矢崎良一の作品一覧
「矢崎良一」の「その壁を越えろ!~高校野球 彼らはどこを目指し、何と闘っているのか~」「PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「矢崎良一」の「その壁を越えろ!~高校野球 彼らはどこを目指し、何と闘っているのか~」「PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
神様は僕に勉強のために難病を与えた。でもそれだけだと可哀想なので野球でいい思いをさせてもらった、、って。
この箇所を、泣きながら読んだ(;ᵕ;)
PL学園春夏連覇をキャッチャーとして経験。大学野球、社会人野球、仕事、結婚、娘の誕生。
野球のケガや 厳しい父親との関わりなどもありつつも、
華々しい成果もあり、着実に歩み、順調な人生に思われた人生。
なんとなく体調の悪さが続いて、
いよいよおかしいぞ、と病院にかかる。
再検査するなどして、難病(ALS)と診断。
「なぜ俺が難病、、?あんなに野球も出来るほどの強いフィジカルなのに??」
という絶望や、葛藤、肉体の痛み。思い通りにならない苛立ち。
ペンを握ることもできなくなり、家族との会話も、この本の執筆も 文字ボードで1文字ずつ相手に伝えるという手間のかかる作業。
動かない身体、寝たきりで 核家族での自宅介護(吸引などもあるため24時間体制)を受ける中での 妻、娘、 代わる代わる訪問してくれる親、兄弟、義両親への負担。生じる摩擦や問題。申し訳なさや負い目。続く苦悩。
読売巨人のスカウトであり実父である伊藤菊雄氏との確執。
福祉があまり充実してなくてサポートを受けづらい現実への落胆も。
そんな中で、PL時代の同級生が自宅を訪ねてきてくれることの喜びなど。
(伊藤さんの同級生は四人もプロにいっている(PL史上最多の学年なのかな?高卒プロ・大卒プロ含む)。立浪和義さん、片岡篤史さん、野村弘樹さん、橋本清さん。一学年下には宮本慎也さん(大卒社会人経由プロ)。)
ただただ、この動けないまま生きることしかできないという諦観。でも死ぬわけにいかん。だから生きる(しかない)という希望。
長引く闘病生活の心境が綴られている。
辛いこと・弱さの受け入れ・楽しかった思い出、プラスなこともマイナスなことも、相反する色んなことが自分の中に両立・乱立している。抱えながら今日(執筆当時)もベッドの中で毎日生きている。
本人の葛藤がスラスラと分かりやすく読みやすく言語化され、記されているが、文字盤で意思疎通しながら代筆者(ライター)が居ての執筆。このライターさんの力も絶大なものなのだと思う。
キャッチャー経験者である伊藤氏の 思考がこの面を見たり、あの面を見たり。妻の言葉から、様子から、推察して、妻の苦労を想像したり、じゃあ自分はこうしようと判断したり、色んな可能性というか、
事象を内包して、 在る、というのがキャッチャーらしいなと個人的には思ったり。
キャッチャーらしい、よく考える、というのも、難病、闘病という環境に置かれたら 嫌でも人はしうなるものなのか。
同じALS患者さん(女性)がインタビューで話していた一文が紹介されている。
内容は↓
「他の家族ではなく、私がこの病気でよかった」と。
それ聞いて著者・伊藤敬司氏も 自分もそう思うと。
家族にこの苦しみを味わってほしくない、自分で良かったと。
本の最後のほうにあるのは、関わって助けてくれた人たちへ、一人ずつに宛てた感謝の言葉。
KKコンビがPL学園在学中にドラフトにかかる場面についても。
巨人に入るつもりの清原さん(3年)。でもドラフト当日(当時は昼にやってたっぽい)蓋をあけると巨人に行くのは桑田さん(3年)。
そのことを知るやいなや、怒り心頭に達した清原さんが「どないなっとんねん!!!」と
1年生である著者の伊藤さん(巨人スカウト伊藤菊雄氏の息子なので)が授業を受けている教室にやってきたんだという。
怒鳴り声に縮み上がる著者、、、。
これは、とんだとばっちりだ(泣)
著者には関係ないよ〜〜。
チームメイト(後のプロ5人含む当時のPL学生)との練習や寮のエピソードなどもあり、面白かった。
Posted by ブクログ
98年の甲子園で日本中を一世風靡した松坂大輔率いる横浜高校の快進撃。その周りにいる松坂世代についてそれぞれの甲子園からその後の足跡と松坂大輔に対する想いや同世代への想いなどを綿密な取材に基づいて書かれた一冊。
先日今シーズン限りでの引退を表明した松坂大輔を中心とする同期の高校生当時の想いやそれからの足跡を約20年前に書かれた前著で感動した思いから再び読むことができて感謝の一言しか無いです。
監督、コーチとプロ野球に携わる者から高校、中学の野球指導者の道に進んだ者、マネージメントやアナウンサーなど裏方からプロ野球に関わる者、競輪選手・プロレスラーと違うスポーツのプロとなった者、アナウンサーや飲食店経営など全く違う道に進んだ者と様々な道へと進んだ15人について綿密な取材に基づいて書かれていて前著と同じく幾多の感動を味わせてもらいました。
当事者の心理まで伝わってくる当時の試合の描写、野球以外の違う道も詳細な説明によってそれぞれの方の人生を深く感じることができました。
選手としての引き際や野球との決別などそれぞれの方の決意の瞬間、そして新しい道でのそれぞれが輝く姿を通して希望を感じ、いいセカンドキャリアを歩まれていると感じました。
田中将大、大谷翔平とその後も甲子園を彩った名選手は幾多も誕生していますが、本書を読んでその後のルールの改正などもあり、劇的な試合の連続だった松坂世代は特筆すべき世代であることやその中心にいる松坂大輔のスター性そして偉大さを世代の方の語りによって改めて感じることができました。
現時点でプロの選手としては和田選手1人だけとなりましたが、これからの松坂世代がどのような形で活躍をするのか楽しみになった一冊でした。
Posted by ブクログ
1980年生まれの松坂大輔投手と同い年で活躍したプロ野球選手が非常に多いことはよく知られています。彼らを”松坂世代”と呼ぶようになったのは、著者が2003年に上梓した「松坂世代」という本がきっかけかもしれません。その本は、当時20代前半というプロ野球選手としてまさに飛ぶ鳥を落とす勢いであった彼らが、松坂大輔氏といかに関わり合って影響を受けてきたのかを鮮やかに描いていました。採り上げられていたのは、和田毅氏(ソフトバンク)、木佐貫洋氏(元巨人)、平石洋氏(元楽天)、久保康友氏(元横浜)、寺本四郎氏(元ロッテ)などでした。当時、甲子園で繰り広げられた最早、伝説とも呼べるような熱闘を繰り広げた選手たちの証言やエピソード満載の素晴らしいノンフィクションでした。
本書はその松坂世代が40歳となる節目に出版されました。前作に登場した選手もおられますが、多くは松坂氏とは直接対決はしていないけれども、高校野球に関わった人、中にはプロ野球に進んだ人も入れば、大学・社会人で野球にはピリオドを打ち、新たな人生を歩んでおられる様々な姿が描かれています。プロ野球の現場スタッフ、大学・高校の指導者、スポーツマネージメント事業の社長、競輪選手、レストラン経営者、プロレスラー、アナウンサーなどその経歴は本当にさまざまです。
野球のキャリアで結果を残せなかった(と自分では思っておられる)方は「自分は”松坂世代”と呼ばれる資格はないです」とおっしゃる方もおられますし、「注目されるのはグランドにいる選手たちでいい」とおっしゃる方もおられます。
しかし、最終章で松坂氏が『野球では僕が勝ったかもしれない。でも、最終的な勝負は”どんな人生を送れたか”じゃないですか。野球が終わった後の人生の方が長いんだから、”まだまだ勝負は終わってないぞ”って。僕のこの野球人生も含めて、どっちが良い人生を送れるかが勝負だぞ、って。それはみんなに言いたいことですね』と述べられているように、グランドに立つ人も、グランドを去った人も、意識のどこかで松坂氏を意識して懸命に生きておられる様子が伝わってきます。
必ずしも有名な選手だけを追うわけではなく、多くの人に根気よく取材され、取材対象の人たちへの愛情が感じられるような、読み応え十分のノンフィクションです。野球好きの方、ぜひ読んでみてください。
本書を読み終えて、2003年出版の「松坂世代」を改めて読んでみたくなり、本棚から取り出しました。私自身、30代前半で読んだ本を、今読み返してどう感じるか興味があります。一つ残念なのが、この2003年出版の「松坂世代」が絶版となっていることです。文庫でもよいので、是非再販されればと願います。
Posted by ブクログ
松坂世代も40歳、次々に引退。松坂大輔という太陽を中心に光る人々それぞれの人生。今この時期だからこそ読みたい一冊。
ちょうど本書を読むタイミングで藤川球児、渡辺直人の引退のニュース。松坂世代の現役も数えるほど。
過去に「松坂世代」という良著を書いた筆者。松坂世代の2020年現在を描く。
前著と比較して野球以外の道を選んだ人選が目立つ。スポーツマネジメント、介護事業、ユニホームクリーニング、鉄板焼き屋店主、競輪選手、プロレスラー、アナウンサーなど。
自分はプロレスはほとんど興味無いが、明徳義塾出身の関本大介というプロレスラーの話が面白かった。そうあの明徳義塾。PL との延長17回の熱闘の翌日の準決勝。さすがに先発できない松坂が9回リードされた場面で登板する。マウンドに立った瞬間の5万人の絶叫、大歓声。ヒールとなった明徳義塾、控え選手としてスタンドから観戦する関本の原風景。
「あのときの松坂のように、会場の雰囲気を一瞬にして変えてみたい」
社会人野球の名門、日本通運の監督を務める澤村幸明。松坂世代とは知らなかった。1996年夏の甲子園の決勝。松山商業の1点リードで9回ウラも2アウト。追う熊本工業、最後の打者として打席に入り同点ホームランを打った1年生が澤村である。松坂世代で最初に名を挙げた澤村だが皮肉も皮肉も最初で最後の甲子園となる。
プロ入りを果たせなかった選手、プロで活躍出来なかった選手。指導者としての道、裏方の道、全く違う世界。松坂世代の選手たちのその後、また松坂大輔の存在がじっくりと語られる。スポットライトを浴びる人生も良いが、頑張っていればそれ以外の人生も悪くない、そう思える、読者にパワーを本書は与えてくれる。
たいていのノンフィクションの良作はいつ読んでも良いのだが、本書については賞味期限つき。出来れば今年のストーブリーグが始まる前に読んだ方がいい。
松坂世代それぞれの元野球少年の人生にエールを送る素晴らしいノンフィクションでした。