作品一覧

  • 吉田松陰『孫子評註』を読む 日本「兵学研究」の集大成
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    松陰が教える本物の『孫子』。松下村塾での幻の授業がよみがえる。吉田松陰は長州藩の兵学師範であり、『孫子』は座右の書であった。その松陰が最晩年に松下村塾で講義し、遺したのが『孫子評註』である。この書は、松陰が、江戸期の『孫子』研究を集大成しつつ、欧米列強が迫る時勢もふまえて読み解いたものであり、まさに、生涯を賭けて到達した「本当の主著」といえる。高杉晋作、久坂玄瑞ら松下村塾の教え子たちの維新戦略の淵源も、この『孫子評註』にあった。実は、『孫子』の思想の意味するところは、具体例に当てはめて考えなければ腑に落ちないことも多い。だが、事例の選択を誤れば、まったく見当違いの話にもなりかねない。その点、吉田松陰が真摯に取り組んだ解釈を一つの手がかりとすることで、『孫子』を一段深く理解することができるようになるのである。日本周辺の安全保障の危機がかつてないほどに高まる今、改めて手に取り、学びたい、日本人のための『孫子』研究の決定版。
  • 評伝 若泉敬 愛国の密使
    4.0
    沖縄返還時に結ばれた「核の密約」の舞台裏 佐藤栄作の「密使」として沖縄返還交渉を進める中で密かに結ばれた「核の密約」。新たな資料と証言により謎に満ちたその生涯に迫る。

ユーザーレビュー

  • 評伝 若泉敬 愛国の密使

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1972年の沖縄返還に密使として尽力された国際政治学者、若泉敬の評伝。
    具体的な事績よりも、この2019年の今にも通じる若泉敬の透徹した視点には驚かされる。

    ・「吉田路線」がそのままの形で続くならば、やがて日本人の独立心は崩れ去り、したがって「吉田路線」は有効でなくなる。他方、サンフランシスコ講和条約と日米安保条約との組み合わせが「吉田路線」の基礎であったとすれば、その「宿題」として残された領土返還や共産主義下の中国との関係といった問題への答えは、「吉田路線」自体からは出てこない。(p.36)

    ・日本には増大した国力に応じた国際的責任が求められているのに、現行(1972年当時)の日米安保体

    0
    2019年10月20日
  • 評伝 若泉敬 愛国の密使

    Posted by ブクログ

    沖縄返還交渉で密使として活動した国際政治学者・若泉敬氏の生涯を追った本。

    本書は「日本再独立」を念頭に奔走し、政治から離れた後は教育者として若者を叱咤激励した若泉敬の生涯が書かれています。

    0
    2021年08月13日

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