『鬼滅の刃』人気の秘密を徹底考察!!

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巻数を増すに連れ、読者を惹きつけて止まない大正剣戟(けんげき)漫画をご存知でしょうか。現在も「週刊少年ジャンプ」にて絶賛連載中の少年漫画『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴 先生)です。2016年にジャンプで連載を開始して以降、その人間味溢れる慈悲の物語にファンとなる読者が急増。瞬く間にジャンプの表紙を飾る人気漫画の一つとなりました。

漫画『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴 先生)が読者を虜にし続ける理由を、いちファンとして徹底的に分析致します!…させて下さい!

漫画『鬼滅の刃』とは

漫画『鬼滅の刃』あらすじ

鬼滅の刃 1巻

鬼滅の刃 1巻

時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!

『鬼滅の刃』シリーズ一覧

主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)が、鬼に襲われ息絶えている家族の姿を目の当たりにする衝撃の第1話。
唯一の生き残った妹・禰豆子は、鬼へと変貌してしまっていて…。
大切な妹を人間に戻すため、炭治郎が「鬼狩り」への道を突き進む物語です。

漫画『鬼滅の刃』には、前身があった!

前述の通り、連載は「週刊少年ジャンプ」。2016年11号から連載が開始されました。実はこの作品、もともと別タイトルの読切がありました。2013年4月に開催された第70回JUMPトレジャー新人漫画賞という賞に投稿され、「佳作」を受賞した読切漫画『過狩り狩り』(吾峠呼世晴)から、この作品へと発展したようです。ちなみに、この『過狩り狩り』は、JUMPトレジャー新人漫画賞の公式サイトよりご覧いただけますよ!

累計発行部数250万部を突破!(11巻時点)

『鬼滅の刃』の単行本1巻~第11巻発売時点の累計発行部数は、なんと250万部。まさに鬼の発行部数…その怪物的な人気ぶりを物語っています。そして今もなおファンを拡大中の本作、ますますその展開に目が離せない…。
※2019年1月現在『鬼滅の刃』は最新14巻まで発売されております。

2019年アニメ化決定!

『鬼滅の刃』の人気は留まることを知らず、2019年4月からアニメ化が決定!声優として、主人公・竈門炭治郎役に花江夏樹さん、妹・禰豆子役に鬼頭明里さんが発表されております(制作はufotable)。

そんな、週刊少年ジャンプを代表すると言っても何ら過言ではないほど大人気『鬼滅の刃』の魅力を、いくつかのトピックごとに分け、アツく(そして分かりやすく)皆様にご紹介いたします。(伝われこの想い…!)

『鬼滅の刃』ここがスゴい(1):根底にある普遍的なテーマ:家族愛

この漫画は、全話に通づる一貫したテーマとして「家族愛」を描いています。いつの時代も、どんな世代にとっても「普遍的」な存在だからこそ、多くの共感を呼ぶ「家族」の物語。それはもう冒頭話から「ずるいって…」と思ってしまうほどに、主人公・竈門炭治郎の家族(とりわけ鬼と化した妹の禰豆子)を想う気持ちに引き寄せられてしまいます。好奇心とか野心とかではなくて、底なしの深い愛情から走り出す物語って、なんだか美しいなぁと思うのです。

そしてこの漫画の素晴らしいところは、主人公・炭治郎の家族を襲った「鬼」側の視点にも立ち、彼らが背負う過去(人間だった頃の「家族」にまつわる物語)にも焦点を当てている点。決して「鬼」=「悪」という一義的な描き方ではないところが粋です。禰豆子がそうであるように、鬼にだって人間だった過去があるのです。(※)
(※絶対的支配者・鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に喰われ彼の血を分けると、鬼化してしまう)
人間だった頃、彼らにもそれぞれに愛すべき家族がいて。
鬼となるに至った過程や、親・兄弟との対峙には人間臭いドラマがあるわけです。

コマ『鬼滅の刃』第5巻p170 ©吾峠呼世晴/集英社

「家族愛」と一口に言っても、そのカタチは様々。すれ違いのまま、家族を失った鬼も。この漫画は、普遍的な家族愛を描きながら、その在り方の多様性を考えさせてくれる。心にじんわりと響く、家族愛の物語なのです。

『鬼滅の刃』ここがスゴい(2):「復讐」ではなく、「修復」の物語

この漫画の主人公・竈門炭治郎は、家族を鬼に殺され、唯一生き残った妹・禰豆子も鬼に噛まれたことで鬼と化してしまいます。もし同じ境遇だったら…と想像すると、家族殺しの鬼を斬ることで家族の「復讐」を果たそうとするだろうと…。でも、炭治郎は違います。彼は妹が鬼から人間に戻る未来を信じ、その手がかりを求めて冒険に出ます。鬼を恨む気持ちよりも、妹を救う可能性に突き動かされる炭治郎。純粋で真っ直ぐな彼だからこそ、この物語は家族の「修復」の物語になっているわけです。やっぱり少年マンガの主人公は、こうでなくっちゃ!

そして、炭治郎の真っ直ぐさは、鬼を前にしても変わりません。家族や妹を襲った鬼であったとしても、愛に飢えて死にゆく鬼に対して、彼は優しく声をかける。

コマ『鬼滅の刃』第2巻p14 ©吾峠呼世晴/集英社

前述の通り、鬼にもそれぞれの背景があって、苦しい過去を持つ者もいます。その苦しみに寄り添おうとするのが、炭治郎なのです。「鬼に同情は要らない」と鬼狩りから一蹴されることもしばしば。しかし彼はそのスタンスを崩さない。優しさの内側に垣間見える真っ直ぐな芯こそ、炭治郎の人間的な魅力です。

この炭治郎の真っ直ぐ(天然)な性格に多くの仲間たちが引き寄せられ、展開は彩りを増していきます。鬼を討つための組織・鬼殺隊に入隊した炭治郎の同期にあたる我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)や、同じく同期の嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)など、炭治郎の冒険に加わる仲間は個性豊かなキャラクターばかり。

我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)

コマ『鬼滅の刃』第3巻p69 ©吾峠呼世晴/集英社

嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)

コマ『鬼滅の刃』第4巻p25 ©吾峠呼世晴/集英社

そりゃあ鬼退治なわけだし、猿とか雉的な仲間だって必要だよね、と思う方。奴らはきびだんごの見返りにお供になったのに対し、善逸や伊之助は炭治郎の人となりに(少なからず…)影響され自然と行動を共にするわけです。(この3人のやり取りはコミカルなシーンとして描かれているので、本編を読んで確かめてみてください…!)

いつの時代だって、こういう天然で底抜けに純粋な奴が人を惹きつけていくのでしょう…。

『鬼滅の刃』ここがスゴい(3):情緒的な表現が醸し出す大正浪漫の世界観

この漫画を包み込んでいるのは、何処と無く寂しさ漂う物哀しい雰囲気です。特に物語の序盤は、家族を鬼に殺され妹の禰豆子も鬼となってしまった炭治郎の哀しみや、「強くあらねば…」という葛藤が描かれており、物語に暗い影を落とします。村人らの間にも、鬼の出現によって死と隣り合わせの恐怖が広がるばかり。それは、まるで社会不安によって退廃的・虚無的になっていた「大正時代」の日本を想起させるのです。もちろん、これは日本を舞台にした大正時代の物語。当たり前じゃないか、と言われてしまえばそれまで何ですが。当時の大正時代を取り巻いた「世界観」を、ファンタジーにおいても再現しているのはスゴいです。(大正時代を生きていないので、想像の域を出ないのが悔しいところですが…!)

そして、ストーリーや絵の雰囲気だけでなく、情緒的な台詞やモノローグが大正浪漫の世界観を一層色濃く演出しているのです。例えば、鬼と化した妹・禰豆子を殺そうとした鬼狩り・冨岡義勇に対して、情けを乞うた炭治郎を義勇が叱責するシーン。
(※鬼狩り=鬼を狩ることを目的とする鬼殺隊の隊員)

コマ『鬼滅の刃』第1巻p38 ©吾峠呼世晴/集英社

鬼狩り・冨岡義勇『生殺与奪の権を他人に握らせるな!!』

鬼の蔓延る世に生きることの覚悟、そして恐怖や哀しみに屈することなく己を強く保て(さもなくば大切なものは守れない)と、炭治郎を鼓舞する言葉です。炭治郎の心を支配する虚無感に共感しつつ、彼の背中を押す義勇の慈悲深さが胸に響きますよね。

無情な世への不安や哀しさを肯定しながら、それでも強く生きていくわけです。この物語に描かれる台詞は、常にやさしさと強さが同居し、心に沁みる情緒的な言葉なのです。

終わりに:「この世は捨てたもんじゃない」

この物語は、どんなに暗く哀しい世界の中にあったとしても、黒雲の隙間から一筋の光を探すような「希望」の冒険譚。絶望の淵から立ち上がり、妹を救うため、人喰い鬼から人間を守るため、闘い続ける炭治郎の姿に 明日を生きる力を貰えます。

「この世は捨てたもんじゃない」と思わせてくれる、稀有なパワーを秘めた漫画なのです。

漫画『鬼滅の刃』は、こんな人にぜひ読んでいただきたい!

  • ダークファンタジーが好きな人
  • 大正時代の情緒的雰囲気を感じたい人
  • 王道少年漫画が好きな人
  • 明日を生きるパワーを見出したい人
  • ただただ面白い漫画が読みたい!という人

今後もさらに加速していく剣戟冒険譚、その世界観をぜひ堪能してみて下さい!

鬼滅の刃 1巻

鬼滅の刃 1巻

時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!