恒川邦夫の作品一覧
「恒川邦夫」の「精神の危機 他15篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「恒川邦夫」の「精神の危機 他15篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ポール・ヴァレリーの文章はなんとなく読みにくくて、細部で感心する部分はあっても、全体のメッセージが理解しにくいという印象があった。しかしこの本はとても面白かった。
おおむね第一次大戦後あたりに書かれた文章なのだが、ヨーロッパ「近代」に凄まじい動揺が走った時代であり、社会の価値が急速に変貌していく「危機」を、ヴァレリーは鋭敏に看取した。
この洞察は、現在にもつながっている。20世紀初頭に起こった「変化」は、その後の100年間の諸々の事象を支える土台となっており、ヴァレリーによる分析は現在の文化にもかなり当てはまる。
興味深いのは、ヴァレリーが「後発の」ドイツの勃興に対して抱いた畏怖の念で
Posted by ブクログ
ハムレットはつぶやく。「そして私は、ヨーロッパの知性であるこの私は、どうなるのか・・・・・・。そして平和とは何か。平和とは、恐らく、人間に自然な人間相互間の争いが、戦争がするように破壊によって翻訳される代わりに、創造によってあらわされるような状態をいうのであろう。創造的競争、生産能闘争の時だ。しかし、「私」は生産に疲れていないだろうか。極端な試みへの欲望を出しつくし、また微妙な混合薬を濫用しすぎたのではなかろうか。私は自分の困難な義務や超越的な野心を放棄させねばならないのか。私も時勢にしたがって、いま大新聞を経営しているポローニアスのように、どこかで航空事業に従事しているレヤーチーズのように
Posted by ブクログ
岩波文庫
ポール ヴァレリー 「 精神の危機 」精神に関する論文や講演録
表題「精神の危機」は ヨーロッパの精神が アメリカやアジアに移転することにより、先に 大国化したヨーロッパが 相対的に 衰退することを危惧した論文。
表題の精神の意味は、技術開発や植民地政策により先に大国化したヨーロッパの資本主義システムや利益に限定している
表題以外の論文については、精神という言葉に 知性、主義、文明、言葉と結びつけて価値を見出しており、かなり多様な意味を持たせている。精神に主体性があり、普通に読んでも 精神が何たるかわからない
*精神は 過去の中から重要なものを探り出したり、新しいシ