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  • 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―
    4.1
    1巻1,232円 (税込)
    近代より続く『石油の時代』にあって、石油を持たない国・日本は 「資源外交」に身を投じるしかなかった。そこは国同士がエゴを剥き出しに衝突し、謀略を巡らす現場。莫大な時間と金、時には人の命も費やして、いったいこの国は何を得てきたのか? 日本の行方を左右した交渉、開発、投資――その僅かな栄光と数多の蹉跌。

ユーザーレビュー

  • 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―

    Posted by ブクログ

    日本の資源外交史を石油に的を絞り、第二次大戦前から本書が書かれた2015年まで追いかけている。数あるエネルギー政策の中で石油に特化することで話を掘り下げて、話を無用に拡散させないように簡潔にまとめる意図で書かれているのだと解釈した。

    資源を持たない日本が石油を巡る外交に戦前も現在でも右往左往させられていることがよく伝わってくる。その最大の壁は「ワシントン・リスク」であり、日本のあらゆる政策がアメリカ追従になる背景(の大きな要素)となっている。自前で石油の調達に動こうとした田中角栄がロッキード事件で失脚したくだりについてはあえて本書では深入りしていない。

    石油だけに目を向ければ、アメリカの石

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    2022年05月01日
  • 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―

    Posted by ブクログ

    [一滴を求めて]エネルギーの多くを海外からの輸入に依存している日本。その中でも、日本は石油を求めていかに国際社会で奮闘し、そしてときに挫折と失敗を経験することになったのか......。題名が端的に示すように、日本と石油の関係をズバリ考察した作品です。著者は、日本エネルギー経済研究所で務められた経歴を持つ中嶋猪久生。


    時系列的にまとめられているため、資源外交を考える上でコンパクトかつ明瞭な一冊だと思います。また、石油にまつわる政治や経済面のみならず、技術面にも説明が及んでいるため、多角的に日本にとっての石油を考える機会を与えてくれるかと。


    著者のスタンスは一貫としていて、一部の例外を除い

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    2016年04月18日
  • 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―

    Posted by ブクログ

     副題の内容そのままの本である。日本は石油のほとんどを外国から輸入しており、国際政治の波に揺さぶられる中で民間や政府も取り組んできたが、資源外交的には敗北続きである。その歴史を振り返るに、本書はとても良くまとめてあってお勧めできると思う。
     過去には、出光佐三や山下太郎などところどころで活躍した人物や出来事もあるが、全体の流れとしてはアメリカや中東諸国には正面切っては勝てないのかなあと感じてしまう。
     外交力の欠如や資源政策の無策を嘆いても始まらないが、エネルギーの確保を考える際には本書を読んで先人の苦労や努力を知るのは大事なことだと思う。

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    2015年08月10日
  • 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―

    Posted by ブクログ

    石油が無いために戦争に追い込まれ、石油が無いために敗れた。でも、南方で必死に活躍した技術者たちが蓄積した経験と技術が、後に異端児アラビア太郎の開発する油田で役に立ったことを知って、嬉しかった。彼や出光佐三のような男たちは、今の日本では現れにくくなっているのだろうか?

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    2017年12月16日
  • 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―

    Posted by ブクログ

    タイトル通り石油・油田開発をめぐる日本の近現代史。
    対米開戦、石油外交、アラビア石油の利権失効、イランでの権益を巡る外交交渉。資源を巡る20世紀のひとつの歴史です。
    「原発がー」と語る前に石油を知ろうぜ。

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    2017年01月31日

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