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昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった……。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
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Posted by ブクログ
また大阪に戻り、小さな日常的なドラマがいくつも起こる。大きく育った伸仁も次第に魅力的になっている。登場人物や、起こる事柄はとても多い。でも話の流れが混乱させない作りになっているところにこの作者の技量があるのだろう。
登場人物が多く、ごちゃごちゃしている話なのに、すっと頭に入ってくる。まさに映像が思い浮かぶような物語。主人公の主義主張が好きなんだよなぁ。今の時代にはそぐわない、もしかしたら古い価値観と言われてしまうかも、でも芯が通ってるように思う。次も読もう。
人間を具に、描いていくとこういう小説になるのか。 テーマが分からないと思っていた。夫婦、親子、商売、戦後の社会、人間関係、親子関係、恋愛、任侠、などなど色んな要素が描かれていく。どの表象も、人間がおこすこと。自らの意思であったり、抗えない環境や抑えられない衝動だったり、そんなもの全てがごった煮である...続きを読む人間(ジンカン)の中で、人間(にんげん)がどう生きていくのか、子どもを育てる親も人としてどういう存在なのかが、描かれていてる様に感じる。 そうして人間を見つめていくと、今流行りのダイバーシティ&インクルージョンに通ずるセリフが出てきたり、人情は哲学の範疇に何故入っとらんのかという言葉が出てきたり、戦後日本が失っているもの(それが何かは詳細わからないが)があるという言葉だったり、所謂本質的な欠片が出てくる。 そうした欠片を真実として、理解できるものとして、それだけを追い求めて来ている自分だが、そうした欠片をも生み出す人間そのものの存在を知らずに見ないでいては、その実、何もわかってないのではないかという気がして来た。 万華鏡の様な人間模様。その中の欠片一片のみを見るのではなく、それらも含めた万華鏡の図柄を見る視点もあるということか。
「流転の海」第三部。 舞台は再び大阪に。 しばしの休息を経て自らの戦場へと戻った熊吾は、時代の先行きを読む確かな感性で、中華料理屋「平華楼」、雀荘「じやんくま」、きんつばの「ふなつ屋」等次々と事業を起こし軌道に乗せる。 だが… 伸仁が死にかけた近江丸事件を皮切りに台風による高潮の被害で大金を失い...続きを読む、電電公社と労組の不毛な争いに巻き込まれた形の理不尽な食中毒事件… さらには共同経営者・杉野の脳溢血と熊吾の母親の失踪、房江の精神の乱れと、 津波のごとく次々に災厄が襲いかかる。 やがて、 高瀬勇次の再三にわたる懇請を受け入れ、富山で自動車部品を扱う会社を起こす為、大阪を離れる決意をするのだった。
熊吾と房江の其々からの描写で構成されているので、ストーリーに奥行きがあって面白い。登場人物も根っからの悪い人はおらず、危うい怖さはあるけれど嫌いになれない。 また戦後の大阪の様子が思い浮かび、作品に入り込んでしまう。流転の海は一年かけてゆっくりと読もうと思っていたけれど、あっという間に読んでしまいそ...続きを読むうだと思った。
■持って生まれた星廻りと血の呪縛■ 第三部のストーリーの舞台はいわゆる「戦後」からの脱却期、日本人がようやく自分たちのために上を目指して歩みだす時代。様々な男女、親と子が登場し、それぞれが持って生まれた星廻り、あるいはその体内にどうしようもなく流れる血を意識させる。 両親の愛を知らずに育った熊後...続きを読むの妻房江は「子供は自分の親に育てられるのがいちばん幸せや」と言う。たとえ親が薄情でも極道でも敵国でも船上の住む飲んだくれでも、それぞれの宿命の下、自分の親に育てられるのがいちばん幸せなのだと思うと、何だか切なくなってくる。 房江はまた、「誰が悪いのでもなく、すべては自分の持って生まれた星廻りのようなものであろう」とうまく表現できない思いを口にする。 星廻り。それは宿命のようなものだろうか。 血は争えないと言うが、環境は違えど親子の性格や行動、結果としてたどる道筋まで親の影響を受けるとしたら…血脈とはなんと恐ろしく、抗いがたいものなのか。そもそも子がその親や環境を選べないのなら、その子の運命に対する責任をどれほど負わせるべきなのだろう。 熊吾を取り巻くそれらの人間の人生が熊吾父子の人生を軸に交錯し、頼りなく絡まりあい、先の見えない物語が織りなされていく。
カンタンな流れで言うと、大阪に戻ってきて、中華料理屋、雀荘。消防のホースの修繕。プロパンガス。きんつば屋。と仕事を変えていく。台風などいろんな事件があって、うまくいかないが、松坂熊吾のアイデアと実行力で次々と新規事業をモノにしていく。 個人的には、松坂熊吾の糖尿病発覚が大きい。伸仁は7歳にしてヤク...続きを読むザと賭けマージャンをしたりストリップ嬢に花束を贈ったりしている。さらに義母の失踪、杉野信哉との確執、麻衣子が丸尾千代麿が愛人に産ませた子、伊佐男の子どもを産んだ浦辺ヨネとその子との同居生活などが描かれる。 相変わらず松坂熊吾のキャラクターが抜群で、これまで読んだ小説の中でベストキャラクターはこの人ではないかと思う。生きることのタイヘンさ、裏の顔を持つ人間、ダイナミックな展開、ませているけど押さない子どもとのユーモラスなやりとり、ここまで描けるものかと思うディテイル。小説の面白さを限界を広げてるような作品だ。 この本は2日で読んだ。やはり短期間で読んだほうが感動が大きい。 『賢いやつしか怒っちゃあいけんのお。馬鹿を怒ると、卑屈になりよって、逆恨みされる』
二巻よりもおもしろい。 やはり大阪のはなしはおもしろい。 伸仁が大きくなって、話がますますおもしろくなる。彼の性格はとてもユニークだと思う。
大阪へ戻ってからのお話。 輝、大好きです!! 映画を観てるみたい。出てくる人達、少なくないのにまるで見たことがあるかのように想像できちゃう描写。素敵ッス!
いろんな事が次々に起こる中で、熊吾がどんな風に対処していくのかが興味深い。行動はとにかく早い。バイタリティーと度胸もあり、商才もある。1人息子を愛して止まない。この先どうなるのか?気になって仕方がない。
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