冷泉貴実子の作品一覧
「冷泉貴実子」の「冷泉家 八〇〇年の「守る力」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「冷泉貴実子」の「冷泉家 八〇〇年の「守る力」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
親しみやすい文章で、冷泉家が身近に感じられた。冷泉家は、和歌の家元。
「和の文化」の基本は歌にあり。私とあなたはいっしょです、という精神。
そう言われると、和歌がとても身近に思えてきた。
和歌は、型、約束事が大事。自我、おのれを出さず、型にのっとって歌うことが大事。
自分にも真似すれば和歌のひとつも詠めるかな、と思ってしまった。
冷泉家の家訓は、
そこそこで、相変わらず。
神さんのバチが当たらんように。
こうして、冷泉家は800年、続いてきた。国宝を守ってきた。無形の文化を繋いできた。
これが冷泉家の「守る力」。
日本の宝、冷泉家、国民が支えて守らなければ、と思った。
Posted by ブクログ
読み始めてしばらくは、たいそうなお家柄のくせに自慢オンパレードなんて稚拙、と思っていたんだけど、それは私の醜いこころの表れ。
うなったのは、「有識故実とは、すべて決まりことは決まりごととして、守るものだ」というあたり。「なぜそうするのかを問うことは意味がありません。昔からしているからそうする。間違えないように同じことをする。これがなによりも大事なことなのです。」(p.76)とし、この伝えられてきたことを「守る力」は、そのまま「つながる力」でもあるという。
ここから浮かんだ自分が最近よく感じることとして「何で人はドラスティックに変えたがるんだろう」というのがある。担当が変わると旧来のやり方が一新されることが多い。しかしその一新は、果たしてよくなっているのだろうか。「変わる」ことがよいことという漠然とした印象に引っ張られるけど、改良もあれば改悪もある。どっちつかず以下に変わるのであれば、これまで間違いのなかった変わらないもののほうが優れているのではないか。
しかし実際のところ、こうしたことを説得力もって主張するのって難しい。その点、「『昔からこうしてきたから』ということでなにが悪い」ということがもっと重用されてもいいのではないか。これってたとえば「何で人を殺しちゃいけない」みたいな問いへの答えとしても有効だと思う。理屈じゃないのよ、殺しちゃいけないものはいけないってこと。
また、「芸術」は西洋的なもの。自分をさらけ出し、人と違うことを主張すること。対して日本文化は、和歌や俳句の文字の制限とか歌舞伎の型のように「私とあなたは一緒」にあり、それは「芸」というべきものという主張も腑に落ちた。
Posted by ブクログ
「新しいこと」「変えること」に無条件に価値を見出す人々がいる。
品のない価値観だな、と思うことがなんどかあった。
この本では、公家の価値観は「『昔からそうしてきたから』でけっこうやないですか」というところにある。と紹介している。
それがまつりごとを運営する力、有職故実というものであり、公家の力の源泉である。といういうことらしい。
しかし、それはそれでいやなものだなぁ、とも思う。
是々非々が「いい加減」じゃないだろうか。
一般に男子男系で代々継ぐ、というのが「家系」というイメージがあると思うのだが、著者自身が養子をとって冷泉家を繋いだ、という人。
「冷泉家800年の『守る力』」というタイトルだが、著者は血脈と家は違うもの、という感覚を持っているように感じられた。
また、冷泉家は、元々は藤原氏の一人の後添いが、先妻との子供に渡すはずだった資産を、60歳近くの当主との間に作った子供に渡すよう遺言状を書かせ、裁判沙汰のあげく立ち上げたお家柄、と紹介されている。
立ち上げ、守る力。けっこうえげつない力だったんだなあ、と感じた次第。