感情タグBEST3
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登場人物が多く、ごちゃごちゃしている話なのに、すっと頭に入ってくる。まさに映像が思い浮かぶような物語。主人公の主義主張が好きなんだよなぁ。今の時代にはそぐわない、もしかしたら古い価値観と言われてしまうかも、でも芯が通ってるように思う。次も読もう。
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人間を具に、描いていくとこういう小説になるのか。
テーマが分からないと思っていた。夫婦、親子、商売、戦後の社会、人間関係、親子関係、恋愛、任侠、などなど色んな要素が描かれていく。どの表象も、人間がおこすこと。自らの意思であったり、抗えない環境や抑えられない衝動だったり、そんなもの全てがごった煮である人間(ジンカン)の中で、人間(にんげん)がどう生きていくのか、子どもを育てる親も人としてどういう存在なのかが、描かれていてる様に感じる。
そうして人間を見つめていくと、今流行りのダイバーシティ&インクルージョンに通ずるセリフが出てきたり、人情は哲学の範疇に何故入っとらんのかという言葉が出てきたり、戦後日本が失っているもの(それが何かは詳細わからないが)があるという言葉だったり、所謂本質的な欠片が出てくる。
そうした欠片を真実として、理解できるものとして、それだけを追い求めて来ている自分だが、そうした欠片をも生み出す人間そのものの存在を知らずに見ないでいては、その実、何もわかってないのではないかという気がして来た。
万華鏡の様な人間模様。その中の欠片一片のみを見るのではなく、それらも含めた万華鏡の図柄を見る視点もあるということか。
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「流転の海」第三部。
舞台は再び大阪に。
しばしの休息を経て自らの戦場へと戻った熊吾は、時代の先行きを読む確かな感性で、中華料理屋「平華楼」、雀荘「じやんくま」、きんつばの「ふなつ屋」等次々と事業を起こし軌道に乗せる。
だが…
伸仁が死にかけた近江丸事件を皮切りに台風による高潮の被害で大金を失い、電電公社と労組の不毛な争いに巻き込まれた形の理不尽な食中毒事件…
さらには共同経営者・杉野の脳溢血と熊吾の母親の失踪、房江の精神の乱れと、
津波のごとく次々に災厄が襲いかかる。
やがて、
高瀬勇次の再三にわたる懇請を受け入れ、富山で自動車部品を扱う会社を起こす為、大阪を離れる決意をするのだった。
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熊吾と房江の其々からの描写で構成されているので、ストーリーに奥行きがあって面白い。登場人物も根っからの悪い人はおらず、危うい怖さはあるけれど嫌いになれない。
また戦後の大阪の様子が思い浮かび、作品に入り込んでしまう。流転の海は一年かけてゆっくりと読もうと思っていたけれど、あっという間に読んでしまいそうだと思った。
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■持って生まれた星廻りと血の呪縛■
第三部のストーリーの舞台はいわゆる「戦後」からの脱却期、日本人がようやく自分たちのために上を目指して歩みだす時代。様々な男女、親と子が登場し、それぞれが持って生まれた星廻り、あるいはその体内にどうしようもなく流れる血を意識させる。
両親の愛を知らずに育った熊後の妻房江は「子供は自分の親に育てられるのがいちばん幸せや」と言う。たとえ親が薄情でも極道でも敵国でも船上の住む飲んだくれでも、それぞれの宿命の下、自分の親に育てられるのがいちばん幸せなのだと思うと、何だか切なくなってくる。
房江はまた、「誰が悪いのでもなく、すべては自分の持って生まれた星廻りのようなものであろう」とうまく表現できない思いを口にする。
星廻り。それは宿命のようなものだろうか。
血は争えないと言うが、環境は違えど親子の性格や行動、結果としてたどる道筋まで親の影響を受けるとしたら…血脈とはなんと恐ろしく、抗いがたいものなのか。そもそも子がその親や環境を選べないのなら、その子の運命に対する責任をどれほど負わせるべきなのだろう。
熊吾を取り巻くそれらの人間の人生が熊吾父子の人生を軸に交錯し、頼りなく絡まりあい、先の見えない物語が織りなされていく。
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カンタンな流れで言うと、大阪に戻ってきて、中華料理屋、雀荘。消防のホースの修繕。プロパンガス。きんつば屋。と仕事を変えていく。台風などいろんな事件があって、うまくいかないが、松坂熊吾のアイデアと実行力で次々と新規事業をモノにしていく。
個人的には、松坂熊吾の糖尿病発覚が大きい。伸仁は7歳にしてヤクザと賭けマージャンをしたりストリップ嬢に花束を贈ったりしている。さらに義母の失踪、杉野信哉との確執、麻衣子が丸尾千代麿が愛人に産ませた子、伊佐男の子どもを産んだ浦辺ヨネとその子との同居生活などが描かれる。
相変わらず松坂熊吾のキャラクターが抜群で、これまで読んだ小説の中でベストキャラクターはこの人ではないかと思う。生きることのタイヘンさ、裏の顔を持つ人間、ダイナミックな展開、ませているけど押さない子どもとのユーモラスなやりとり、ここまで描けるものかと思うディテイル。小説の面白さを限界を広げてるような作品だ。
この本は2日で読んだ。やはり短期間で読んだほうが感動が大きい。
『賢いやつしか怒っちゃあいけんのお。馬鹿を怒ると、卑屈になりよって、逆恨みされる』
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大阪へ戻ってからのお話。
輝、大好きです!!
映画を観てるみたい。出てくる人達、少なくないのにまるで見たことがあるかのように想像できちゃう描写。素敵ッス!
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いろんな事が次々に起こる中で、熊吾がどんな風に対処していくのかが興味深い。行動はとにかく早い。バイタリティーと度胸もあり、商才もある。1人息子を愛して止まない。この先どうなるのか?気になって仕方がない。
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流転の海第三部。松坂親子の物語の折り返し地点にあたる本作では、両親の愛情を一身に受けながら健やかに成長し、自由闊達で多彩な側面を見せ始めている息子・伸仁の姿が印象的です。豪胆で情に厚い父親のもとで心の贅沢を思う存分味わってきた作者ならではの豊かな感性が第三部の壮大な人間ドラマの中にも息づいています。
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勢いづいて第3作目に突入。
やはり、田舎でくすぶっているわけにはいかなかったみたい。
まぁ、これほど勢いのある人ならムズムズしちゃうだろうね。
大阪でいろいろな事業に身を乗り出すが、そこそこうまくやってしまうのだよ。凄い。目の付けどころがいいのか、商才があるのか?
伸仁も少しは元気になったようで、ご近所での独特の存在感が父親譲りなのか不思議な魅力をもつ子供に成長している。
怖いもの知らずなのかね?
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人間の心の機微をここまで表現できる作家さんて他にいないのではないでしょうか。男として、父として、息子として、夫として、そして人として、あらゆる立場のあらゆる視線や心情をこれほど濃やかに描いた作品を読んだのは多分初めてです。
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昭和20年代後半になり、一家はまた大阪に戻っての生活が始まる。
相変わらずの経営力で中華料理店や麻雀店、プロパンガス会社とあれこれ手腕を発揮する様は読んでいてもビックリです(笑)
でもそれ以上になかなか面白い子供に?育った伸仁が可愛い(笑)
Posted by ブクログ
解説に記載の通り、「人とは単彩一色ではなく、万華鏡のようにさまざまな面を見せる」ことが熊吾や熊吾が関わる人々から感じられる、人間味溢れる物語です。
3部では、伸仁の成長も感じられ、熊吾も親として成長を喜ぶ親子愛が感じられるシーンが多く、温かい気持ちになりました。
特に、最後の伸仁が火事に巻き込まれたかもしれないと熊吾が嗚咽を出して泣くシーンは心打たれるものがありました。
周英文と麻衣子など、親子の繋がりの深さや愛情を感じられ、家族とは何かを深く考えさせられます。
そばにいるから分かるわけではない。血が繋がっているから親や子として認められるわけでもない。
複雑だけど、それでも家族。
熊吾のような愛情溢れる人になれるかは分かりませんが、私もこの子のためになら生きていきたいと思える親になりたいです。
Posted by ブクログ
やはりスケベ。スケベが歴史を作る。そんな世界観がサイコー
所々に松坂熊吾のいいセリフがあるんですよ。
これ、今のビジネスにも使える良い台詞。そしてやっぱりスケベ。
まだまだ読むでー!
Posted by ブクログ
熊吾の妹タネの行動に、イライラさせられた。しかし、この話しに出てくる登場人物は不倫してる人がやたらと多過ぎる。
また、気になるのは、小学校低学年の伸仁に競馬させたりストリップを見せたりと、めちゃくちゃな父親であるところ。
そんな感じで、はちゃめちゃな所もあるけど、ものすごく奥行きがあって、生き生きと人物が描かれているので、物語の世界にどんどん引き込まれていくよなぁ。
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熊吾一家が大阪に戻り、熊吾の事業と小学生になった伸仁が描かれる。
時代も昭和30年代になった。
相変わらず熊吾は豪放磊落。
伸仁も何か将来の大物の片鱗を見せる。
昭和の時代の大阪に住む市井の人々。
今ではみられない船で生活する人々。
そのような人々も丁寧に描く。
今後の飛躍の前のタメのような巻。
Posted by ブクログ
第三部に入っても、面白さの勢いは止まらない。
なんでだろうなあ。
松坂熊吾の波瀾万丈の人生は確かにおもしろいけれど、ではジェットコースター小説なのかというと、そういうわけでもない。
プロットに落とし込まれた伏線が…というのでもない。
松坂熊吾という人物は確かにおもしろい人物だけれど、キャラクター小説ではない。
短気ゆえの失敗ばかり繰り返すから、成長物語というわけでもない。
だけど、一度読み始めると、読み止めるのが本当に難しい。
なににそんなに引きつけられるのだろうなあ。
大きなストーリーのうねりに身をまかせながら、熊吾の生き様を眺めているのが心地よい。
第一部や第二部に比べて、熊吾の暴力が格段に減ったのは嬉しい。
そして、病弱だった伸仁が、いや今でも弱いけど、意外とはしっこいやんちゃ坊主に育ったのも楽しい。
熊吾は小学校低学年の伸仁に麻雀を教えたり、競馬を教えたり、キャバレーに連れていったりと、親としては相当破天荒なことをしてのけるけれど、嘘をついたり弱いものをいじめたりなどをさせないことは徹底している。
熊吾60歳。
南宇和から大阪に戻ってきて始めた商売は、大成功したと思えば大打撃を受け、結局巻の最後は中華料理屋と雀荘ときんつば屋と立ち食いカレーうどんやの親父。
少し舞台が小さくなったような気がするが、年のせいか?
それともこれからまた巻き返すのか?
小説を読む楽しみを、存分に味わえた一冊。
子どもの頃の読書はいつもこんな感じだったよなあ。
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破茶目茶な男、熊吾 私も彼に洗脳されたか 面白く読んだ
でも 他の登場人物の話が面白いのだこの先どう進展していくのか?この小説の主人公は誰なのか?どう纏めるのか?
そういう意味で楽しみだ
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はたして人の運命というのは生まれ持った天命なのか、はたまた人が手繰り寄せる人命なのか。破天荒ながら義理人情に厚い松坂熊吾を中心に、様々な人間臭いドラマが次々に巻き起こる。重厚な人間ドラマを描いた超大作。いや、何が大作って、1990年に第一部が出版されて以来、いまだに完結されてないっていうね。ちゃんと完結される日が来るのだろうか。
とりあえず4卷まで読み終えて印象に残ったフレーズ。はちゃめちゃな熊吾さんだが、こう生きて行く上でとても重要な「核」になるような発言が散りばめられてて、ハッとすることが多いのがまたこのシリーズの魅力。
・子供ってのは、血がつながったかけがえのない存在だが、それでもやはり理解が及ばない他人でもある。だからこそ、心を砕きに砕いて分かろうとする。この他人だけども真剣に分かろうとする相手が子供。子供がが居ないとこの経験が出来ない。その結果、やはり他人に対してどうこか機微を知らん奴が多いように思う。
・自尊心より大切なことがあることを知らにゃいかん
・この子が将来どんな素敵な子に育ち親を喜ばせるかわからん、草の根を食ってでも育てにゃいけん。
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熊吾と伸仁親子を軸に展開する。故郷の南宇和を引き上げて、再び大阪で商売を開始、伸仁も小学校に通い始めるとともに近所の世界を広げていく。13.11.17
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流転の海 第三部
父親の生きた時代を、描き出す。
敗戦後の混乱期。昭和20年代から、30年に向かう頃の物語。
時代の流れの中で、事業を見出す熊吾。
中華料理屋、雀荘。
消防のホースの修繕。プロパンガス。きんつば屋。
その幅広さというか、事業の進め方だ強引だ。
そして、体の不安を抱える年になる。
伸仁は、小学生になる。
ねしょんべんを小学生三年生まで治らなかった。
どういう子供なのだろうか。
観音寺のケンに好かれ、
ヤクザと麻雀をし、ストリップを見に行く。
街の情報を知り尽くしている。
中華料理のコックには、いうこと聞かなければ、辞めろと
までいう。
千代麿の隠し子、麻衣子、ヨネ、タネへの 熊吾の気遣いの中で、
麻衣子は、自分の居場所を見つける。
熊吾の包容力の成せる技。
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相変わらず力強い作品。
流転の海シリーズの3巻です。
伸仁が小学生になり、熊吾には今までと違う感じの優しさを感じました。
子供を持つと親が成長するんだなあ、と丸くなった熊吾に感慨を覚えました。。
観音寺のケンが気になります。
また絡んでくるのかなあ。心配なような心強いような・・・
あ!そうそう。
心配していた麻衣子。
田舎の大家族暮らし?が思いがけず彼女に安らぎを与え、幸せに生きていけそうな感じがうれしかったです!
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連作第三巻目。大阪に戻った主人公のドタバタ生活。いろんな事件があるからどんどん読めてしまう。主人公の病気も発覚し、おとなしくしてて欲しいとドキドキしながら読んでます。続きも楽しみ!
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読まないまま社会人になってしまった、宮本輝。面白い。熊吾の人間味溢れる魅力にはぐいぐい引き込まれた。書き方が上手いので、買い置きした3部まであっという間に読んでしまった。
Posted by ブクログ
6月2日~8日
昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった…。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
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前2部に比べると穏やかな内容。とはいえ、熊吾もその周りの人々もみな必死に生きている。
伸仁の成長、客商売のこれから、母の行方、熊吾の病気。さあ次の部へいきましょう。
Posted by ブクログ
松坂熊吾が大阪に舞い戻ってからの話。伸仁の成長、熊吾の商売。。。
まああきれるほどコロコロと(笑)
1、2部よりちょっと自分的にはイマイチだったかな。