宮本輝のレビュー一覧

  • 優駿(上)
    冒頭で産まれた仔馬を軸に、様々な登場人物が多重構造になって物語を重ねていく。
    馬に関わる人々の生い立ちや心情が細やかに描かれている。
    競馬に全く興味がなくてもスラスラと読み進める。
    上巻ラストの、突然の事件が衝撃的。下巻は一気読みしそう。
  • 優駿(下)
     人が生きていくには、重要な決断がいる時がある。和具平八郎は、最初の会社のピンチで、資金が足りない時に、手元にある金を競馬に注ぎ込んで、勝つことで会社のピンチを切り抜けた。運を天に任せる野蛮な勇気がある。その競馬で負ければ、会社も倒産していた。そして、会社の規模は大きくなり、今度は大きな会社に吸収合...続きを読む
  • 愉楽の園
    バンコクでの話し‥そこに住んでいる
    日本女性バンコクの政治家との恋愛‥
    色んなことがあり読みごたえあり
  • 青が散る(下)
    最初は大学生たちの青春群像劇かーと思っていたが、登場人物たちの青春の葛藤の影の部分が読み取れると、とても面白い。
    彼らの将来がとても気になる読後感で、余韻も楽しめる。
  • 地の星―流転の海 第二部―
    この物語は愛媛県南宇和、城辺の熊吾の
    故郷での物語。伊佐男と言うならず者が
    小さい頃に怪我をさせられたらことを
    根に持ち嫌がらせをしたりする。
    所々熊吾の行動が可笑しくて笑ったり
    しました。この人の本は3冊目、
    面白かった
  • 灯台からの響き
    久しぶりの宮本輝

    二十年ぐらい前に職場の同僚に錦繍を薦められて読んで良かったと思えて、その後数冊・・・

    今回は丸善の平積から手を取り裏表紙のあらすじ読みで即購入!!!


    私にとっての灯台との思い出は・・・
    去年行った男鹿半島の入道崎灯台 雨が降りそうで風が強い中家族三人で登ったぐらいの思い出し...続きを読む
  • 睡蓮の長いまどろみ(下)
    上の続き‥
    母親と父親の過去には色んなことがあり
    息子の順哉。母親に会いたい気持ちと
    知りたい気持ち‥母親は息子だと一目見て
    分かった。やっぱり離れてても
    分かるのだなぁと思った。蓮と睡蓮の違い‥
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)
    この方の作品は初めて読みました。
    母親と会うシーンや事件に巻き込まれて
    しまう。続きが早く読みたいです。
  • 錦繍
    離婚した男女の往復書簡によって話が進んでいく物語。発売された当時でも電話が普及し始めており手紙が過去になりそうであったらしい。スマホの普及が進んだ今の時代ではなおさら珍しい、と思いながら読んでいた。
    夫だった人は、不倫の末、無理心中に巻き込まれながらも生き延び、10年後に妻だった女性と再会したことに...続きを読む
  • 錦繍
    手紙のやりとりという一風変わった形式だが、人間の深い部分が描かれており、どんどん引き込まれる。シンプルでナチュラルな日本語が何とも言えず美しい。ここ最近で読んだ小説の中で一番ハマった。
  • 骸骨ビルの庭(下)
    戦災孤児について全く知識が無かったので、この本を読むことにより生きることがどれだけ大変だったろうかと思いを巡らせることができた。
    一人一人インタビューしたものを日記ふうにしたためてあるのでグイグイと読めた。

    話の端々に心に沁み入る箇所があった。
    うまくまとめられなかったので再読してピックアップしよ...続きを読む
  • 灯台からの響き
    本に挟まった亡き妻宛の葉書。その葉書に誘われて康平は灯台めぐりを始める。
    宮本輝の真骨頂とも言えるストーリー展開と主人公を中心にした真っ当な人たち、そして細やかな心情の表現。やはりすごい。
    幼馴染の本質を知らず、みくびっていたことを悟るシーンがよい。それに、中華そば屋再開に向け2年ぶりに中華そばを皆...続きを読む
  • 灯台からの響き
    やっぱり宮本輝が好き。読むことでリフレッシュできるというか本来の自分に戻るようリセットできる感覚。旅先で読むのがおすすめです。
  • 草花たちの静かな誓い
    ロサンゼルスでの豪邸と偉大な遺産を残し、
    叔母の遺言を引き受けることになった主人公が、
    亡くなったと思っていた従妹が実は行方不明になっていることを知る。

    たくさんのハーブや花が咲き乱れる庭とベランダにかけたガーベラの鉢。
    鉢は毎年一つずつ増やすように庭師に依頼していた。
    謎を調べていくうちに叔母と...続きを読む
  • 骸骨ビルの庭(上)
    大阪や日本中に骸骨ビルというものが実在していたのかもしれない。戦災孤児の証言を元に話が進められている。詳しい感想は下巻にて。
  • いのちの姿 完全版
    エッセイをあまり読んだことがなく、難しそうと敬遠していたのだが、とても読み進めやすい内容であった。
    本書の中で、見えない闇や本質に触れる描写があったが、自分が思っている以上に人には様々な事情があるし、背景がある。
    人の事情や背景に触れたときに、自分が初めて感じられることがあるのではないかと思った。
  • 螢川・泥の河
    宮本輝の初期代表作、太宰治賞『泥の河』と芥川賞『螢川』を収録している。全てが代表作である純文学の権化のような作家だが、その中でもデビュー作と実質デビュー作はこの人を語るには欠かせないものだろう。

    戦後経済成長期で、発展を遂げようとしている大阪府の2つの家族を描いた『泥の河』。
    同じく戦後経済成長期...続きを読む
  • 満月の道―流転の海 第七部―
    満月の道

    熊吾が、柳田のモータプールの管理人と並行して始めた中古車販売の「ハゴロモ」は、予想以上に繁盛しスタッフの増員を余儀なくされ四十五歳の玉木則之と二十二歳の佐田雄二郎を新たに雇い入れる。

    一家は、ゴルフ場建設に意欲を燃やす柳田の要請で、もう一年モータープールの管理人を続ける事となるが、房江...続きを読む
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    柳田元雄の元で、3〜4年の期限付き経営者となった熊吾。
    房江は忙しさに追われながらも更年期の症状から解き放たれる。
    伸仁は私立中学に合格し中学生となるが、その成長の遅さに不安を感じた熊吾は伸仁の身体の全てを小谷医師に託す事に。

    一方、熊吾の新事業の援助を約束した亀井周一郎は、社長の後任に据えるはず...続きを読む
  • 優駿(下)
    サラブレッドに関わる人々の思いを感じる事ができる作品。生産者の、願い(祈り)や血統への期待、未来への想いが伝わり、読後はより深く「競馬」というブラッドスポーツを楽しめるようになること必須。上下巻に渡る長編だが、中弛みする事なく最後にピークを持ってくる内容は圧巻。ダービー前のこの季節にぜひ!