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  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年
    4.5
    戦後長い間、自衛隊や防衛政策についての論議はタブーであった。冷戦終焉後、自衛隊の果たす役割が拡大してからも、その実態はあまり直視されてこなかった。自衛隊という世界にも類を見ない組織がなぜ成立したか。国民はそれをどう受容してきたのか。安全保障に関する議論、日本社会における防衛問題・軍事の位置づけ、現実の自衛隊の活動、という三層から、我が国の防衛政策の七〇年間の転変を描き出す。防衛をめぐる議論に不可欠な基礎知識を網羅した、初めての自衛隊全史。

ユーザーレビュー

  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年

    Posted by ブクログ

    自衛隊と平和主義や日米安保、政治との関係史など。
    以下、本書より。

    【あり得ない専守防衛】
    専守防衛は、平和憲法下における日本の基本的防衛方針を示すものとして定着した。
    この言葉自体は、国会審議では自衛隊創設期から現れているが、本格的に使われるのは60年代。
    戦後平和主義の下で日本の防衛に関する姿勢を説明する便利な政治用語として使われた。
    やがて「防衛白書」でも使用され、日本の防衛政策の基本方針として定着していく。
    ただ、軍事戦略の用語として「専守防衛」という言葉はない。
    「戦略守勢」ならば存在するが、相手からの攻撃を待ち、しかも最小限度の抵抗しかしないというのは軍事戦略上は考えられない。

    0
    2018年12月19日
  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年

    Posted by ブクログ

    こういった、『通史』をちょっと読むだけでも、昨年無駄に大騒ぎしていた人達が『急ぎすぎる』『何故今なのか』と言っていた法整備が、(案件によっては)数十年前に提起されながらも先送りされ続けていたことを『ようやく』『今になって』法制化したに過ぎないことがわかるので新書って便利だなと心から思う。
    何回じゃ無いし、分量も新書に収まっているので中学校の副読本にちょうど良いんじゃないかな。

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    2022年08月24日
  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年

    Posted by ブクログ

    終戦後自衛隊がいかに組織され今に至るのか、日本の防衛政策がどのように変わってきたのかがわかりやすく述べられていて大変勉強になる。安全保障に関心のある人はもちろん、今多くの日本人に目を通して貰いたい本。再軍備、55年体制下、新冷戦時代、冷戦終焉、新しい脅威の時代と5つの章で、戦後の平和主義との関係、日米安保との関係、政軍関係、防衛政策の中身と実態の4つの視点から解説される。

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    2015年11月26日
  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年

    Posted by ブクログ

    防衛省・自衛隊の歴史がまとまっている。
    警察予備隊、保安隊、防衛庁、防衛省として、内外の政情に翻弄されながらも今日に至るまでの概略がまとめられている。
    第○次防衛力整備計画、中期防衛整理計画、防衛大綱といった計画、方針が煩雑であるが計画された経緯を知ればその意味が分かる。また日米安保条約における、ガイドラインなどの説明もあり個人的に頭の整理になった。
    この本は総論的に読んで各論としては、『戦後日本の安全保障』がオススメである。防衛大綱やガイドラインといった用語の中身を理解することができる。
    また、防衛省・自衛隊に関する人物であれば『防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史』が分かりやすい

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    2024年07月23日
  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年

    Posted by ブクログ

    本書の著者は政治史・外交史を専門とする研究者である。

    決して読みやすい本とは言えないが、2015年に紛糾した日本の安全保障問題の全体像を把握するにはオススメできる。

    強行採決された安保関連法案については「戦争法案だ」「戦争法案はレッテル貼りだ」という全く噛み合わない状態が続き、その隔たりは今のところ埋まりそうにない。
    本書はその間を埋めるのに役立つ1冊だろう。


    自衛隊の存在の必要性を完全に否定する人は多くないだろう。
    東日本大震災をはじめ、災害救援などでの活躍は多くの命を救った。
    実際、2015年1月の内閣府による調査では92%以上の人が自衛隊に良い印象を持っているそうだ。

    しかし、

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    2015年12月25日

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