≪2020年7月号≫月刊 書店員すず木

≪2020年7月号≫月刊 書店員すず木
この道10年のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から<少年・青年マンガ><少女・女性マンガ>それぞれ1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!

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今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • 私の恋で死んでくれ(1)

        私の恋で死んでくれ(1)

        連続不審死@援交現場。 「私は別にお金のためにホテルに行くんじゃない」――。 生徒の非行防止で夜の繁華街を見回っていた熱血高校教師・藤原(ふじわら)は、ラブホテルから出てきた少女・愛利(あいり)に声をかける。しかし彼女の訪れたホテルでは不審死が続発していて…。愛と運命が織りなすミステリー・ラブ...

        熱血高校教師とヴァンパイアの少女が出会う事で、死と愛の物語がはじまった…

        主人公の岸本愛利はヴァンパイア。
        ただ、吸うのは血液ではなく精気を吸い取ります。

        ある時、触れるだけで実の弟を殺してしまった愛利。
        その時初めて、愛する人や親しい人との絆が成立したときに精気を吸い取ってしまうヴァンパイアであると母親から教えられるのです。
        それ以来彼女は深く人と関わることを避け、一夜限りの男の精気を吸い取り死に至らしめてきました。
        ある日いつものように一夜限りの男と行ったホテルから出てきたところを高校教師・藤原に見つかってしまいます。
        藤原が勤務する学校の制服を着ていた愛利を自分の生徒と勘違いした彼は、なにかと愛利を気に掛けます。
        最初は迷惑がっていた愛利でしたが、藤原の熱意を受け次第に気持ちが変化してゆき…
        ある日愛利に触れた藤原が倒れてしまいます。
        そう、愛利が精気を吸ってしまったのです。
        愛利と藤原との間に絆が成立した証拠でした…!!

        ヴァンパイアが出てくる物語は人気が高く、数多くありますが
        この物語のヴァンパイアは他作品とは大きく異なります。
        血液を吸うのではなく精気を吸うところはもちろん、太陽も苦手ではありませんし、寿命も特に長いわけでもない。
        ただ、生きようとしているだけで人を死なせてしまう存在として描かれているのです。

        人を好きになれば、相手の精気を吸って死に至らしめてしまう。
        相手のためには、関わらない事が一番良いと解っているけれど…。
        正にヤマアラシのジレンマ状態の愛利。
        「本当は孤独に生きるべき存在なのに」という愛利の母・愛捨の言葉が胸に刺さります。

        揺れ動く愛利の気持ちが切なく描かれる中、相次ぐ不審死に警察が捜査に乗り出します。
        果たして愛利の恋愛はどうなるのか。愛利や愛捨の罪は暴かれてしまうのか!?
        悲しい愛と運命のミステリーラブロマンスです。

少女・女性マンガ

      • 悪し妻かたり 1

        悪し妻かたり 1

        大海とむ最新作!歴史ファンタジーロマン! 蛇神の加護を受ける一族・荒廸(あらみち)家。 婚家に繁栄をもたらす荒廸の血を持ちながら、 “悪妻”と名高い娘がいた。 戦で夫を失い、国を攻め滅ぼされたその娘・水松女は、 夫の仇である若武者・加左吉次郎に娶られることとなり…!? 悪妻と呼ばれた娘、...

        『蜜夜婚~付喪神の嫁御寮~』大海とむ先生最新作!!悪妻の本当の姿は…!?
        歴史ファンタジーロマン開幕!!


        時は、戦国時代。
        夫を戦で亡くした水松女(みるめ)は、夫を殺した仇の男のもとへ嫁ぐことに…。
        水松女の生家である荒迪家の娘は「蛇神の愛娘」と呼ばれ、土地の蛇神の加護を受け、嫁いだ先で生まれた子はお家の隆盛をもたらすと言われ、重宝されると共に恐れられる存在でした。

        夫の世話もせず側女にまかせきり、その側女も自分が気に入らないと追い出したり殺す悪しき妻であるという噂がまことしやかに言われている水松女でしたが、本当の姿は噂とは全く異なり、元の夫である屋鉄からの暴力や迫害に耐え忍び、民を心配し民のために力を注ぐ心優しい女性だったのです。

        新しい夫となった加左家の次男・吉次郎は、そんな水松女の真の姿に気づきます。
        水松女も吉次郎の寛大で公正な姿に次第に心惹かれてゆくのです…。

        描くのは。『蜜夜婚~付喪神の嫁御寮~』の大海とむ先生。
        一見か弱そうに見えるものの芯がしっかりとした女性を描かせたら随一ではないでしょうか。
        今回の水松女も、儚げで弱弱しさがありながらも、民のために・下働きの女たちのために尽力する強さをもっています。
        また、夫の吉次郎のイケメンっぷりもたまりません!!
        とむ先生の描く男性の色気は本当に凄いです…!!

        実は良い人である主人公が周りからは悪役として白い目で見られるものの、様々な知識や行動を通して次第に受け入れられていく様は、人気の悪役令嬢系の物語に通じるところがあります。
        転生はしないですが、悪役令嬢などの主人公が成功していく物語が好きな方に是非読んでいただきたい作品です!

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。
年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。
「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガをご紹介します。

最近の書店員すず木:ダイエットのためにランニングシューズを購入しましたが、雨続きで全然走れていません…

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