野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)
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野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)

935円 (税込)

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昭和41年春、大学生になった伸仁は部活動にアルバイトに青春を謳歌し、房江は兎我野町のホテルで賄い婦の仕事を得て働いている。別居の熊吾は進行する糖尿病に苦しみながらも、木俣の高級菓子の夢、中古車センターの運営、森井博美の活計等、大小様々な難事の解決に奔走していたのだが……。37年の時を経て紡がれた奇跡の大河小説圧倒的な感動のフィナーレ。(解説・堀本裕樹)

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  • 流転の海―第一部―
    完結
    660円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 地の星―流転の海 第二部―
    完結
    781円 (税込)
    人間の縁の不思議、父祖の地のもたらす血の騒ぎ……。妻子の健康のため、郷里に引きこもった松坂熊吾の雌伏の三年。戦後史を背景に自らの“父と子”を描く連作長編。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった……。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが……。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    完結
    737円 (税込)
    昭和三十ニ年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒濤の時代を描く著者渾身の雄編第五部。
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。
  • 満月の道―流転の海 第七部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和三十六年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは。
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)
    完結
    781円 (税込)
    昭和38年、松坂熊吾は会社の金を横領され金策に奔走していた。大阪中古車センターのオープンにこぎ着けるのだが、別れたはずの女との関係を復活させてしまう。それは房江の知るところとなり、彼女は烈しく憤り、深く傷つく。伸仁は熊吾と距離を置き、老犬ムクは車にはねられて死ぬ。房江はある決意を胸に秘め城崎へと向かった……。宿運の軸は茫洋たる暗闇へと大きく急速に傾斜していく。
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)
    完結
    935円 (税込)
    昭和41年春、大学生になった伸仁は部活動にアルバイトに青春を謳歌し、房江は兎我野町のホテルで賄い婦の仕事を得て働いている。別居の熊吾は進行する糖尿病に苦しみながらも、木俣の高級菓子の夢、中古車センターの運営、森井博美の活計等、大小様々な難事の解決に奔走していたのだが……。37年の時を経て紡がれた奇跡の大河小説圧倒的な感動のフィナーレ。(解説・堀本裕樹)

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野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    読み終わってしまった(涙)
    50うん歳になる令和の4年まで、ずっと流転の海を読まずにおりました。
    なんとこの文庫本の発売が令和3年。
    一巻目の発売から出会っていたら読み終えるまで37年の間、心の片隅にあった本だったかもしれない。
    大好きな青が散るをまた読もうと思います。伸仁がモデルの青が散るも、流転

    0
    2022年10月19日

    Posted by ブクログ

    流転の海完結編。全9巻。

    宮本輝は毎回、人生とは、人の宿命とは、幸福とは、などいろいろなことを考えさせられる。

    この作家に出会えたことで、人生が深まったように感じる。

    0
    2022年08月07日

    Posted by ブクログ

    ようやく読み終わりました。
    熊のおっちゃん、房江さんみたいな奥さんでホンマに良かった。
    もう一度通読したいと思いますが、今すぐは無理かな。

    0
    2021年10月24日

    Posted by ブクログ

    この本を書き上げるために作家になられた。父の仇をうつために三十七年かけて「流転の海」を書き尽くした。これに心が動かないはずがない。

    0
    2021年09月12日

    Posted by ブクログ

    遂に最終章となった。
    松坂熊吾が71歳の人生を全うした。
    この小説からは多くの事を学んだ。
    男として、父親としての生き方を。
    大将と呼ばれ、人に対して優しく
    世話好きな熊吾は、その人の良さと
    経営者として、どんぶりな経営で人に騙されて、横領されたりして生活が苦しくなるが、
    なんとか逞しく生きていく。

    0
    2021年08月08日

    Posted by ブクログ

    長い大河小説を読み終えた。
    市井の人間ではあるが、含蓄のある言葉と人と人とを結び合わせる力を持った熊吾。
    その家族の戦後20年の話。
    逞しく変わっていく妻子に比べると転落と言えるような熊吾の生涯。
    最後に熊吾が愛した人々が別れに訪れるシーンに涙した。

    0
    2021年07月25日

    Posted by ブクログ

    三十七年かけての
    「ひとりひとりの無名の人間のなかの壮大な生老病死の劇」
    は、遂に完結しました。
    書き上げたのが71歳とは、熊吾との縁を感じずにはいられませんでした。

    「宿命っていうのは、ものすごい手強い敵や」
    宿命と闘いながら、自分の生老病死に立ち向かっていかなくちゃ
    ですね。

    素晴らしい長編

    0
    2021年06月20日

    Posted by ブクログ

    何とまあ、あっさりと。。。
    最後まで、、最後の最後まで、人間は人間のまま、ちょっとしたことで過ちをする。
    熊吾の伸仁への言葉。何の意図から出てきたのか。よくわからん。
    房江も伸仁も、何故あんな親父を再び受け入れることができたのか。
    訳がわからぬ。

    ただ、この長い小説は、色んな局面の光(時代、人、天

    0
    2023年10月02日

    Posted by ブクログ

    あとがきに書かれている「ひとりひとりの無名の人間のなかの壮大な生老病死の劇」という表現が非常にしっくりときた。
    沢山の人物が登場し、亡くなっていくが、どこか淡々としていて、悲しみとは違った感情にさせられた。長い小説だが、読み終わってしまい、寂しい気分。

    0
    2023年02月23日

    Posted by ブクログ

    流転の海、最終巻。辻堂とあんな感じになったのは意外。看病中に知り合った男についていく博美がかわいそうだなあ。前巻の「長流の畔」を読んで3年が経ったので、いろいろ登場人物を忘れていて、大団円も感動が薄いかな。流転の海シリーズの中で、一番面白くなかった巻かもしれないが、まずは完結してよかった。

    0
    2023年01月02日

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