«一冊でだいたい分かる、主要各国のオトモダチ事情»
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ここは世界中から従業員が集まるオフィス。従業員のひとり、「日本」氏の視点を中心に、オフィスの人間関係(という名の国同士の関係)を眺めてみましょうーー
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国の擬人化といえば、日丸屋秀和先生の『ヘタリア』という
...続きを読む作品もあるのですが、(こちらも個人的に大好きな作品です。)
本書は、今現在の国同士の関係を職場の人間関係に例えて説明してみよう!という試みがされています。
領土問題等、複雑で分かりにくいと感じる話も、デスクや荷物等身近で分かりやすいものに例えられていたので、理解しやすかったです。
また、舞台が職場とあってなのか、ヘタリアよりも描写はマイルドでありながら、なかなか踏み込みにくい(日本のご近所さんの北の某国の問題など、フィクションでは今まであまり描かれてこなかった)問題まで踏み込んで解説されていたのが興味深かったです。
特に印象に残っているのは日本と台湾の話。仲良しなイメージがあったのですが、国交が断絶しているというのが衝撃でした。人同士はこれからも仲良くできる環境が続いて欲しいなと思います。
【おまけのひとりごと】
ヘタリアでは「イギリスの弟分」、本書では「かつてイギリスに下宿していた」と表現されているアメリカですが、(個人的には「下宿」の方がしっくりきます。)ネイティブ・アメリカンの人たちの立場を考えると、別の描き方も出来そうだな、と思いました。ただ、あまり色々な要素を入れようとすると擬人化が難しくなってしまうのか…?
ステレオタイプ的なアメリカ人キャラを作るのは(おそらく)そこまで難しくないのかもしれませんが、「アメリカ」そのものの誕生〜独立を比喩的に表現するのは難しいことなのではないかなとあらためて感じました。