HIROさんはどこまで謙虚な人なんだろう。本文中には「こんな僕が言うのもおこがましいけれど」といった前置きがたくさん出てくる。HIROさんほどの人になったらもっと堂々と発言してもよさそうなところを、それでも先輩や、若手や、お世話になった人たちや、その道のプロや、他にもいろいろな人のことを尊敬のまなざ
...続きを読むしで見ながら「こんな僕が」と言う。その精神は人とチームをとことん大事にすることで磨かれたものなんだなというのが、この本を読んでわかった。
「自分がやりたいことをひとまず我慢してでも、人のためにやった方が幸せを感じるという人間が大成していく。それは結局、他の人のために何かをしたときの方が、大きな力を出せるからだと思う。」(本文より引用)
まさしくこの生き方を体現している人だと思った。ただ利他的なだけではなく、仲間の夢を叶えることで自分の夢も叶えていくような生き方をしている人。それって、利他的なだけの人よりもずっと信用できる気がする。
タイトルにもある「ビビリ」は、好奇心や大胆さの裏側にある用意周到なところや、先を見据えた決断ができるところを、謙虚に言い換えた表現なんだと思う。ビビリだからこそいい経営者になれたんだろうな。
前作の『Bボーイサラリーマン』が自伝的なストーリーだったのに対して、『ビビリ』は若い世代に伝えたいメッセージがぎゅうぎゅうに詰まっていた。このタイミングでこの本を無料公開するということは、若者たちに伝えたいことがまだまだたくさんあるってことなんだろう。予想以上に刺さった1冊だった。紙の本も買おうかな。
【読んだ目的・理由】金スマを見て気になったから
【入手経路】無料公開
【詳細評価】☆4.1
【一番好きな表現】無理に性格を変えたからって、人生が上手く行くとは限らないのだ。臆病なら臆病なりに、バカならバカなりに、自分の性質を十二分に生かして生きた方が、ずっと実り多い人生が送れる。
人生とは、自分という人間をよく知って、使いこなせるか否かの勝負なのだ。(本文より引用)