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「紙屋高雪」の「“町内会”は義務ですか? ~コミュニティーと自由の実践~(小学館新書)」「どこまでやるか、町内会」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「紙屋高雪」の「“町内会”は義務ですか? ~コミュニティーと自由の実践~(小学館新書)」「どこまでやるか、町内会」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
目次:
第1章 ごみ出し問題には町内会の抱える問題が集約されている
・町内会が抱える問題とは
・町内会とは何か ほか
第2章 「担い手がいない」という悩みへの「解決策」の罠
・なぜ、町内会に人が集まらないのか
・「担い手がいない」という悩みとその「解決策」 ほか
第3章 その事業は本当に必要か
・町内会の「神話」を解体する
・防犯灯 ほか
第4章 町内会はどこまでリストラできるか
・町内会にとって不可欠なたった一つの仕事―コミュニティ意識を育てる
・夏祭りを手伝ってくれたおばあちゃんへの「おせっかい」 ほか
第5章 今すぐできるリストラ策「おまとめ事業」と手続きの簡素化
・今ある事業はこう変わる
Ⅰ「おまとめ事業」
Ⅱ手続きの簡素化 ほか
第6章 行政、連合体、町内会、住民への提言
・誰もが引き継げる町内会にするために
Ⅰ行政への提言
Ⅱ連合体への提言
Ⅲ町内会への提言
Ⅳ住民一人ひとりへの提言
ピックアップと一言:
・町内会に入ることは任意、ごみの収集は市町村の義務。ということになれば、任意団体である町内会に入らないことによって、ごみ出しができず、市町村がごみ収集という義務を果たさないというのは、ずいぶん不合理な話のように思えます。一番根本的な解決は、先ほど紹介した戸別収集にしてしまうことです。市町村の要綱で、集積所の設置を町内会にさせているところがありますが、「未加入」の住民について、任意団体をつくればそれでもいいよ、というふうにしてあるところがあります。行政サイドでなく、町内会サイドで言えば、部分参加という解決方法もあります。例えば「ごみ集積所の掃除をしてくれればいいよ」という町内会などがそうです。あるいは、衛生自治会とか衛生組合といって、町内会の外郭組織なのですが、ごみ関連の費用だけを集めて、ごみ集積所の管理の仕事などを特別にしている団体があります。
→管理費用は必要だが、入会とは別問題ということ。入会の有無とはちょっと違いますが、東広島市では、家庭ごみを地域のごみステーションに持ち出すことが困難な高齢者や障害者等を対象に無料で、家庭ごみの戸別収集と声かけによる安否確認を行っています。
・福岡市では「地域デビュー応援事業」をやっています。これまで仕事一辺倒だった「団塊世代」が町内会や地域の活動に出てくるのを応援しようというのが「地域デビュー応援事業」です。「地域行事に参加して楽しむ」が第1段階、「地域の良いところや地域活動などについての情報共有」が第2段階、そして「地域活動として、継続的に地域に関わっていく」が第3段階です。例えば町内会などが行う夏祭りに一定期間補助金をつけることで、そうした小さな地域単位でのイベントを盛んにし、そこにスタッフや客として出てきてもらう人を増やそう、としています。
福岡市地域デビュー応援事業
→福岡市の「地域デビュー応援事業」における、「町内の幅広い世代の住民が気軽に楽しく参加できる住民同士の交流事業」とは、清掃 活動やパトロール活動などの奉仕的な活動ではなく、自治会・町内会への加入・未加入や年齢、性別などにかかわらず、多くの住民が参加して楽しめるようなものをいい、一例としては、夏祭りや餅つき会、三世代が参加できるような軽スポー ツや文化的イベントなどがあげられます。今度、実績や効果などを聞いてみたいですね。
・ただし、この「魅力押し出し」というやり方自体は大事だと私も思いますが、他方で根本的に対処しなければならない問題が抜けたまま「魅力押し出し」だけを行うことには、重大な欠陥、罠があると言わざるを得ません。それは、増えすぎた町内会の仕事を根本的に減らすということです。「検討委」で、町内会などの地域活動において「負担」が第1回から大騒ぎで議論されています。そこで、主な負担感の中心は何かが議論されていますが、それは「行政からの依頼」だと言います。
→東広島市でも、広報紙の配布は住民自治協議会が行うかは選択制とし、住民自治協議会で配布できない地区は、業者への委託で配布を行っています。しかし回覧は必須事業となっています。これは、住民自治協議会へ世帯数に応じた交付金を交付する条件として、世帯数調査と行政情報の回覧が必須事項となっているためです。
・高齢化がすすむ中で最近町内会の活動として増えているのは、高齢者の見守りでしょう。まず、高齢者の安否や福祉に責任を持つのは、本人、家族、行政であり、あくまでも町内会ができることは「お手伝い」なのだということを明確にしましょう。その上で、できる人は「訪問し報告する見守り」にも挑戦し、できない人は「さりげない見守り」を心がけてもらうということでよいのです。
→国が要支援1、2の人たちの一部を介護保険の直接給付から外したために、ヘルパーなどの専門的なサービスが受けられない人たちが生まれてきており、その受け皿として、業者、サークル、ボランティアが考えられているのですが、国が「町内会」でもOK、としているということは、初めて知りました。確かに町内会への負担が増えてきていますが、行政は町内会が受けるか否かを選択できるように制度設計しなくてはいけませんね。
・防災・危機管理アドバイザーで「近助の精神」を著した山村武彦は、次のように述べています。「共助は「みんな」なので。みんなで助け合いましょうというのは美しいですが、顔が見えません。ですから私は、近くの人が近くの人を助ける「近助」を提唱しています。共助は自主防災組織へと発展しましたが、その自主防災組織を支え中核をなすのが向こう三軒両隣の防災隣組であり安否確認チーム、つまり「自助」と「共助」に間を埋める「近助」なのです。」
→そう、防災活動は広域で取り組むのがとても難しいと感じています。かと言って、住民自治協議会にお任せの各区(自治会・町内会)は、自らの単位での防災活動を自ら行う意欲はありません。なので、住民自治協議会として、各区へ防災活動のお膳立てや直接支援が必要となってきます。防災活動とは言わないまでも、“近助”付き合いを進める支援をしていきたいですね、
・ぼくはこの本の中でこれまでずっと、町内会に残る最小限の機能は「コミュニティ意識の育成」だと言ってきましたが、そこに小さいけども本質的な修正を一つ加えなければなりません。それは今述べた通り、地域住民の代表として意思を表明するという機能が必要だということです。行政の下請けになるのではなく、しっかりとモノを言う。しかし不合理な負担は避ける―こうした新しい、ゆるやかな町内会議が浮かび上がってきます。
→ミニマム町内会でも、入会未入会に関わらず、地域住民全員が必要な時にいつでも意思表示が出来る体制が作れていれば代表と言えると思います。まずは住民自治協議会を知ってもらい、活動内容や連絡先等を知ってもらう活動が必要ですね。
・町内会の仕事のリストラをすること。そのための基準は何かと言えば、コミュニティ意識(お隣さん意識、近助の精神)を育むことさえ残れば、どこまでリストラしてもよいのです。
→自治会・町内会で行う活動は、防災、福祉、環境、、、だと思い込んでいました。これらができるに越したことはないですが、役員やスタッフが嫌な思いをしてまでするものではないということが分かっただけでも気が楽になります。
・「散歩のついでに防犯パトロール」「夏祭りで消火器での的倒し」「非常食を持ち寄ってピクニック」「運動会を外注」「回覧板をなくす(メールやSNS)」「町内会の規模を小さくする」「総会は数年に1回」「役員会や班長会議なども、住民に広く案内し、誰でも参加し意見を言えるようにする」「会計についても、出納簿をつけておくだけ」
→無くすのは難しい、なら抱き合わせでやってしまおうというのは合理的ですね。
・「町内会はあったほうがいい」というのがぼくの基本のスタンスです。ゆるやかなコミュニティ意識(お隣さん意識)を育てていくことで、明らかに生活の質は向上します。ただ、従来のような強制か任意かわからないまま住民に押しつけるやり方や、それをいいことに行政が「下請」に使うようなやり方は、もう見直さないとこの先やっていけません。町内会が「住民に対する責任」という呪縛から解放され、やりたいことをやりたい人がやろうという原理に転換できれば、担い手はずっと増えるはずです。しかも生き生きと、楽しくやれるに違いありません。
→同感です。ミニマム町内会でやりたい人が楽しくやりつつ、全住民からの意思表示の機会を確保することで代表性も担保する。そういう町内会像をめざしていきたいですね。
感想等:
・前著「“町内会”は義務ですか?」に続き、自治会・町内会不要論と必要論の両面からみた説得力のある本です。今回は、町内会のスリム化の具体例を中心に、行政、連合体(住民自治協議会)、町内会、住民への提言をまとめた実践的な本となっています。
・ミニマム町内会では、コミュニティ意識の醸成、つまりご近助(近所)の繋がりづくりが大事だと説いていますので、今後はそこの具体策をもっと掘り下げてもらいたいですね。
Posted by ブクログ
目次:
序章 町内会って入らなくてもいいの?
1 イヤ~な顔をされる加入勧誘
2 「何をしているかわからん」「抜けられない」 ほか
第1章 町内会は必要です!
1 町内会長が死んだ!―なんで私が会長に
2 町内会ってなに? ほか
第2章 町内会は要らない?
1 加入のお願いはつらいよ
2 町内会費はこんなに払う必要があるのかよ ほか
第3章 ゆるゆるな新町内会をつくってみた
1 校区でつるしあげ―ココロが折れた日
2 自治会長をやめようと決心 ほか
第4章 町内会は今後どうしたらいい?
1 基本はボランティア
2 校区(連合体)から考えるな ほか
終章 親睦だけでもなんとかなる
ピックアップと一言:
・若い・アパート暮らしの人を想定した場合、加入チラシはそこにもっと焦点をあてるべきではないかと思います。たとえば高齢者や子どもの安全の見守りなんですが、単身の人間には「関係ない」と受け取られかねませんよね。災害のときに手をとりあえるという「メリット」はどうでしょうか。高齢者や子どもの場合は災害で手助けが必要だとすぐわかるんですが、若い人は自分の力でなんとかできると思ってしまうかもしれません。たとえば、若い独身女性にむけては「防犯灯」の役割、非正規の若い男性には「失業や貧困に陥った際に行政窓口につなげる相談」とか。
→自治会・町内会として一番取り組む必要がありそうな、福祉と防犯が、特定の世代にしかメリットを感じられないという考え方はとても示唆に富みます。チラシはターゲット層毎に複数種類作ることが必要ということですね。
・善意で「町内会の仕事を少し手伝ってもいいよ」という人はいます。そして実際に手伝ってくれます。しかし、自分がずるずるとハマりこんでしまう、負担が増えていくというのはとても恐ろしいことなのです。すぐできることは、班長や役員になったときの拘束時間の目安を示すことです。そして、仕事や生活優先であって、事情を伝えて、無理なときはちゃんと断っていいんだというルールを確立することです。
→入会チラシもそうですが、役員をお願いする時にも、年間行事予定などの負担の詳細や細かなルールを書面で記すことが必要ですね。
・自治やコミュニティの基本単位は、「一目で見渡すことができる程度」、つまり単位町内会のレベルです。校区が基本単位ではありません。私のいた団地自治会のある小学校区は2万人も住んでおり、ちょっとした市です。これではコミュニケーションがスムーズにいくような自治はできません。行政は中間団体である校区、しかもその幹部とさえうまくやれれば、面倒な個別町内会とのやりとりや責任がなくなるので、校区を掌握したがりますし、校区を単位にものを考えがちです。しかし、これはあくまで行政の都合というべきでしょう。そう考えれば、校区の役割はとても限られたものになるのではないでしょうか。
→現在、三ツ城自治協議会(約1万世帯)ではいわゆる校区の部会での活動が主であり、各区(自治会・町内会)の活動は最低限(回覧くらい)のものになっています。その方がよい活動もありますが、やはりもう少し小さな範囲で行う方がよい活動もあるので、今後、校区の部会と、各区の活動の住みわけが必要になってきますね。
・ボランティアだということを踏まえると、町内会の仕事をやる人もそういう構えになります。参加してない人たちを見て、「俺だけこんなに一生懸命やっているのに、あいつらはなんだ!」とか、そういう被害妄想がなくなります。好きでやっているんだから、好きでやっていない人たちのことを恨みがましく言うことはなくなるはずです。「地域の為の義務だ」と肩肘をはるから、町内会の仕事に参加しない人を「フリーライダー(ただ乗り)」のように見てしまうのです。
→私はボランティアだと思っているので、いろいろ大変ですが楽しんでやっています。問題は、嫌々役員をやっている人がいると、会議や活動がギスギスするということですね。なんとか楽しくしたいと、新しい取り組みを考えてみたり、飲み会を企画して見たりしていますが、なかなか難しいです。
・校区のような町内会の連合体組織の場合、行政からの依頼はもちろんのことですが、校区で話し合って決定した行事や仕事についても、個別町内会にはそれを拒否したり保留したりする自由がきちんと保障されなければなりません。たとえば、市が行政広報紙を配布する仕事を校区に委託します。校区はそれを町内会や町内会長におろすわけですが、「私のところは力がなくて配布できません」という自由を残しておくということです。その場合は市が民間業者を使ったりする保障をもうけておく必要があります。
→これは東広島市でやっています。広報紙の配布を住民自治協議会に依頼し、無理ならその地区は業者に委託する。自治協によっては、配布活動が繋がりづくりになるからという理由で引き受けるところもあったり、世帯数が多すぎて対応できないと断る自治協もあったりします。
・本当に課題解決の仕事をしようと思えば、町内にこだわらず、広く人材を募らなければいけないことはまったくそのとおりです。これに対して、ある課題を解決するために、その地域を代表して行政や企業などに対してモノを言うことは、まずは町内会にしかできない仕事です。たとえば、近くに道路計画ができる、そのとき、地域住民の声を代表して発信するのが町内会の非常に重要な役割となります。本領とさえいえると私は思います。なぜなら、これはNPOなどにはできないことだからです。
→任意加入とはいえ、やはり地域の代表組織なんですよね。この「ねじれ」をなるべくなくすために、自治協(自治会・町内会)は全住民への情報提供や参加の権利を保障したうえで、参加したい人が参加して運営していく必要がありますね。
・小諸市も北九州市も、(条例で自治会への加入の)義務や責務をうたっているとはいえ、参加しない権利とセットであったり、あくまで「自主的な参加」であるものとされています。これは、強制するところまではいかないけれども、“本来はみんな入るべきなんだよ”ということを宣言しつつ、任意であることをかろうじて確保したものだといえます。全員加入の建前と任意加入の実態の「ねじれ」への一つの対応だとはいえますが、相当気をつけないと、現場では乱暴な加入攻勢がされるんじゃないかと心配にもなります。
→確かに、逐条解説を読まなければ分からないと言うのは、条例としては不十分だと思いますが、なるべく加入して欲しい、という思いとのせめぎあいですね。
・では、町内会は不要なのでしょうか。私はそうは思いません。こうした社会サービスの分野では主体は行政や民間企業、つまり巨大で効率的な組織体になってきており、町内会でできることはプラスアルファでしかないとしても、それでもなお町内会にしかできないことがあります。それは、「自分はこのまちの一員だ」というコミュニティ意識、共同体意識をつくりだすことそのものです。草むしりなんて、共益費のなかから公社や管理会社が委託業者に頼んでパッとやってもらった方がはるかに早いでしょう。しかし、みんなで集まってだらだらとおしゃべりしながら草むしりをした方が、情報交換になって、親睦がふかまり、知らず知らずのうちに、コミュニティー意識を持つことができます。制度化されキツい義務になったり、委託された責任ある業務になったりしたとたんに、私たちはその草むしりを「嫌だなあ」と感じるのではないでしょうか。
→情報提供をしっかりやったとしても、ただ単に「草むしりしたい人募集」では人は集まりません。家族同士でバーベキューをしたり、草むしりの後に神楽を見たり、楽しいことと組み合わせることで、まずは参加してもらう工夫が必要ですね。
感想等:
・旧態依然とした町内会というのは今でも残っていますが、まさにその中で奮闘された著者の経験談です。最終的にはできる人が出来ることをやる最低限の町内会を目指し、それでも自治会・町内会は必要だとまとめています。こんなにひどい扱いを受けてなお、前向きに捉えることができる筆者はとてもすごいと思います。そしてひどい扱いを受けたからこそ、本当に必要なものが見えてきており、自治会・町内会不要論と必要論の両面からみた説得力のある本です。
・文体もやさしく、具体的な経験談も分かりやすく書かれており、とても読みやすい。
・私は、自治体職員ですし、自治協議会の事務局長もしているので、割と必要論に偏っているところがありますので、やり過ぎないように気をつけようと思いました。
・不要論の人、必要論の人、どちらの方にも有意義な内容という意味で、とても貴重な本だと思います。