ベトナムの友人ができたので読んでみた。
神話とか古典によくあるような、出来事と登場人物すべてについて日記のようにつらつらと書いたような形式。
前に読んだ台湾の『あの頃、君を追いかけた』もこんな感じだった。
国によって文学的な傾向があったりするものだが、文学が盛んな地域ではエピソードの取捨選択とか起
...続きを読む承転結といった構成がしっかりしているように思う。
ベトナムは文学が盛んな地域というわけではないので、小説としてはまだ発展途上、これからだ。
ベトナムはこれまで「市民はこうあるべき」というプロパガンダ的な作品が国の支援によって書かれてきた。
しかし、近代化の中でやっと自由な作品が書かれるようになってきている。
著者はベトナムの農村に住む人々のリアルな様子を描いたことから人気が出たそう。
厳格な父親と家の仕事を手伝う子供たちなど、日本もかつて辿った生活ぶりは、ベトナムを知る上で参考になると思う。