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板橋の商店街で、父の代から続く中華そば屋を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る――。市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年12月14日
妻を亡くして気力を失った中年男性が、ある日、本の隙間から、妻が隠した一冊の葉書を見つける。その謎解き、即ち妻の過去を知り、妻がそっと残していたメッセージを究明するために、灯台巡りの旅に出る。その過程で、3人の子どもや親友達との対話を重ね、生きる希望を取り戻して行く。最後のシーンは圧巻である。
毎...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月30日
幸せは気づくもの。
何でもない日常、それとなく過ぎてゆく日々。そこに確かに存在する自分。現在の自分に至る人類の永きにわたる生の継承。それは宇宙の歴史におけるほんの僅かな一瞬。その永遠と瞬間の交わりの中に在ることを尊いと思える心の持ち様。それこそが幸せの本質ではないかと思います。
変わらぬ事こそが変わ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月04日
久しぶりの宮本輝
二十年ぐらい前に職場の同僚に錦繍を薦められて読んで良かったと思えて、その後数冊・・・
今回は丸善の平積から手を取り裏表紙のあらすじ読みで即購入!!!
私にとっての灯台との思い出は・・・
去年行った男鹿半島の入道崎灯台 雨が降りそうで風が強い中家族三人で登ったぐらいの思い出し...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月09日
本に挟まった亡き妻宛の葉書。その葉書に誘われて康平は灯台めぐりを始める。
宮本輝の真骨頂とも言えるストーリー展開と主人公を中心にした真っ当な人たち、そして細やかな心情の表現。やはりすごい。
幼馴染の本質を知らず、みくびっていたことを悟るシーンがよい。それに、中華そば屋再開に向け2年ぶりに中華そばを皆...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月25日
久しぶりの宮本輝。すごい事件が起こるわけでもなく、びっくりのどんでん返しがあるわけでもない。だけど、どんどん宮本輝ワールドに引き込まれていく。とてもリアルなようで、こんな会話を親子でする?て考えたら、リアルではない。でも、会話のひとつひとつが登場人物の一人ひとりが、現実味を帯びて迫ってくる。この物語...続きを読む
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