村田次郎の作品一覧
「村田次郎」の「物理学者の自由研究」「「余剰次元」と逆二乗則の破れ 我々の世界は本当に三次元か?」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「村田次郎」の「物理学者の自由研究」「「余剰次元」と逆二乗則の破れ 我々の世界は本当に三次元か?」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
重力やクーロン力の強さが距離の逆二乗に比例するというのはよく知られた教科書的な事実であると思っていたのだが、その逆二乗則が0.1mm程度の範囲では破れている可能性があるというので驚きである。
確かに、それを検証した人はいままでいなかったかもしれない。それは技術的な難しさもさることながら、逆二乗則であれば現実の天体の運動を数式で記述、予測できるという驚きですっかり信じ込んでいたためとも考えられる。
なぜ逆二乗則が成り立たないのか、現在どのような実験がすすめられているかといったことに関して本書は分かりやすく説明している。
本書の内容とはずれるが、ドラクエのあの南極から北極に移動できる世界はトーラスであるということがよく分かった。
Posted by ブクログ
実験屋さんの書いたADD模型の解説本。空間は三次元でなく,1mm程度より小さい領域では五次元かもしれないという話。洗練されていく近距離重力の実験でそれが検証できるかも?
そもそも重力や電気力などの力の大きさが,距離の二乗に反比例するという逆二乗則は,空間が三次元であることから説明できる。質量や電荷などの荷量から出る力線の密度が,距離の二乗に反比例するからというキレイな説明だ。 ちなみに逆二乗則の発見はニュートンの万有引力の法則が最初。
場の量子論の考えでは,力は仮想的な媒介粒子による運動量のやり取りで生じる。この考えでも,空間中の力線密度と同様の幾何学的な説明が成り立つ。n次元空間であれば,力は距離のn-1乗に反比例することになる。ただし,これは媒介粒子に質量がないとき。
弱い力を伝えるウィークボゾンのように,媒介粒子に質量があるときは,力の到達距離が短くなる。また,真空のゆらぎから粒子反粒子対の生成消滅の効果として,真空偏極という現象もある。これらを考慮に入れると,力の法則の一般形は,(真空偏極)×(ベキ乗則)×(湯川型減衰)となる。
地上で初めて重力を測定したのが18世紀の物理学者キャベンディッシュ。電気力は大きいのでそれより前にクーロンが測定していたが,キャベンディッシュはクーロンの発明したねじれ天秤を改良して微小な重力を測定することができた。この実験から地球の質量を求めることができたのは有名な話。
本当は,当時万有引力の法則は,天体間距離のスケールくらいでしか検証されていなかったので,それが実験室スケールでもあてはまるという仮定は根拠に乏しかったのだが,今ではこの仮定は正しかったことがわかっている。現在は,さらに小スケールにおける逆二乗則の検証が試みられている。
キャベンディッシュの実験は20cm程度の距離だったが,これを縮めていくのはかなり難しい。重力がとんでもなく小さいから,わずかな振動や帯電も相対的に大きなノイズとなり,それに埋もれて精度が出ないから。それを排除すべく巧妙な実験が設計されている。現代のキャベンディッシュたち!
ADD模型によれば,重力が他の力(電磁力,弱い力,強い力)に比べて極端に小さいことの説明がうまくできるそうだ。余剰次元がミリメートル程度まで広がっているとすると,それを境に微小距離では逆二乗則が成り立たなくなってくる。それが実験で検出できるか否か,きわどいところ。
超ひも理論で空間が十次元て説があるのは聞いていたが,余剰次元はプランク長さくらいのスケールでコンパクト化されているのが常識だった。1998年のADD論文は,この常識を覆すもので,物理学者たち仰天したという。目に見えるミリ単位で余剰次元が存在するとしたらすごい。進展に注目したい。