わかりやすいタイトルだ。
内容も読みやすく、レイアウトが見やすい。
シンプルに、その状態に適した薬とその効用だけが書かれている。
症状別に薬の候補があげられ、さらにフローチャートでしぼりこめる。
産婦人科の医師である著者が経験にもとづいて(自分のとこにくる)女性患者によくある症状を扱っている。
ゆ
...続きを読むえに冷えやむくみや妊娠出産などがメイン。
かなりピンポイントだから、興味本位の知識欲で読むにはあまり向かない。
だけど、その辺りで困っている人にはばっちりつかえる実用本なんだと思う。
「サイエンス漢方処方」という手法で従来の(うさんくさい印象をもたれがちな)漢方用語をつかわずにちゃちゃっと診断できるよ!
と誇らしげに書いてある。
触ったり脈をみたり難しい理論を使わなくても、患者の話から判断をくだせる新しいやりかたらしい。
でも判断材料を患者の訴えに頼りすぎるのは、まったく話を聴かないのと同じようにあやういんじゃないか。
(もちろん「だけ」ではないだろうけど)
漢方の本では西洋医療=対症療法とよくいわれるけれど、患者が自覚して説明できる症状だけに対応するのでは漢方も後手にまわってしまうのではないかな。
自分の体の状態を上手に把握できない人もいるし、把握しても上手に伝えられる人ばかりじゃない。
医者になるのは賢い人だから、理解や表現がつたない人もいることを想像できてないんじゃないかとちょっと不安になる。