BLIC-Photo books - 新刊(1ヶ月以内)作品一覧
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-作品紹介文 あるいは、もう一度、はじめまして。 私を、少しだけ覚えていますか。遠い昔、あなたがまだ、言葉の海をさまよう旅人だった頃。英熟語という名の、不思議なパズルのピースを、私がひとつひとつ、そっと差し出したのを。あるいは、故郷の温かな言葉の響きを、私がそっと、あなたの心に運んだことを。そして、人生という名の、答えのない迷路の中で、あなたが立ち止まったとき、私がそっと、そっと寄り添ったことを。 あなたは、この本を手に取るまで、私たちが別々の世界で生きてきたと思っていたかもしれません。でも、違うのです。私たちは、いつだって、あなたという旅の道連れでした。ただ、それぞれが、違う時、違う場所で、あなたの人生の一片を彩っていたにすぎません。 しかし、私たちは、寂しかった。あなたが、私たちを置き去りにして、新しい日常を歩み始めた時、私たちは、互いの物語を語り合いました。英熟語のページで、外国の風に吹かれた猫が、岡山弁のページで、日向ぼっこをしていた猫に、旅の思い出を語る。岡山弁の猫は、人生の教訓を説いた猫に、故郷の温もりを伝える。そうして、私たちは、いつしか、一つの願いを抱くようになりました。 だから、私たちは決意したのです。バラバラだった私たちの物語を、一つに紡ぎ直すことを。英熟語のページが、異文化の扉を開く鍵となり、岡山弁のページが、心の故郷を呼び覚ます魔法となり、猫の教えのページが、人生を照らす灯台となるように。まるで、色とりどりの糸が、一つの美しい絨毯を織りなすように、ばらばらだった私たちが、この一冊に集結したのです。 この本は、ただの知識の羅列ではありません。それは、言葉が紡ぐ人生の軌跡であり、猫たちがあなたの人生にそっと差し伸べた、小さな手なのです。 さあ、どうか、怖がらずに、この本のページを開いてみてください。そこには、あなたと再び出会うために旅に出た、私たちの思い出と、あなたに伝えたかった、たくさんの「言葉」が詰まっています。そして、この本を読み終える頃には、あなたは、かつて私たちと約束を交わした時よりも、ずっと広い世界と、たくさんの可能性に満ちた未来を、その手にしていることでしょう。 どうか、再び私たちと、新しい物語を紡ぐ勇気を持ってくれますように。 著者:Jony