幻の光

幻の光

440円 (税込)

2pt

人は精がのうなると、死にとうなるもんじゃけ――祖母が、そして次に前夫が何故か突然、生への執着を捨てて闇の国へと去っていった悲しい記憶を胸奥に秘めたゆみ子。奥能登の板前の後妻として平穏な日々を過す成熟した女の情念の妖しさと、幸せと不幸せの狭間を生きてゆかねばならぬ人間の危うさとを描いた表題作のほか3編を収録。芥川賞受賞作「螢川」の著者会心の作品集。

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幻の光 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年04月02日

    『生と死』

    どんな環境におかれようとも、わずかな幸せを求めて懸命に生きようとする力

    そんな力も、理由もなく突然訪れる『死』の前では無力だ

    『死』に向き合いながら生きていく人の儚さを、淡々とした語りの中で感じざるを得ない

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    Posted by ブクログ 2013年02月28日

    関西に所縁のある四編。土地の知識があるのでより満喫できた気がする。
    ・『幻の光』何て言ったらいいものか。なぜそんな言葉を言ったのかわからない、なぜそんな行動をしたのかわからない、という主人公ゆみ子の支離滅裂がわかりすぎて辛い。
    ・『夜桜』宮本輝の小説のよさって、人が生きているところなんだろうなと思っ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年07月01日

    表紙の裸婦絵は高山辰雄でとても印象深い。
    表題作「幻の光」ほか短編3作を所収で、どれもしっとりとした雰囲気の中で人間の情念を丹念に描いた作品になっている。
    「幻の光」は前夫の自殺した理由をわからず空虚にさまよう心を抱えながら再婚し、奥能登曾々木で暮らす主人公が、前夫に語りかけることで自らと対話すると...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年04月08日

    宮本輝短編Weekだった。この文体、この視点、純文学なんだよな。。すごいな。たぶんこれ書いたとき、俺と同年代か年下、すごいな。。

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    Posted by ブクログ 2011年04月01日

    初めて読んだ宮本輝の本。学生の頃。
    これをとてもよい本だと思えたことが、なんだか大人になったような気がしたもんだ。

    確かに暗い。でもそれがよい。
    この暗さに乗っかる関西弁がものすごく響く。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    北陸出身なので、日本海の荒波と厚い雲に覆われた暗い空に、すごく感情移入できます。
    ラスト近く主人公が浜辺の道を歩いていて、海に光が射す場面…鳥肌が立ちました。

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    Posted by ブクログ 2023年07月26日

    やっぱり宮本輝は天才だなあ…生きていくために必要な情念とか生命力についての言葉が重すぎる。これだけの結論を出すには、一体何人の人生と向き合ってきたのかね…

    唯一苦手な点があるとすれば、人が死にすぎる、失いすぎる点かも。でも宮本輝の悲劇って最終的には幸せな方を向いてる気がするので、嫌いにはならない。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月12日

    普段あまり読まない純文学も読んでみようと手にした一冊。
    幻の光もよかったが、夜桜、寝台車も、好きな感じ。

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    Posted by ブクログ 2020年04月16日

    四話収録されているうち、『表題作』がしみじみとよかった。主人公と同調しているかのように、潮の香りまでかんじるように思われました。

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    Posted by ブクログ 2019年11月08日

    「人間は、精が抜けると、死にとうなるんじゃけ」前夫の死をずっと忘れられず、たびたびの生死の間を見聞きし経験したことも思い出しつつ、奥能登に生きる女の独白。細密な文章が心のひだに絡んでくる。他3編。2019.11.8

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