田畑あや子の作品一覧
「田畑あや子」の「アメリカン・スパイ」「55」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
Megan Hineというイギリス人女性を通して、人間の秘めた能力の凄さにただただ驚嘆させられた! 生死の境目という極限での自然との一体感の述懐はスピリチャル体験そのもので、羨望を禁じ得なかった。
〈本から〉
ミーガン・ハイン A &FBOOKS
この一万年のあいだに人類の文化は進化し、知識やスキルをみにつけてきたが、体はそうではない。テクノロジーにあふれた都会を原始的な脳で歩きまわっているせいで、ときおり現代の生活に予想外の反応をしてしまうことがある。
わたしたちと火のあいだには深く原始的なつながりがある。
ストレスとは緊急の際に体を始動させるためのサバイバルのメカニズムなのだ。
直感はよく、「虫の知らせ」とか「第六感」という表現をされるが、そこには科学的な根拠がある。無意識が、過去の経験から蓄積した情報を使ってあなたを守ってくれ、意識的な脳に危険信号を送っているのだ。
観察すればするほど、多くのことが学べる。
よく聴き、よく観察するほど、あとで使える情報が蓄積されていく。
昆虫が天候の変化を最初に教えてくれることはよくある。
本物のサバイバルの状況では、パニックが最大の敵になりうる。(略)
“犠牲者モード”
犠牲者モードに入らないための私が知っている最良の方法は、自分に悪いことが起きたのを受け入れることだ。
(略)
自然は中立の存在だということだ。あなたに個人的な恨みなど持ってない。あなたが生きようが死のうが気にしない。あなたの敵でも味方でもない。自然が自分をとらえようとしているのではなく、自分が犠牲者だと感じる心は自分の内部から起こっているのだということに気がつくと、自分がいる場所を受けいれやすくなる。
(略)
受容によって感情的な重荷がなくなり、思考がクリアになるが、それは現実と闘ってエネルギーの無駄遣いをしなくなるからだ。(略) 誰のことも(自分を含めて)責めず、トラブルを解決する自分なりの方法を見つければいい。現実を変えられないのなら、残された道は自分の態度を変えることしかない。
興味深いことに、自然の中では、人は手に負えないことを受け入れやすくなることに気がついた。
「人を助けるまえに自分を助けなさい」という言い回しは、サバイバルの現場ではとても大事だ。
“サミット・フィーバー(頂上熱)”というのは、安全でないとわかっていても頂上に着きたいという過度に不合理な欲求で、経験を積んだ登山家でもそんお病気にかかってしまうことがある。
わたしがかなり早く落ち着くことができた理由の一部は、自分の能力を充分信頼していたからだ。(略)
深呼吸は誰にとっても拙速な決断をするのをやめさせてくれるすばらしい方法だ。
オープンマインドによって、わたしはすばらしくスピリチュアルな体験をしてきた。その体験では、自然のエネルギーが体に流れこんできて、頭に打ち寄せてくるのを感じた。それが自然のなかで過ごす大きな理由のひとつだ。自我を捨てて、より大きく普遍的なものの一部になると、自分の周囲が広がり、普通なら手が届かないままだったはずの可能性を感じられるようになる。それは災害時に自分の命を救うことが出来るタイプの超覚醒だ。
自然の中にいるときは、まわりの環境と自分を切り離して考えないほうがいい。環境とともに作業すればするほど、自分の目の前にある大事なものが見え、聞こえ、理解できるようになる。オープンマインドを持つことで、現在の瞬間にあるすべてのものを体験できるようになり、過去にこだわったり、次に起こることを心配したりしなくなる。
出来るだけ明晰に考える方法 STOP sit down, think, observe, plan
Posted by ブクログ
1992年、元FBI捜査官のマリー・ミッチェルが自分の双子の息子たちに語る手記という形で進行する物語。
黒人としてニューヨークに生まれ、警察官の父と、別離してしまった母親。いつも勇敢に自分を守ってくれた姉のエレーヌ。今は二人の息子と暮らしているが、そこを正体不明の暴漢に襲われ、身の危険を感じてフランスにいる母親の元に息子たちとともに身を隠す。
1960年代から70年代、80年代と手記の話は時代を行き来する。
自分の少女時代、慕った姉がCIAに入って諜報活動にかかわるようになることを知り、自分もFBIに入るものの白人・男性が上位の世界において、才能がありながら不遇な状態がつづく。
そこから話は80年代の実在するアフリカの小国ブルキナファソの指導者だったトマ・サンカラに接近する指示をマリーが受ける話へとなっていく。
トマ・サンカラは若くしてクーデータによりブルキナファソの大統領となるが、軍人、公務員の給与を削減し、一方で国民の教育やワクチン接種などに注力して識字率や乳児死亡率を下げるなどの政策を実行し、国民の絶大的な支持をうけた。国連で演説をするためにニューヨークを訪れるが、アメリカの黒人の間でも人気は高かった。
しかし、そのサンカラの政策は親社会主義、反米国帝国主義であったがために、当時の米国の諜報機関から妨害工作を受けていて、その中にマリーも巻き込まれていくという物語だ。
女性黒人スパイを主人公としたスパイ・スリラー小説であり、人種差別や性差別に対して或る種の諦めも感じつつ反抗していく女性の物語でもある。
淡々と自分の行動を語る中で、時折二人の息子に向ける愛情表現が切ない。
ちなみに、本書はバラク・オバマ元大統領が毎年発表する読書リストの2019年のリストに取り上げられている。
Posted by ブクログ
1980年代後期。FBIニューヨーク支局で捜査官として働くマリーは、黒人女性であるがゆえに能力を発揮する機会を与えられずにいた。そんな時、ブルキナファソの共産主義政府の弱体化を狙うCIAから、若き革命家トマ・サンカラにハニートラップを仕掛ける役目を言い渡される。自身の才能ではなく容姿を買われたのだと悟りつつも役目を引き受けたマリー。そして、さらにハイリスクな任務の見返りとして、幼少期から共にスパイに憧れて育った姉の謎の失踪について鍵を握る人物との接触を約束される。しかし、国民のための改革を推し進めるサンカラの人柄を知るほどに、任務に対する信念は揺らぎ始め……。舞台はアメリカ、ブルキナファソ、そしてマルティニークへ。史実を元に冷戦の知られざる一面を描き出すスパイ小説。
スパイスリラーの側面もあるが、それだけで終わらない。母の子に対する深い愛情が描かれるなど、家族小説としても読める。