長年自然を相手にしていると実感する「自分は自然の一部なんだ」ということ。百姓になると決意し、どういったことがあって土や作物に対する考えが変わっていったのか。もがたり的にも読めた。著者のハットした気づきが目に見えるように書かれていて読んでいてここちよかった。
よくわからない感覚もあったが、今後によい影響をもらえたと確信できる本。
第一章
小学生高学年の時、父が耕運機に手を挟まれ切断。うなされる父に『あとは頼む』と言われ百姓を決意。高校などで科学的農業を学び卒業、実践する中で高収入を得る。成功もつかの間、収量が落ち、災害でハウスが壊れ、息子を失い、自暴自棄に。ある方から、米澤晃(九州電力農業電化コンサルタント)先生の講演会に熱心に誘われる。様々な講演会に参加していた中で失望していた著者にとって、この講演会がターニングポイントになる。
米澤流の無農薬栽培では、たい肥と化学肥料(土を分析し、足りない成分を化成肥料で追加する)を利用し完全栄養の土を作りる無農薬栽培を推奨していた。
この農法を実施するなかで化成肥料を使わなかった場所でピーマンがよく育つことに気が付く。その土を先生にもっていくと、先生より褒められ米澤学校の優等生だといわれる(この後、実は化成肥料を使っていないことを打ち明けられなかっtことを著者は悔やまれている)。
ピーマンを栽培していく中で細菌性の病気が蔓延、薬を入れるも改善されず、困っていた。ふと土を掘ったところ、根がない。地上部と地下部は1対1でバランスをとついており、目の前のピーマンは根がない。だから地上部も枯れるんだと気が付く。本当はがいきんのせいではなく、土が死んだから、根も死んで地上部が枯れた。
昭和51年有吉佐和子さんの『複合汚染』をよみ、化学肥料が毒であることを知る。本中の梁瀬義亮先生の「土からできたものは土に返せ」という言葉に衝撃を受ける。
土はなかなかできなくて、借金ばかりがかさんでいく。あるとき、ナズナが枯れて、真っ白にコウジ化されたナズナが中に埋もれていたニンジンを引いてみた。ほかのところでは割れていったニンジンばかりだったが、このニンジンは立派に育っていた。(ニンジンは雨の日の後に土の中で割れるらしく、その音はすさまじいようだ)
畑の草は土づくりの主役、そこに足りないミネラルを作るために生えてくる。とわかってきて草を残すようにしていく。
害虫の発生に当たり、未熟たい肥から出る亜硝酸ガスが影響していることを見つける。
試行錯誤し、無農薬農法を初めて12年目に自信作といえる完熟たい肥を作ることに成功。
完熟たい肥で理想の土を作りさえすれば、農薬も化学肥料もいらないことの証明ができた。
何気なく間引いたニンジンを見て著者は「すべて物は循環している」ことにひらめく。
第2章
毎日幸せに浸りながら、百姓に浸る中で、あるアトピーの女性が訪ねてくる。この出会いが、人生を大きく変えていく。
人は土から作られた作物を食べて生きている。土は人が化けたもの。土は過去の生物から作られて命のリレーでできた土より作物を得る。農薬で殺菌された土から、生きた命がいっぱい詰まったニンジンはできてこない。行ってみれは’病んだ土’。
アトピーの原因は石油化学合成物質だということに突き当たる。
昭和20年依然の農業ではこれらの物質は使われていなかった。これ以前の農法に戻れば・・・。
第3章
塩について。海水からできた塩はミネラルを多く含む。生命のエキスであるミネラルが不足すると健康のバランスが崩れ病気になる。体の弱い人は毎日の濃い目の味噌汁。プラスアルファ古漬け、梅干しを取ることでミネラル不足解消に。味噌やうめぼしなど発酵を利用したものは、自然海塩で作られたものを。伝統食を見直そう。
陰陽、カルシウム不足(すぎな、ゴマの常食を。)、玄米食。玄米には芽があり、命が宿っている。精米するとこの命の気が抜けてしまう。元気の素がなくなってしまう。玄米は酸性食品なので、ゴマ8、塩2でゴマ塩を振りかける。ご飯を炊く際に玄米1升に対し20グラムの塩を。酸性中和、おいしさを醸し出すことになる。全体食。皮など今まで捨てていたところも食べる(循環農法で作ったスイカは皮が固くなく、食べられるらしい)。1日2食(朝10-12時ごろ、夕食は5-7じごろ)朝食は取らない。朝食代わりに「梅醤油番茶」を飲む。見農薬、無化学肥料の番茶と梅干、醤油で作る。梅干し1個醤油小さじ1をまぜつぶす。番茶200㏄を入れて飲む。身土不二その土地でとれたものを食べる。「10里四方のものを食べれば人はみな健康になれる」歩くしか移動できなかった時は10里四方が行動できる限界だった。白砂糖、合成甘味料は体内でカルシウム欠乏を引き起こす。引用の法則では陰性の強い食品。陰性は体を冷やし、細胞を緩める働きがある。断食は月一で。
第4章
塩。土、人に口、皿(血)、で塩という漢字になる。海水はなぜ塩辛い?海の水にはあらゆる川の水が流れ込み、地球上すべての成分が溶けている。海はさんずいに母。海の水を煮詰めたものが塩。塩はすべての草・木などすべての生き物のエキス。減塩より減糖を。
第5章
太陰暦によってタネをまく。蒔くときの感情により発芽が変わってくる。怒りをもって蒔くと種が死んでしまう。
土ができてくるとイネ科やスギナはすがとぉけし、ナズナはこべらが生えてくる。これらが1m以上育つようになれば土は完成といえる(1m近くは1回しか見たことない気がする。)有機とはなにか?太陽の光のエネルギー。
団塊の世代は子供時代にかろうじて日本に自然の山野が残っていた時代。肌感覚で美しい日本を知っている世代。大勢の中で競争してきた世代でもあるので、バイタリティがある。活躍してほしい。薬は草を楽しむもの。意外と身近に食べられる草が多い。トルストイのイワンの馬鹿が愛読書。