ここまで、表紙から読み手へ、強いインパクトを与える漫画も珍しい
本屋でパッと目に入った瞬間、「うおっ!?」と飛びずさってしまった客も何人かいるんじゃないだろうか?
初っ端からラストまで、とことん、ゾンビ愛が詰め込まれており、作者の正気を疑ってしまうほど、面白い!!
ざっくりと内容を説明すると、人間の
...続きを読む小学生と、ゾンビの小学生の、種族の差を越えて築かれる清らかな友情コメディ、だろう
テンポのいいストーリー、毒のある笑いの質を支える絵柄、キレ味が鋭いラスト、評価を高くする理由は多いのだが、特に私が巧いな、と感じたのは、登場人物らを小学生、話の舞台を小学校にしている点だ
わざわざ言う事でもないだろうが、小学生って生き物は、良くも悪くも素直だ。面白い、と感じたモノを受け入れる事に対し、さほどの抵抗もない(逆に言えば、気にいらない存在は、とことん迫害するわけだが)
ゾンビって言う、個性としてはとびっきり過ぎるモノを持っているロメ夫を、すんなり受け入れる、この順応性の高さは小学生ならではだろう。もし、中学生や高校生、または会社コメディとなっていたなら、ここまで笑えなかった。そう言う意味では、そっち系の路線で勝負をするのもアリだったのかな?
私は、他人を見た目で判断しないように気を付けている、と自分では思っているつもりだが、さすがに、いくら、自我がしっかりしていても、ゾンビを前にしたら、根拠なき嫌悪感や敵愾心まではいかないにしても、本能的な恐れを覚えてしまうだろう。恐らく、これはなまじ対人経験を積んでいる事で、小学生より、外見の美醜に対する区分けがきっちりとし過ぎてしまっているからだ、と思われる
また、ロメ夫を囲む、生きてる(?)小学生らも、結構、いいキャラばかりだ。特に、親友ポジションに自然と収まった猿林くんは、正に男子小学生って感じのキャラクターで、彼のイイ意味でのバカが、ロメ夫の高い魅力を引き出す事に成功していると言っても過言じゃない
いくら、私が真夜中に読んで、ややテンションがおかしかったとは言え、こんだけ、ゲラゲラ笑わせられる作品を、全1巻で終わらせるのは、実にもったいない気がするんですけど、ハルタ編集部さん!! 運動会や遠足などの恒例イベントで、ロメ夫らが、どんなハプニングを起こすか、そこが読みたいっっ
どの話も腸が飛びだしちゃいそうになるほど面白いが、個人的に好きなのは、ほのかなラブコメ臭が漂う、第6話「絶叫ゾンビ・ロメ夫」だ。特定の男の子を気になりだしちゃうキッカケが傘を貸してもらったなのは王道なのに、自分じゃどうしようもない強面が仇となって、甘い雰囲気を醸せないトコが実にイイ。ロメ夫と宇賀神ちゃんの恋路は種族云々の前に、誤解の壁が高すぎる。この二人の今後も、やはり気になる
この台詞を引用に選んだのは、中々に説得力があったので。確かに、嫌がらせで鬱憤を晴らすよりかは、堂々と真っ向から力を見せつける方が、カッコいいわな。また、この後、発覚した猿林くんの狙いも実に笑い所。ある意味、この手の狡猾さと言うか、ちゃっかり利を得る悪知恵を持っている子供の伸び代は大きいと思う。まぁ、結局、詰めが甘くて策に溺れた訳だが、この坊やは