「1冊でわかる村上春樹」
あなたは彼の作品を今まで何冊読んだことがあるだろうか。
本書は、村上春樹を読み解く会(代表齋藤隆一)が作品解説、それ以外には村上春樹の生い立ちや日常、趣味、影響を受けた小説家など作家の人となりも多く取り上げている。
この本を読めば村上春樹を丸ごと理解することができる
...続きを読むはず!もちろん、既に全作品を読んでいると言う村上ファンにも、新たな視点を提供できる本であると考えている。知れば知るほどさらに読むのが楽しくなる村上ワールド。この本を読んでぜひ新しい世界へ扉分けて見て欲しい。
この熱さが詰まっている本書なのだ。村上春樹ビギナーである私からすると知らないことばかり。そもそも村上春樹って嫌いじゃないんだけど、何故か手が伸びにくい。まずは村上春樹を知ってみたらその原因が分かるかも知れないと考え、本書を手にしたので、作品ごとに読み解くためのポイントや物語の重要なキーワードが解説されているだけで有難い。
例えば、恥ずかしながら四部作すら深く知らない為、主人公が同一人物であることや全て親友鼠との物語であることすら知らなかった。四部作は複雑に絡み合っているようで、それを解説する年表まである(これ作るのに時間かかっただろうな)。ありがたいありがたい。
作品解説以外だと、小説家になるまでの半生、作品の変化、長編と短編の特徴、国内外の評価、日常生活などがある。ヤクルト開幕戦観戦中に小説を書いてみようと思い立ったなんて知らなかった。個人的には、村上文学の源流や翻訳業へのスタンスが印象深い。特に、翻訳はあれだけ腰を据えてやっていたなんて。そりゃ作品出るのも遅くなる訳だ。
なるほど、確かに新しい視点を提供された気がする。まずは四部作をゆっくりと読むかな。