だった、それは現代と違って身の回りが季節そのものだったから。現代の室内からは寒暖が消え、明治以降に和歌が茶掛けの主流になり、季節に拘泥するようになった。
    遠州流の宗実家元が、先代の宗慶家元が「何よりも炭手前が大事だ」と常日頃言っていたという。老いた腕で釜が持ち上がらなくなっても、炭手前は欠かさず代わりに息子に釜を持たせた。炭が大事なのは、ついこの間まで火が灯りで唯一の熱源であり、日常炭火は炉にあった。この所帯染みた当たり前の物が改まらないとハレの茶にならないから。流儀の型に嵌った炭手前では意味がなく、前の炭が火力を保っていれば継ぎ足さないこともある。いずれにしても最

    0
    2024年10月02日

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