母親に荷物のように放り出され、失語症になるほどのダメージ受ける。
けれどそれを悲劇的に嘆き続けるでもなく、かといって肩を怒らせて突き進むでもなく、
そのまま日常の中に取り込みつつ成長してゆく。
まだ小さくてそうするしかなかったかな。
戸惑う祖母や叔母の繕わない言葉は、時に辛辣である意味正直。
そんなふたりと、気づかぬうちに徐々に築かれてきたのであろうつながりが最期のシーンからもじんわり。
全体に落ち着いた文章で、先に向かう余韻を感じながら読み終えました。
他2編。
「神の落とし子」ではちょっとした仕草の色っぽい表現が印象的。