なべおさみの作品一覧
「なべおさみ」の「病室の「シャボン玉ホリデー」 ハナ肇と過ごした最期の29日間」「昭和裏芸能史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
師弟関係というものに一種の憧れを感じるのは世代も関係あるのかもしれない。
例えば思春期にもっとも影響を受けたのはダウンタウンだった。彼らは吉本のNSCの一期生であり師匠をもたない芸人の最初の世代であり、尚かつ時代を作ってしまった。故に芸人のみならずいろんな芸能だったり映画監督でもいいけど学校で学んで世に出て行くという流れがもはや当たり前になった時代に育った。そうやってなるのが当然の世代ではある。なんせダウンタウンのコンビ結成の年に僕ですら生まれている。
とうぜん師弟関係があるところやそうやって師匠から伝達されて技術を磨いて師匠のところから出て一人前になる仕事も未だにある。
師弟関係の時代から学校で教わるという時代がありこの先はどうなるのだろう。だからこそ師弟関係というものが羨ましく思える部分はあると思う。
師弟とは魂の伝達関係であり愛憎を含んで人生における大きすぎる人間関係である。ここに書かれているのはなべおさみさんが師であるハナ肇さんを看取った最後の魂の会話の記録だった。
Posted by ブクログ
本物、偽物、似非物。
本物を知るためには本物に出会ったり見たり聞いたり体験せねばならない。
なべおさみさんが出会ってきた綺羅星ごとく本物たち、そこの舞台は芸能という場所で、そこと彼が憧れていたアウトローな世界であるやくざの話残したいと思って書かれたのがよく伝わる。芸能とやくざの繋がりを、やくざという言葉が生まれた背景やユダヤの失われた十氏族などの言葉や能の始まり、芸能の始祖と身分的には低いものとされていた人々が紡いできたものとご自身の考えを勉強されたものを混ぜ合わせてなべ論として書かれている。
昭和史や昭和の芸能や格闘技に疎い僕だが春日太一著『天才勝新太郎』や山城新伍著『おこりんぼさびしんぼ』や『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読んでいたので楽しめた部分もあった。昭和史と芸能史と興行史、大事な事はその時代の黄金期と呼べるであろう時代の生き証人は当然のように高齢になっている。生きた証として自分たちが生きた時代を残そうと、あるいは彼らよりも下の世代がその人たちの証言を残さねばならないという意志が、熱い想いが綴られている。そういう文脈の中でもこの一冊は様々なものを繋いでいく一冊だと思う。
僕は映画学校に一応言っていた人間だが、こういう芸能の歴史だとかは本当に知っておく方がいいと思う。先人たちの足跡を知り、変わらない人間の姿勢や業を考えることは大事なことだろう。そして今のテクノロジーの進化と共に変わる身体性の先に新し文化の萌芽があるはずだ、そして本物と偽物と似非物を見極めれたらいい。