宮本輝のレビュー一覧

  • 水のかたち 下
    一つの茶碗を手にしてから人との縁や繋がりが広がり続けて、様々な人と接する事や様々な事が日常に起こるけれど主人公は自分という尺からは無理をして逸脱せずに、常に自分というものを大切にしている。主人公はその素晴らしさに気がつかないが友人はそれを感じて影響を受けて、人生の捉え方や生き方が変わっていく。
    人と...続きを読む
  • 水のかたち 上
    人と人とが何故の縁で出逢い、そしてその時を境にそれぞれの川が合流して新たな畝りを形成していくように時は流れる。
    キャノンボールアダレイのジャスを聴きながら、早苗の純粋で清い心に心打たれ、上は終わり。
  • 星々の悲しみ
    中学の国語の教科書にて「星々の悲しみ」が載っていたのがキッカケでした
    他のストーリーも含めて珍しい経験ですが無くはないよね、というストーリーという印象です

    個人的に非現実的な設定のストーリーは面白くて当然、日常をどれだけ面白く書けるかを期待しているタイプなのでこの作品は私に合っていて非常に面白かっ...続きを読む
  • 三十光年の星たち(下)
    よかった
    内容に感動したというより
    文章に心打たれた

    上巻より付箋だらけになってびっくり
    忘れないうちに書き出そうと思う

    私はあることに修行中(⁈)の身

    教わり導かれる立場として
    教え導く方々の言葉が沁みた

    人との出会いが
    人生を変える

    よい出会いをしたい
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    在日朝鮮人と言われた人々の暮らし、思想、逞しさが伝わってきた。毎回のように、重厚なテーマが物語の根底に流れていて、読み応えがある。
    人間性を形作るのは環境。まさにその通りだと思う。特に子供の時分はその影響力が計り知れない。良い環境とは何か。考えるきっかけにもなった。
  • 三十光年の星たち(下)
    憧れることを諦めた人がこの作品を読むと、胸がちくちくすると思う。少なくとも私はそうだった。
    若さとは愚かであることではなく、愚かしいほど純粋であることをわからされた。私は少なくとも、今はそのような歳ではないし、そのような人との出会いもない。主人公をあえてアラフォーの成年を選んだのは、宮本輝本人が苦労...続きを読む
  • 焚火の終わり 下
    人に秘められた謎を快楽の燃料とし、聖なる何かを生み出す。主人公の2人にとってはそれは出生の謎であり、自分たちは血のつながった兄妹なのか、ということで、ふくよかに支配され、残忍な愛撫を返す、深い快楽の関係につながるわけだが、謎が謎のままにしたい、でも知りたい、という葛藤と揺らぎを辿り、結局そこを明らか...続きを読む
  • 三千枚の金貨(下)
    「20年待てない人はたかがしれている。」というような意味のセリフがあったが、趣味で盆栽をしているせいかこの時間の長さへの精神的な捉え方は考えさせられたし、忘れられない言葉になりそうです。
    宮本輝さんには人生を教わる事がとても多いけれど、草原の椅子だったか、他の作品だったか忘れけれど、「男は耳をしっか...続きを読む
  • 三十光年の星たち(上)
    宮本輝さんの作品にはいつも感動させられます。今の自分が主人公の立場だったら、この状況から逃げてしまうだろうと思いながらも、逃げなかったらこうなっていた話が書かれている気がしました。下巻が楽しみです。
  • 錦繍
    過去が今を作り、今でさえ未来の何かを担っている
    宇宙のカラクリ
    人の業とは?を考えた。

    どの主人公の顔も姿も街並みもリアルに感じ取ることができる一気読み系の作品だった。

    哀しい出来事、進む時間、
    自分の気持ちと向き合うにも時間が必要だなとも思わされた
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    自尊心より大切なものを見つける。
    自分で実際に見聞きしたものだけを信じる。
    心根の腐るような言動はしない。
    何が起きても、大したことはない。
    主人公から我が子へ送る言葉が、心に響く。
    些事にとらわれず、我が道をひたすらに突き進む主人公の生き方が、かっこいい。
    妻が喘息にかかっている情報を得ても、すぐ...続きを読む
  • 錦繍
    開成中高の国語教諭が中学生時に同校国語教諭から勧められた、という話から手に取ったもの。
    あらすじを見て期待出来ないと思っていたが、やられた。昭和の小説らしい文章の美しさに。言葉選びのセンスと両者の奥ゆかしさが、か弱く心に響く。
    宮本輝氏の舞台はいつも自分に身近なところであり、風景が重なっていく中で、...続きを読む
  • 錦繍
    素晴らしかった。有名な往復書簡の小説。

    かつての夫と、蔵王のゴンドラの中で偶然再会をし、長文の手紙のやり取りが始まる。

    10年前になぜ離婚しなければならなかったか? 
    納得しないまま別れることになったある事件。
    その真相と、10年間の空白を手紙が埋めていく。

    お互いに過去を見つめ直し、呼び起こ...続きを読む
  • 灯台からの響き
    読後
    宮本輝さんはやはりいいと思った。いつも人の中に忘れていることを考えさせられる。
    相変わらず一気に読んだ。作品中に出てくる
    灯台をネットで検索しながら読んだ。行けるところは行きたいなとも。
    しかしながら、主人公の読んだ本には手がつけられないなと思った(笑)
  • 錦繍
    本当に、
    素晴らしい本でした。

    今も、読後の余韻に浸っています。

    素晴らしい本でした。

    最初は、ストーリーが、興味深く、
    面白いなあ、
    と読み進めていたのですが、

    終盤は、
    本当の意味の、
    生きる強さを、感じることが、
    できました。

    私も、
    自分にできることを、
    精一杯、
    生きていこうと思...続きを読む
  • 約束の冬(下)
    色んな大人がいて、それぞれ意思があって約束がある。約束は守るという至極当たり前のことをできる大人になりたい。逆に言えば守れない約束はしない。律することもできれば破ることもできる。力を入れるより抜く方が難しい。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    登場人物が多く、ごちゃごちゃしている話なのに、すっと頭に入ってくる。まさに映像が思い浮かぶような物語。主人公の主義主張が好きなんだよなぁ。今の時代にはそぐわない、もしかしたら古い価値観と言われてしまうかも、でも芯が通ってるように思う。次も読もう。
  • 灯台からの響き
    妻を亡くして気力を失った中年男性が、ある日、本の隙間から、妻が隠した一冊の葉書を見つける。その謎解き、即ち妻の過去を知り、妻がそっと残していたメッセージを究明するために、灯台巡りの旅に出る。その過程で、3人の子どもや親友達との対話を重ね、生きる希望を取り戻して行く。最後のシーンは圧巻である。


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  • 地の星―流転の海 第二部―
    第一部に引き続き、一気に読んでしまった。
    主題がありすぎるんだけど、ごちゃごちゃしてない感じがすごい。次も楽しみ。
  • 流転の海―第一部―
    長編第一部
    宮本輝の父親を描いたとされる自伝的小説。
    豪放磊落、しかし、決して完璧でない、むしろどこか精神的な病を患っているかのような主人公の在り方に、とても惹かれた。今の時代には、おそらく受け入れられないであろう。だからこその憧憬かもしれない。魅力的で人間臭いキャラクターが多数登場。続きが楽しみ。