小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ミステリー書評
読書レベル 中級
ボリューム 525頁
ストーリー ★★★★★
読みやすさ ★★★★★
トリック ★★★
伏線・展開 ★★★★★★!
難易度 ★★★
読後の余韻 ★★★★★
一言感想:長編ミステリが好きな方、読みやすいミステリが好きな方にオススメです!
これは面白かった!本著者の作品は初めて読みましたが私好みのど真ん中でした(笑。
500ページ超の長編にも関わらず、テンポが良く、どんどん読ませてくれますし、グイグイと物語に引き込んでくれます。とにかく登場キャラが最高でした!
ちょっとネタバレかもですが、物語は過去と現在の2つのストーリーで展開していきます。350ペ -
Posted by ブクログ
成瀬あかり。幼い頃から多才で好奇心旺盛。立てた目標に向かって努力することも厭わず、たいがい何でもできてしまうほど優秀だ。
同調圧力の強い俗物系女子生徒たちの中で浮いているけれど、超然とした態度を崩さない。それこそ成瀬である。
これは、そんな成瀬あかりの中学2年夏から高校3年夏までの5年間を描く青春小説である。シリーズ1作目。
第39回『坪田譲治文学賞』及び、2024年『本屋大賞』受賞作。
◇
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。
成瀬あかりの唐突な宣言だったが、島崎みゆきは驚きもしなかった。生まれたときから成瀬と同じマンションで育った島崎には、成瀬が -
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ネタバレ成瀬はなんでもおもいついたら、やってみないと気がすまない女の子。地元大津の西武デパートが閉店になるとしるや、毎日中継されるテレビ番組に写りに行く。それに巻き込まれる幼なじみの島崎。その島崎と、ゼゼカラというコンビを組んでM-1グランプリ予選に出場したり、高校入学と同時に丸坊主にして3年間でどれだけ伸びるか実験したり、200歳まで生きると宣言したり、ハチャメチャな生き方そのものだけど、何にでも一生懸命である。勉強も部活もピカイチで、朝起きるルーティンもAIみたい。そんな成瀬も島崎が引っ越しするときくや、いつもの自分が乱れていく人間味もみせる。スピンオフ的な階段は走らないなどもあり全体的に面白かっ
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最初はよくある自己啓発本だと思った。
ありふれた嫉妬と世の中の仕組みに対して精度高く物語を構築していて、お金の使い方について自己啓発本を読むのが苦手だという人も取り組みやすいだろう。
お金の使い方は多種多様で、その人の価値観や人生観によって大きく異なる。コスパや安さ重視では子供などいらないという考え方になってしまうがそう割り切れる問題ではない。
コスパ重視だったら外出しないのがいちばん良い。
序盤で語られているが、借金も金利や早くモノを使えるというのではあれば取り入れる利点は大いにある。
他人がそうしているから自分もそうすると言うのではなく、自分と相談してより良い三千円の使い方について考 -
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あなたは、”兄弟姉妹”のことをどのように思っているでしょうか?
2000年代に入って”一人っ子”の割合が急上昇してきているようです。このレビューを読んでくださっている方の中にも、自分のことです、という方もたくさんいらっしゃると思います。その一方で、”二人兄弟姉妹”という方もたくさんいらっしゃると思います。最近の調査でも子どもがいる家庭の半数以上は”二人兄弟姉妹”です。
両親の愛を独り占めにできる”一人っ子”に対して、二分割されていく”二人兄弟姉妹”にあっては、お互いがお互いを意識し合う中に日々を送っていると思います。特にそれが同性である場合には、常に比較対象の的であり、また、『幼いころは洋 -
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死んだ人間を食べたことはありますか?
じゃあ、人毛100%のコートは持ってます?
同僚が道端で拾ったクローバーと蒲公英で毎日夕食を作っていたら?
普通じゃない、発狂してる。上記はこの本に描かれた「世界」の常識ですが、設定だけ聞けば誰でもそう思うでしょう。最初は。
再読です。結末や答えを知ってるんです。だけど、何度読んでも、村田沙耶香節にやられました。たった十数ページで、意味不明かつあり得ない世界線に侵され、自分の常識と固定観念をズタボロにされます。
(私の常識から考えると)アタオカな主人公にぞわっとくる反面、なぜか納得・共感もし始めている私はもう‥‥完全にやられました。
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ネタバレ読み終えた時の、じんわりあたたかいような切ないような複雑なこの感情を忘れたくないと思った。
お金に余裕はなくともつましく暮らす松波夫婦。
500円貯金を寄付することに喜びを感じ、地球儀で自分たちの寄付金の行き先を想像しては達成感を得ていた心優しい夫婦。
このまま2人の人生が何事もなく続いていたらどんなによかったのだろう。
夫の死をきっかけに松波郁子は孤独になっていくのだが、後半で郁子を支える人物が何人も現れる。
繋がりは決してキレイなものとは言えないが、
関わる人物がみな、郁子を想い行動しているのを知って胸の奥が熱くなった。
彼女は最後に少しでも幸せだと感じていたのがわかるシーンは忘れ -
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ミステリーの金字塔、綾辻行人さんのデビュー作にして代表作の「十角館の殺人」
驚愕の1987年創刊、というと自分が小学生高学年、昭和の終期の作品で約35年前に執筆されたことになる。
今尚、多くの読者に支持され続けクローズドサークル系ミステリーの不動の名声を浴びるこの作品。
宮部みゆきさんの「火車」と並び、この先ミステリーを読んでいく為にはいつかは必ず読まなければならない、一般的に名作中の名作の基準として格付けられているような作品。
気構えすぎて後回しにしすぎていたが、やっと読むことができた。
作品はクローズドサークルミステリー、自分が好みとして好まないジャンルのミステリー。
このジャンルの -
購入済み
さて
懐かしいタイトルに引き寄せられてダウンロードしてみました。大学を卒業したのが約36年前。新卒で就職した会社の営業部に配属。そこで、営業担当役員の方が餓狼伝を差し出して『これ、面白いぞ』と。かなり、長い間隔で出版されてあて終わってない事を思い出しました。笑笑