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  • 精神病の日本近代 憑く心身から病む心身へ
    4.0
    1巻3,740円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 いつから、私たちに狐は憑かなくなったのか。憑かれるという知覚を否定され、精神を病む経験を刻印された心身は、刑法三十九条を経て医療観察法に囚われていく。民俗や宗教から司法、社会事業までをも貫く人間像の転換を、近世から現代までの歴史事象をもとに明らかにして、その延長上にある現在を問い直す。

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ユーザーレビュー

  • 精神病の日本近代 憑く心身から病む心身へ

    Posted by ブクログ

    タイトルから、医学の専門書のようだが、少し違う。本書は、歴史学の立場から日本の精神医学史を研究したものである。

    まず第1〜4章では、明治以前の日本には精神病という概念がなく、当たり前に狐が人々に憑いていたこと、近代精神医学がこれら〈もの憑き〉を排除してきたことが示される。そして、〈もの憑き〉は迷信、あるいは精神病に対する誤った解釈だと再定義されていく。〈もの憑き〉は、地域社会や神々などとの〈繋がり〉の中で発症し、そのトラブルが修復されれば回復できた。また誰もが憑き、憑かれる可能性があった。一方、医師が診断する精神病は、患者個人の遺伝、生活歴に原因を見いだされ、患者の〈存在〉が病むとするもので

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    2022年11月13日

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