ここまで、タイトル詐欺じゃない青年漫画も貴重だ
ニュータイプって言い方は実に古臭いかも知れんが、変な方向に対して古風な主人公・小山くんを表現する尊称を、私はこれ以外に思いつかん
小山くんは男らしくない訳じゃない、女々しい訳でもない、ただただ、艶っぽい。キャラづくりとかじゃなく、素も根っこも皮一枚下も
...続きを読む、とことん、艶美だ
破壊力あり〼ってオビの推薦文句も、やはり、的を射ている
だがしかし、勘違いしちゃいけない
この『だって小山くんが強い』の面白さを引き上げているのは、実のトコ、小山くんの個性じゃない
そんな小山くんにベタ惚れになっちゃって、理性を振り切り、本能は剥き出しとし、下劣な変態性に、この齢にして染まってしまった日田真衣菜(普段であれば、さん付け、ちゃん付けをするのだが、ここまで女らしさが微塵も無いとなると、呼び捨てするしかない)の存在が、インパクトを生んでいるのだ。一応、まがりなりにも、辛うじて、ヒロインの位置にいるのに、笑い方が下品っつーか、ヤバい・・・・・・男として、マズいとは自覚してるが、仮に、こんな面を目の前でされたら、手が出るかもしらん
正直、小山くんだけじゃ、この『小山くんが艶い』の人気はここまで出なかっただろう
やっぱ、ギャグ漫画ってのは、登場人物のありえなさで読み手に強い印象を刻みこんでこそ、だな
また、小山くんとは違った意味の艶を備えた、アキ姉こと蝶子章隆さんのキャラも強烈だ。島崎先生のアイディアか、担当さんのアドバイスかは定かじゃないが、第6話で、彼(彼女?)を登場させたのは正解だろう。ここまでの話数を重ねても、読み手は小山くんと日田の濃さに慣れていなかっただろう。そこへ畳みかけるように、濃さで劣っていないアキ姉を投入する。嫌いじゃない、この攻めオンリーの姿勢
どの話も、小山くんの艶さ、日田の不純っぷりが全開だが、個人的に、振り切ってるなあ、と感じたのは、第7話「チカンがいたんだ」である。既にやらかした痴漢の逮捕も大事だが、予備軍を隔離するのも必要なんじゃないかな、しみじみと思った
この台詞を引用に選んだのは、リアル、この一つに尽きる。日田に同意するのも抵抗が相当あるんだが、人間、好きな人が、最高の格好で目の前に来たら、どうしたって、こんな奇声が出ちゃうわ