シューマンの作品一覧
「シューマン」の「音楽と音楽家」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「シューマン」の「音楽と音楽家」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
初のクラシック音楽の本を読んだ。
吉田秀和が初めて訳した本だけど、読みやすいのが先ず第一印象。
シューマンのロマンチックで優雅、公演のように熱狂的に論ずる姿勢に大変好感を持てた。
クラシック音楽は最古の歴史と云われるので、この本を読んだだけでは歴史的なものも音楽自体の良さも分からないのは必至。
導いてくれるので本書に出てくる曲を聴きながら読むのがベストだと思った。
音楽を奏でるのと同じ位の熱量のある内容なので、コンサートとかの雰囲気もふわりと掴めるのではないだろうか。
事実、それを意識して書いて吉田秀和が「音楽新報」という当時シューマンと仲間たちが発刊していたのを要所々々抜萃したものだけど、クラシック音楽の優雅さ、高尚さなどの雰囲気を掴むのには抜群の一冊だった。
これを機にクラシック関連の本をもっと読みたくなった。
Posted by ブクログ
◼️ ロベルト・アレクサンダー・シューマン
「音楽と音楽家」
「諸君、帽子をとりたまえ、天才だ」と称賛されたショパン。ほか数々の音楽家の価値を知らしめた、偉人の名批評。
シューマンのピアノの曲といえば、まず名ピアニストであった夫人のクララ・シューマンのために作ったドラマティックなピアノ協奏曲、それから「子供の情景」ついで「クライスレリアーナ」が思い浮かぶ。これらピアノ関連の曲は詩的要素も強いように思える。ドイツ・ロマン派の重鎮で、メディアや音楽家から批判もあり、評価が曖昧だった作曲家を、音楽誌での数々の批評を展開することにより、価値づけた。とりわけ今のビッグネーム、ショパンでありメンデルスゾーン、ベルリオーズといった当時の若手として登場した作曲家、演奏家たちがシュー大きな助けとなったようだ。
面白いのは、フロレスタン、オイゼビウス、ラロー先生といった、それぞれ性格の違う自分の分身を登場させて批評文を展開している点だ。最初はちょっと混乱した笑。
この批評は音楽誌に載った記事を抜粋して、全般的な批評を展開したもの。ベートーヴェン、シューベルト、モーツァルト、バッハ等の曲を好意的に書いている。ベートーヴェンの交響曲第5番、いわゆる「運命」には
「これについては何もいうまい!」
「この交響曲もまた、世界と音楽があるかぎり、幾百年たってもくりかえしくりかえし演奏されるだろう」と最大級の尊重、畏敬の念を表している。はい、創られて200年以上経った現在も大の人気曲ですよ、と微笑。
加えて先に述べた通り、ベルリオーズの幻想交響曲を分析しつつ誠実に好ましい感想を述べたり、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲などを称賛したりしている。
かつてアイドル的人気を誇り、ピアノを聴いた婦人たちが失神したという逸話もある超絶技巧のピアニスト「ピアノの魔術師」フランツ・リストのリサイタルに行っていわく
「リストは、きくだけでなく、見なければならない」
ビジュアル的、外見ばかりでなく、その演奏に迫力があったように書いてある。見たいなあ、クララも号泣したというし。
とりわけ、ショパンへの批評は興味深い。褒めちぎっているといっても過言ではないだろう。
ラ・チ・ダレム変奏曲について、分身のオイゼビウスに
「諸君、帽子をとりたまえ、天才だ」
と言わせている。これはクラシック界では大変有名な言葉となっていると思う。
さらにピアノコンチェルト2曲については
「こんなのは僕らがみんなで、束になってかかっても、かなわない(2番について)」
とフロレスタンが完全降伏。バラード3番には
「この曲の詩的な香りは、これ以上の分析を許さない」
高評価ですねえ。確かにクラシック友の中にはショパンはあまり聴かない、という人もいる。詩的、ロマンティックで音楽的、民族舞踊を取り入れるなどこれまでとは異質な曲への反応を踏まえて、妥当な評価を下そうとしている。
ただし、「葬送」のタイトルで有名なソナタ2番については、第2楽章までは褒めているものの、「葬送」の部分には「耳ざわりなものがたくさんある」と手厳しい。後には「音楽ではない」とまでの書き方も見られる。私は大好きなのですが・・苦笑
さて、上に挙げた音楽家はパリを拠点にしていた者が多く、シューマンは彼らをドイツ音楽界に紹介し興味を喚起したとか。
私にも年代が分かりにくかったため整理を。
シューマン1810年-1856年。
これらの批評は主に1830年代〜40年代になされたものである。
ベートーヴェン1770-1827
シューベルト1797-1828
ショパン1810-1849
リスト1811-1886
ベルリオーズ1803-1869
メンデルスゾーン1809-1847
シューマンは若い頃から批評活動をしており、紹介されたのはより若い音楽家ではなく同年代もしくは年上だった。しかし批評には熱意があふれ、かつメディアや同業者の批評に辛辣で、表現が詩的、さらに分身。なるほど20代の文章だと思わないこともない。しかしこの人たち天才だなホンマに。
シューマンは晩年、精神錯乱に陥る。その直前にシューマン家を訪れたのが若きヨハネス・ブラームス(1833-1897)で、シューマンは本書でその出会いを述べている。ブラームスはシューマンの死後、多くの子供を抱えたピアニスト、クララを支え続け、生涯独身を貫いた。
専門的な音楽論はさすがに知識もなく、分かる曲以外は読み流すしかなかった。最初はやや停たけれども、読むうちにヨーロッパ、ロマン派の近代音楽史に浸っている、シューマンがその歴史の一部を作った、という雰囲気が伝わってきて、充実感と少しの寂しさを覚えて読み終えた。
良い読書でした。何曲か聴こうかな。