吉松崇の作品一覧
「吉松崇」の「資本主義をとことん考える」「大格差社会アメリカの資本主義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「吉松崇」の「資本主義をとことん考える」「大格差社会アメリカの資本主義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
左派政党の支持層が都市部の知的エリートになった結果、アイデンティティポリティックスに重きが置かれるようになった。格差が広がっているのにも関わらず、もはや左派政党は低所得の労働者の味方ではなく、再分配に興味をもたない。そして、いわゆるポピュリストが、空白になった低所得労働者から支持を受けて台頭してきた。これは、本書のベースなったピケティの政治分析だが、とても納得感が高い。
これをベースにマクロ経済的な観点から、移民問題、金融政策、財政政策などに焦点を当て、日本、アメリカ、イギリス、EUの政治・経済をきわめてクリアに解説している。
日本については、アベノミクスは金融緩和のみ支持。結果的に、安倍
Posted by ブクログ
近年では、政治の対立は「左右」ではなく持つものと持たざるものによる「上下」の軸になっていると言われます。
本書では、まずかつて弱者の味方であると言われていた左翼政党が、現代においてもはや労働者(弱者)の見味方でないことを欧米の論文を元に分析し、さらに右翼的と言われた安倍政権が立憲民主党などの左翼政権よりものむしろ労働者目線の政策を多く打ち出していたことを論じています。
そして、アメリカのトランプ大統領のような移民制限(右翼的)な政策がなぜ多くの弱者に指示されているのか、また逆に移民政策で誰が得をするのかを解説しています
【こんな人におすすめ】
現在の世界の政治の状況について詳しく知りたい人
Posted by ブクログ
経済から見ため政治の本であるが、日本の政治の現状を説明するのに実に説得力がある。
確かにナショナリストであるはずの安倍政権が「低所得者に優しい」政策や外国人労働者の「事実上の移民政策」を実行していることは常々感じていたし、世界で右翼と左翼の分類が混乱してきていることも皆が指摘している通りである。本書の考察はその政治の現実を整合的に説明できている。
本書の世界の左派政党が「知的エリートの党」へと変質したとの認識や「リベラル知的エリートへの労働者層の反乱」との視点は実に秀逸である。
しかし、最終章の「日本への教訓」の金融政策の評価についてはちょっと粗くて賛同しかねると思えた。