竹村健一の作品一覧
「竹村健一」の「国家と人生 「寛容と多元主義が世界を変える」」「好きなことをやって、成功する法則。」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
佐藤優、竹村健一の両巨匠による対談を、2007年12月に発刊したものを文庫化したもの。両氏の生い立ちや考え方のよく分かる本。両氏とも基本的に保守的な自由主義者であって、天皇制を重んじる国際派であることがわかる。佐藤氏が、護憲論者であることには驚いた。
「収監された日のメニューは今でも覚えています。青椒牛肉絲、小エビがたくさん入った中華スープ、ザーサイで、外部から食事の差し入れも可能なのですが、「食事は思ったより美味しいのでとくに差し入れはいらない」と断ったほどです」p20
「国家というものがある限り、戦争は避けられない」p30
「問題点があるにしろ、国家がその方向に動いていくのであれば、それに対応する知恵を出さないと生きていけない」p53
「(英国)町なかのパブにのみに行くと、パブに扉が2つある。中産階級はサルーンという扉から入っていきますが、労働者階級はパブという扉から入る。なかは一緒です。それなのに入り口が異なる。「なぜこうなっているんだ?」と聞いたら「扉を開けるときに気分が違うんだ」といわれました」p114
「官僚の世界でも、みながやりたいことをやったら組織はバラバラになってしまうので、8割くらいの人はいわれたことだけやろうという姿勢でいいと思います。そのうえで、残り2割が乱暴なことをやっても、それを受け止めることができるのが強い組織です。ですから、それを見てくれる上司の存在が重要です」p129
「諜報員をひとり東京に送り込んだら、年間5000万円くらいはかかります。家賃が月額100万円以上、場合によっては200万円くらいの一等地のアパートが必要になる。時には自宅でパーティーを開かねばなりませんから。当然車もそれなりのものを用意します。それほどコストがかかるにもかかわらずたくさんの諜報員を送り込んでいるということは、東京がいかに重要な都市かがわかると思います」p134
「中国が超大国になるのは間違いない。それは日本にとって煩わしいが、発展を阻止することはできません」p194
「ペイさえ払えば、いまのロシア人はとてもよく働きます」p211
「欲望を抑えるのはイデオロギーにしかできません」p214
「人間の文化とは恐ろしいもので、たった20年か30年、徹底した教育をすれば、たちまち、そういう感覚になってしまうのです」p215
「共産主義とは危険な思想で、世界を制覇するという発想があります」p236
「日本はキャッチフレーズ先行の社会で、政治家の人気が高いというのはキャッチフレーズが上手いともいえる。そうした政治家のやり方に慣れると、政治の本質を見失う。つまり民主主義の精神が鈍化していく。すると、やがてその指導者が日本の国体を意のままに変更しても、誰もストップをかけることができなくなる」p289
「右翼・国家主義陣営に属する一部の人々は「法律で定められているから小中学校では国旗を掲揚し、国歌を斉唱することを、教師と生徒に義務付けるべきである」と言う。これもおかしな話だ。押し付けるから国家に対する忠誠心や同胞に対する共感は生まれない。そもそも国旗、国歌を法制化するという発想自体が間違っている。法律で規定したことは法律で変更することができる」p325
「日本のいま、特に若い世代に問題なのは、興味を持つ力が落ちていることではないでしょうか」p332
Posted by ブクログ
以下、備忘録的に印象に残った言葉を記す。
竹村「(学者というのは)難しいことをやさしくするどころか、やさしいことを難しくいいたがります」「日本のマスコミは一点集中型で同じ話題を「これでもか」と報道する」
佐藤「語学こそ努力しないと上達しないものです。集中して机に向かう訓練が大事なのです。(中略)この人間は伸びるかどうかを見極めるポイントはたったひとつ、机に集中して向かうことができる能力があるかどうかです」「試験をパスするコツも、机に一定期間集中して向かう能力があるか否かです。集中して記憶をし、それを再現する能力、それは知識人として最低限の能力なんです。試験とは、その基礎能力があるか否かを見るだけのものです。」
佐藤「動物は、敵だと思う相手がいる場所では、決して同じ餌を食べません。一緒に食事をするのは、敵ではないと認識したからであり、安全だと考えているからです」
佐藤「・・・自分にはっきりとした考えがないと、他人には寛容になれない。」「自分の考えを押し付けるのはよくない、結局、悲劇を生む。(中略)最近の社会情勢を見て、異分子を排除する精神が高まってきつつあるように感じます。これは危険です。」
佐藤「濫読は重要ですね」「興味を持つ力をなくしたら、知的なものは入ってこなくなるでしょうね。日本のいま、特に若い世代に問題なのは、興味をもつ力が落ちていることではないでしょうか」
竹村「ロシア式速読法というものがあるとか。」
佐藤「特別な方法でありません。・・・基本書を完全にマスターしておくから可能になる方法です。・・・ロシアの学生は・・・小学校、中学校、高校で教科書を徹底的に丸暗記するからです。・・・丸暗記をして基本データが頭の中に入っているから、それに関連したテーマなら瞬時に理解できる。だから速読が可能になるのです。」
竹村「ということは、基本データがインプットされていない分野は速読できないということですか。基礎知識がない分野は記憶できないということと同じですね」
佐藤「同じです。いくら目の動かし方とか、ページのめくり方を訓練しても、基本データが入っていない分野では無意味だと思います」
憲法に関する諸問題、露西亜に関する議論等は興味深い。竹村氏が概ね聞き役に回っているのが印象的だった。