伊東祐吏の作品一覧
「伊東祐吏」の「戦後論」「丸山眞男の敗北」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「伊東祐吏」の「戦後論」「丸山眞男の敗北」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
現代において戦後というものをどう考えていけばいいのだろうか?という疑問に突き動かされて本書と巡り合いました。
丸山眞男の思想の内容については良く知らない状態で読み始めましたが、本書は平易な文章でその概説をしているため非常に入り口として役立つものでした。
結論として丸山眞男の思想が枠に囚われた思想であり、現代において既に敗北しているという論述がなされており、その論旨も納得いくものです。
それを踏まえた上で、本書を入り口として丸山眞男の著作を今読むことにどのような意義が出てくるのか不明瞭になってしまい、「丸山眞男思想の入門書」として本書を読んだ人はその入り口で心を折られてしまいかねないとも感じられ
Posted by ブクログ
戦後史のなかで、丸山眞男の政治思想および日本思想史における仕事がどのような意義を果たしてきたのかという問題を論じた本です。
著者は、丸山の福沢諭吉研究を手がかりにして、丸山が論じている福沢の思想的方法が、丸山自身の仕事にも見いだすことができると主張しています。その方法とは、状況認識にもとづいて社会という舞台での役割を演じるというものであり、著者はこの方法を「丸山の哲学」と呼びます。本書はまず、戦前の丸山が「近代の超克」の議論に対してどのように向きあっていたのかを明らかにし、つづいて戦後史の歩みのなかで丸山が、いわば逆風に向かって凧を上げるというしかたで、社会の動向や風潮に逆行してみずからの論
Posted by ブクログ
学問や思想の現実からの乖離を指摘することは、本書で取り上げられている吉本隆明を嚆矢として、これまでも繰り返しなされてきました。最近では、あるいは、『思想なんかいらない生活』(ちくま新書)などで知識人をメッタ斬りにした勢古浩爾や、「トンカツ屋のおやじ」のまっとうな生き様に関心してみせる『倫理という力』(講談社現代新書)の前田英樹も、同じようなスタンスを取っていると言えるかもしれません。
著者は、知性による合理的な認識よりも身体の知を重視する橋本治、養老孟司、内田樹らの議論を検討した上で、身体知をことさら言い立てる彼らが、なおも学問の呪縛から逃れていないと批判しています。ただ、そうした主張を展開