小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ多聞という犬が、3.11の震災場所から遠くどこかを目指し日本をほぼ横断する。その中で様々な人と出会う。彼らは「死」を匂わせる人々だった。
そして出会う。大切な人に。最後は涙無くしては読めない。
私は昔から動物と一緒で動物と暮らしてなかった時期などなかった。だからか、この話に出てくる多聞の不思議な人を見透かすような、心を理解するような行動はよく理解できる。
動物には不思議な力がある。これは確かであると思う。それが小動物だからとか犬だからとかは関係がなく。手を失ったハムスターの子は名前を呼べば必ず出てきてくれて、私が辛くて苦しい時は犬や猫たちが癒してくれる。そばにいるときもあれば離れて見守ること -
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「犯罪者」、「幻夏」にも登場した個性豊かな3人の主人公が、日本中を注目させた、ある奇怪な出来事の謎を解明すべく、またまた大活躍する大作の上巻となります。
今回の事件では、複数の公安警察官の動きがポイントとなっていますが、先の展開が知りたくてたまらず、「犯罪者」や「幻夏」と同様、ページをめくるのが止まりませんでした。
そして、後半、物語の舞台はあるキーマンを探しに瀬戸内海のある小島に移るのですが、そのキーマンが誰なのか、必死に頭を回転して推理している自分がいました。
島の住民はみんなが排他的であり、全員、怪しく思えてきますね。このあたりの人間描写が、著者は本当に上手ですね。
東京のど真ん中 -
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ネタバレレビュー
歴史の教科書などで子どもの頃から知っていた事件ではあったが、都心で起きた事件だったのねという程度の認識だった。3年ほど前NHKスペシャルの未解決事件ファイルを視聴したことにより、興味の扉が開き、底なし沼に落ちていった。
さらにその頃実家の墓探しをしており、椎名町の寺に墓見学後、後日帝銀事件はその寺のすぐ裏手で起きた事件だったことを知り益々事件が身近なこととして感じられるようになった。
私にとって松本清張は若い時分にもちろん読んだことはあったが、代表作を数点読むのみで当時はあまりハマらない作家だった。
帝銀事件は松本清張の作品をまず基礎知識として読まないと始まらないというわけで、この作 -
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2024/2/14〜5/25(土)、小2→3娘へ寝る前に少しずつ読み。ここまで直接「死」が扱われている物語は、娘にとっては初だったと思う。朗らかな牧場で繰り広げられる動物模様。終盤のシャーロットとの別れのシーンは、やはり心がギューっとなる。その後にシャーロットの子、孫…へと物語が繋がっていくのが、良い。
たまごぶくろが「モモのような色p176」とあった。家の周りで見るたまごぶくろは白色だよねと娘と話す。今後はたまごふくろを掃除してしまうのがはばかられるような、でも放っておいた後のことを考えるとやはり掃除したいような…。
2024/5/26 -
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2023年、『木挽町のあだ討ち』で第35回山本周五郎賞、第169回直木三十五賞をW受賞作品
とても面白く、切なく、心温まる何度も読み返したい作品でした
武士の心とは...人としてどう生きるか...心にジーンと、腹にグゥーっと何とも言えない魂が宿ります
「我こそは伊納清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇。いざ尋常に勝負」
と、ここから始まる。
「木挽町のあだ討ち」をその日目にした人たちが、1人づつ事件のことをお話しされていく
どのような仇討ちだったのか...
最後に繋がった時には感無量。
登場人物は皆素敵な方ばかりで、その方たちの来し方もまた興味深く飽きさせない
時代小説 -
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ネタバレクリスティの中期頃の作品。エルキュール・ポアロシリーズ。
言わずも知れた超有名作品。
wikiにもあらすじと称して、根幹であるネタと犯人まで全て記載されているほど笑
幸いにも今までネタバレを避けてこれたのだが、流石に読んでみようかと。実はクリスティはいつでも買えるし読めると思いほとんど未読で、ポアロ作品も今回が初。
限られた地域での事件ではなく、無差別に、イギリス全土でルールに従い起こる殺人事件。クリスティの作品では非常に珍しいのだと思う。トリックも、噂に違わず凄かった。今日まで派生系は多くあるけど、その元祖だと言われる理由も納得。
古さはあるけど、古典というほどの読み辛さや違和感があ -
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ネタバレ主人公目線では『四半世紀まえの父親』
父親目線では『四半世紀あとの息子』
25年の過去と未来が親子のやり取りを通してぶつかり合う、
ファンタジー色つよめなヒューマンドラマを見させてもらいました。
永田一雄は、失職したうえ家庭崩壊の憂き目を見る複雑な事情を抱えて、
生きることに絶望した状態から物語がはじまりますが、
橋本親子のオデッセイに同乗することで、自分と同じ年齢の頃の父親と会い、
人生で大事な節目のシーンをリプレイする機会を得ることで、
自らの現在における因果関係を知らしめられ、苦悩します。
変えようとしても変えられない『過去』を抱えたまま、
死に別れることになった父親チュウさんとの -
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正月の地震の時に日本海側にいて、実は近くの避難所に避難をしたのだが、幸い居たところはひどい被害にはあわなかった。だが、道一本隔てた知人の家の庭の石燈籠が落ちたり、壁に亀裂が走った。地震のあと、余震を警戒して火を使わずにすごしたが、毎夜、氷点下はまぬかれたものの、室内の気温が1℃、や0.5℃で、雪が降りだすと、一時間で軽く30cmや40cm積もる。降りだせば、翌日、またその上に積もる。冷蔵庫に入れなくても、冗談でなくものが腐らない。ただ、食品がいつ尽きるかは、絶えず気にしていた。買い出しに行けるか? 雪が溶けないと本当の被害はわからない。本当に春が来るのはふつう、5月だ。10月には、寒くなりはじ