慈雨の音―流転の海 第六部―
  • 完結

慈雨の音―流転の海 第六部―

825円 (税込)

4pt

昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。

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流転の海 のシリーズ作品

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  • 流転の海―第一部―
    完結
    660円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 地の星―流転の海 第二部―
    完結
    781円 (税込)
    人間の縁の不思議、父祖の地のもたらす血の騒ぎ……。妻子の健康のため、郷里に引きこもった松坂熊吾の雌伏の三年。戦後史を背景に自らの“父と子”を描く連作長編。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった……。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが……。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    完結
    737円 (税込)
    昭和三十ニ年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒濤の時代を描く著者渾身の雄編第五部。
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。
  • 満月の道―流転の海 第七部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和三十六年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは。
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)
    完結
    781円 (税込)
    昭和38年、松坂熊吾は会社の金を横領され金策に奔走していた。大阪中古車センターのオープンにこぎ着けるのだが、別れたはずの女との関係を復活させてしまう。それは房江の知るところとなり、彼女は烈しく憤り、深く傷つく。伸仁は熊吾と距離を置き、老犬ムクは車にはねられて死ぬ。房江はある決意を胸に秘め城崎へと向かった……。宿運の軸は茫洋たる暗闇へと大きく急速に傾斜していく。
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)
    完結
    935円 (税込)
    昭和41年春、大学生になった伸仁は部活動にアルバイトに青春を謳歌し、房江は兎我野町のホテルで賄い婦の仕事を得て働いている。別居の熊吾は進行する糖尿病に苦しみながらも、木俣の高級菓子の夢、中古車センターの運営、森井博美の活計等、大小様々な難事の解決に奔走していたのだが……。37年の時を経て紡がれた奇跡の大河小説圧倒的な感動のフィナーレ。(解説・堀本裕樹)

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慈雨の音―流転の海 第六部― のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    時代の息吹を感じられる。
    歴史的な経緯を庶民のその時大阪にいた人間として追体験できる。
    生半可な現代史よりもリアル。学問では、知ることのできないもの、知覚できないものを、表現している。文学というフォーマットで表現できるものがあることの実例かも。

    0
    2023年09月24日

    Posted by ブクログ

    柳田元雄の元で、3〜4年の期限付き経営者となった熊吾。
    房江は忙しさに追われながらも更年期の症状から解き放たれる。
    伸仁は私立中学に合格し中学生となるが、その成長の遅さに不安を感じた熊吾は伸仁の身体の全てを小谷医師に託す事に。

    一方、熊吾の新事業の援助を約束した亀井周一郎は、社長の後任に据えるはず

    0
    2023年06月10日

    Posted by ブクログ

    過去の行いが今現在に返ってくる。子や孫に戻ってくる。良い事も悪い事も。
    自分も自分や家族、関係する人々に誠実にありたいと思う。
    全編やはり雨の印象が残る回でした。

    0
    2022年05月14日

    Posted by ブクログ

    昭和34年.伸仁は中学生になった。ヨネの散骨、香根の死、いくつもの別れが熊吾達に飛来する。生の祈りに満ちた感動

    0
    2016年02月22日

    Posted by ブクログ

    流転の海シリーズは何度読んでもおもしろい、
    14年前学生時代から読んで、
    また読み返してもおもしろい。

    あの時代に生きた強靭な人たちの話、
    自分にないだけにあこがれる、

    0
    2014年04月14日

    Posted by ブクログ

    すごく楽しみにしていました。伸仁が中学生か…なんだか感慨深く思いました。これからの展開が、楽しみではありますが、一家にとってはつらいことが続くであろうことを思うと複雑な気持ちです。でも、その中で何を見せてくれるのか…やっぱり楽しみですね。

    0
    2014年03月03日

    Posted by ブクログ

    中学生になった伸仁。
    そして中古車店を立ち上げた熊吾。
    熊吾一家も変わろうとしている。
    ひ弱だった伸仁も逞しさを見せ、熊吾も相変わらず情が濃い。
    北朝鮮に旅立つ兄妹を鯉のぼりを振って見送るシーンが心に残る。

    0
    2021年06月30日

    Posted by ブクログ

    相変わらずの読みやすさ。第1部から30年以上をかけてかかれていると考えると、リアルタイムで追いかけていたら次の展開が待ちきれなくなっていただろう。

    伸仁青年は優しさのなかに思春期がちらほらし出し、お母さんにも口答えするように。少しずつ家族3人が大人の会話になってきたのが微笑ましい。

    お父さんまだ

    0
    2021年05月20日

    Posted by ブクログ

    漸く私の幼少期から、自我が芽生えてきた時代の描写が多く語られる様になってきた。熊吾、伸仁の表情は闊達だけれど、房江の気持ちは落ち込んでいる様に感じる。
    1~6巻迄、わき目も振らず読んできた、次にどういう展開があるのか楽しみ半分怖さ半分。

    0
    2019年08月12日

    Posted by ブクログ

    シリーズ全部読んでます。

    面白いんですが、登場人物の相関関係とかわからなくなってきました。

    相関図とか作ってもらえないでしょうか。

    0
    2016年02月19日

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