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Posted by ブクログ 2023年10月05日
昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。
「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。
「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ動く心の描写に美しく...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月25日
宮本輝の初期代表作、太宰治賞『泥の河』と芥川賞『螢川』を収録している。全てが代表作である純文学の権化のような作家だが、その中でもデビュー作と実質デビュー作はこの人を語るには欠かせないものだろう。
戦後経済成長期で、発展を遂げようとしている大阪府の2つの家族を描いた『泥の河』。
同じく戦後経済成長期...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月26日
作家・宮本輝の初期の代表作2編が収録されています。
本作収録の2編の短編により、宮本輝は作家としての地位を確立しました。
宮本輝は教科書では村上春樹や吉本ばなななどと並んで文学作家として紹介されることが多いです。
ただ、大体"第三の新人"あたりからの文学作品は大衆文学との境が薄...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月16日
「泥の河」と「螢川」の二篇。前者は太宰治賞、後者は芥川賞を受賞しています。両作品ともに性の目覚めにある少年が主人公。その目に映る大人の弱さ、泥臭さ、悲しさと、自然の儚さ、雄大さ、不気味さ、厳しさ……色とりどりに目まぐるしく変わる描写が叙情たっぷりでした。
少年は身近な者の死によって、常に死が意識下...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月10日
「泥の河」戦後高度成長期の裏で必死に生きている人々やその生活を読みながら、昔どこかで見たテレビや映画の暗い映像が思い起こされた。当時は遠い世界のように思っていたが、現実にあったのだと今は思う。
信雄の両親が喜一姉弟に優しく接する心の持ち主だという所が良い。お祭りの場面は昭和の情景が鮮やかに蘇る。喜一...続きを読む
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