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「兵頭晶子」の「精神病の日本近代 憑く心身から病む心身へ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「兵頭晶子」の「精神病の日本近代 憑く心身から病む心身へ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
タイトルから、医学の専門書のようだが、少し違う。本書は、歴史学の立場から日本の精神医学史を研究したものである。
まず第1〜4章では、明治以前の日本には精神病という概念がなく、当たり前に狐が人々に憑いていたこと、近代精神医学がこれら〈もの憑き〉を排除してきたことが示される。そして、〈もの憑き〉は迷信、あるいは精神病に対する誤った解釈だと再定義されていく。〈もの憑き〉は、地域社会や神々などとの〈繋がり〉の中で発症し、そのトラブルが修復されれば回復できた。また誰もが憑き、憑かれる可能性があった。一方、医師が診断する精神病は、患者個人の遺伝、生活歴に原因を見いだされ、患者の〈存在〉が病むとするもので