宮本輝のレビュー一覧
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ある日突然、莫大な遺産が転がりくむことになった小畑弦矢の心の動き、そして急死した菊枝・オルコットとの関係・人生が簡単に紹介された後、6歳の時スーパーで行方不明となったレイラ・ヨーコ・オルコットのこともその時の事実関係が書かれていた。
本来、娘であるレイラが相続するべきものであるとの思いから、弦矢の...続きを読むPosted by ブクログ -
宮本輝の本を久しぶりに読んだ。すんなりと入ってくる文章であっという間に読み終わってしまった。
宮本輝の作品に出会ったのは『約束の冬』
内容もとても面白いけど、そこに出てくる小物遣いにも興味が湧いてくる。
『約束の冬』では葉巻、『草原の椅子』では焼き物、本書では本格スープと庭の花々。まるで自分がそうい...続きを読むPosted by ブクログ -
中盤から予想はできていた結末でしたが、やはりそのことの不愉快さに胸がカッとなりました。
彼女をそれから守ることはもちろん、自分の醜い感情からも守らなければならなかった気持ちが悲しい。
宮本輝さんの本は自分の日常とはあまりにかけ離れていてもすんなりその世界に入り込める情景描写で大好きです。Posted by ブクログ -
三回めの再読。暫くすると忘れている箇所があったり、、刺さる部分が前回とは違ったり。今回は自粛中に読み始め、発酵物に興味を抱いたからだけど 人の心も熟す?熟れて(ナレテ)行く?
お母さんと彦市さんの場面に感涙。前回はそれ程感じなかったのに。。
ゆっくり ゆっくり 読みたい一冊。
生と死は繋がってい...続きを読むPosted by ブクログ -
雪子がアメリカ文学を教えている老人から教わったエミリ・ディキンスンの詩
もし私が一人の生命の苦しみをやわらげ
一人の苦痛をさますことができるなら
気を失った駒鳥を
巣にもどすことができるなら
私の生きるのは無駄ではない
の一節が印象的。Posted by ブクログ -
読み終わった後の爽快感。
おおらかな富山の田園。
大人の人間模様が織りなす京都の花街。
その中で人は関わり合い、成長していく。
この物語は、自然とそこに暮らす人々が善意のもと、大きく変わっていくものだ。
そして周りの大人たちが祐樹に与える無償の愛はこの物語の希望である。Posted by ブクログ -
物語は15年前カガワサイクルの社長が出張先とは関係のない富山滑川駅で病死した先を娘と友人が辿る旅から始まる。
北陸街道を自転車で巡る様子、富山湾やそれぞれの港町、そして黒部内陸の田園風景、川にかかる愛本橋の姿。
行ったことのない見たことのない場所を地図を広げ確認して想像することが楽しくなる。父の死...続きを読むPosted by ブクログ