こんな棋士がいたのか!という驚き。棋士といえば奨励会。トッププロは若手が鎬を削る奨励会を1-2年で駆け抜け商談していく…
近年、奨励会を年齢制限で退会してもプロになる道が開けます。当然条件は非常に厳しくなります。
著者は奨励会入りを果たしたものの一度は年齢制限で退会。中卒で将棋の世界にのめりこん
...続きを読むだため、どう社会に溶け込んでいくか、困難を強いられます。
そしてアマ棋戦を制し、奨励会3段リーグに復帰しますがここでもあと一歩で4段昇格=プロ棋士になるチャンスを逃します。
今泉さんの転機になったのは介護職への転身でした。ここで今泉さんは人間の心に触れます。自分の意見を押し付けてもダメ。かといってお年寄りのいうことを聞いてばかりもダメ。泣き笑いを共にすることで心を通わせていきます。そして再度将棋に挑戦、プロ棋士になるための5番勝負に勝ち越せば4段に、という道を切り開きます。対戦相手は4段昇段仕立ての順。年下ではありますが新進気鋭のプロ棋士に勝ち越さなければなりません。
今まで自分の気持ちの弱さのために逆転を許したり、逆に相手のなめてかかって惨敗を喫したりの繰り返しでしたがここで初めて自分の気持ちをコントロールし、見事4戦目で3勝を挙げます。
まるで映画をみるような一遍。
でも実話。
一番私の心に残ったのは、「メンタルの強さ」「メンタルのコントロール」が人生を分ける、というところでした。