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取材先のウィーンのオペラハウスで、著者はいかめしい顔の係員にまくしたてる。「天井桟敷」でも客は客やぞ。天井桟敷の隅で、汚い服を着てるやつのほうが、ボックス席の金持ち連中よりも、はるかに深い心でオペラを観るかもしれんやないか」。大阪弁「必殺日本語突き」に、金ボタンの制服を着た係員もすごすごと退散する……。別れの悲しみは胸に仕舞い、素晴らしい人々との出会い、出会い、出会い。綴られた、ドナウ河の美しき情景に展開する生の歓喜と悲しみ、それはもう、ファンタスティック! ヨーロッパ七カ国、そして中国を巡る笑いと涙に充ちた名紀行文。
Posted by ブクログ 2014年02月19日
『ドナウの旅人』を書くにあたっての旅を綴った紀行文。宮本輝の小説は読んだことがない。古本市でなんとなく惹かれて購入した。
旅の途中で何を見てどんな事を考えるかって、すごくその人の人柄を表すと思う。この人はとても真っ直ぐなんだろうな。でも一緒に旅をするのは大変そうだ(笑)
外国で現地の人に関西弁で怒鳴...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
あぁ、そうだ、80年代後半のヨーロッパはこうだったんだ、と懐かしく思い出す。もちろん、実際にその場にいたわけではないがTVなどで見たちょっと青白い映像だったり、「西ドイツ」や「ユーゴスラビア」という国があったことなど。
それにしても、作家っていい「海外旅行」するんだねぇ。同じように「半分仕事、半分休...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
宮本さんと言えばまず、教科書に出てくるのが「蛍川」
そして、人気が高い名作が「ドナウの旅人」
そして、この「異国の窓から」は「ドナウの旅人」を執筆するにあたって、ドナウ川まで取材に行ったときの紀行文である。私はこの作品がものすごくお気に入り。
1988年に光文社より単行本として発売されたものに、著者...続きを読む
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