エッセイ - みずき書林作品一覧

  • この世の景色
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    1巻1,540円 (税込)
    初単行本化の9編も加え、遺されたエッセイから名品を精選する。 「私は昭和の子で もっぱら昭和の涙、昭和の笑い、そしてそして、昭和の無念ばかりを歌ってきたような気がする」 超虚弱児で生まれた。戦争で死ぬと覚悟した。被爆直後の広島に入った。何度も何度も大病を患った。それでも、平気で生きてきた。 反骨をユーモアで包み、あたたかい眼差しと飄々とした足どりで歩き続けた早坂暁。 原爆で死んだ妹のこと、親友・渥美清のこと、遍路道と母親のこと。 破天荒で、自由で、優しかった男の、あたたかな想像力。 初単行本化の9編も加え、遺されたエッセイから名品を精選する。 【目次】 はじめに—桃井かおり 第1章 生のレッスン・死のレッスン あなたたちに伝えたいこと 生きる心得 死ぬる心得 癌の告知 生まれる前のように 一年有半 ”草枕”ふう”癌枕” 第2章 おかしく、哀しい人びと シナリオ不作法 アカリのおじさん 田舎天才 偽せ物 赤サギ 続・赤サギ 第3章 美しく、たくましい者たち ボクのお大師さん① ボクのお大師さん② 漱石、松山の熱狂の五十二日 闇夜に礫を投げる人 重森三玲 あの世とやらは花野とや 火の風 アマテラス最後の旅 第4章 渥美ちゃんのこと 渥美ちゃん 結核患者の咳は音叉のように響くんだ 渥美清の一周忌 渥美清さんへの弔辞 第5章 戦争と原爆 春子の人形 女相撲 ホマエダ英五郎 ピカドン 大正屋呉服店 第6章 故郷、へんろ道 壺中の街 行って帰ります 瀬戸の海 日本の”心調” 僧籍に入っていた 赤く染まった女遍路 遍路みち あとがき—富田由起子 【著者】 早坂暁 1929年、愛媛県松山市生まれ。作家。本名、富田祥資。小説、映画シナリオ、戯曲、舞台演出、ドキュメンタリー製作を手がける。代表作に「夢千代日記」「花へんろ」「天下御免」「ダウンタウン・ヒーローズ」「華日記」「公園通りの猫たち」など。新田次郎文学賞、講談社エッセイ賞、放送文化基金賞、芸術選奨文部大臣賞、芸術祭大賞、モンテカルロ国際テレビ祭脚本賞、放送文化賞ほか受賞多数。2017年12月16日没。
  • 戦争社会学研究 第1巻 ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開
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    1~4巻1,870~2,200円 (税込)
    「戦争社会学研究」創刊号 戦争や軍事は、人文社会科学にとって、私たち「人間」が群れを作り、他者と関わりながら自由と平等、秩序や安全を折りあわせる場である「社会」の存立そのものに関わる根本的な領域である。あまりに重要すぎて、すべてに透徹する真理、すべての人を納得させる原理・原則はないと考えた方がよい。それゆえ、ここで求められているのは、巨大な社会問題としての戦争と軍事を、市民が討議するための題材の提供や論点の整理であり、討議をより活発にし有意義にするための創発となることである。 【目次】 創刊の言葉 〈特集1 ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開〉 特集企画にあたって—ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開 「戦争社会学」が開く扉 感謝の発露と美化批判—ポスト戦後七〇年の対立軸 「特攻による活入れ」という衝撃—「記憶の継承から遺志の継承へ」モデルの批判的検 シズメとフルイのアップデート 〈特集2 「空襲の記憶」の境界—時間・空間・学問を越境して〉 企画の趣旨、そしてそれをさらに「越える」ために 「防空」という視座—「防空」と「空襲」/「空爆」のあいだ ダーウィン空襲の記憶—「オーストラリア国防の最前線」を語り継ぐ 軍事化に抗する「戦争の記憶」—ドレスデン「〈一九四五年二月一三日〉協会」の歩み 社会学はいかに空襲を記述できるのか? 空襲の記憶とポスト戦後 一九五〇年代末—七〇年代初頭のSF ショート・ショート作品における核エネルギー表象 編集後記 執筆者一覧 【著者】 戦争社会学研究会 戦争と人間の社会学的研究を進めるべく、社会学、歴史学、人類学等、関連諸学の有志によって設立された全国規模の研究会。故・孝本貢(明治大学教授)、青木秀男(社会理論・動態研究所所長)の呼びかけにより2009年5月16日に発足し、以後、年次大会をはじめ定期的に研究交流活動を行っている。
  • 近頃なぜか岡本喜八 反戦の技法、娯楽の思想
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    痛烈な体験を抱え「カッコイイ戦争」に抗い続けた岡本喜八。不穏さを増す近頃、喜八の映画が再び光を放つ。 「戦争は悲劇だった。しかも喜劇でもあった。戦争映画もどっちかだ」。なぜいま、岡本喜八なのか。痛烈な戦争体験を抱え、フマジメな余計者として「カッコイイ戦争」に抗い続けた岡本喜八。喜八は誰ととともに何と戦ったのか。その遺伝子はどこに受け継がれているのか。不穏さを増す近頃、「人と人の争い」を描き続けた岡本喜八の表現が再び光を放つ。 【目次】 はじめに 第1章 映画監督・岡本喜八の誕生——「カッコイイ戦争」のインパクトとその背景/山本昭宏 第2章 「フマジメ」な抗い——喜劇へのこだわりと「正しさ」への違和感/福間良明 第3章 「余計者」にとっての「明治」と「民衆」——時代劇から問う近代日本 /佐藤彰宣 第4章 誰とともに何と戦う?——「内戦」を描く岡本喜八/野上 元 第5章 キハチの遺伝子——喜八映画の影響関係と戦争体験/塚田修一 終 章 青い血とコロナウイルス——軍事とメディアによるスペクタクル/山本昭宏 あとがき 【著者】 山本昭宏 神戸市外国語大学准教授。一九八四年、奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は日本近現代文化史。主著に『核エネルギー言説の戦後史 1945〜1960——「被爆の記憶」と「原子力の夢」』(人文書院、二〇一二年)、『核と日本人——ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』(中公新書、二〇一五年)、『大江健三郎とその時代——「戦後」に選ばれた小説家』(人文書院、二〇一九年)など。
  • マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣
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    深遠かつ美しい構造をもつ神話の宝庫をひらく。 アルジュナ、ドゥルヨーダナ、クリシュナ……人間的な魅力を放つ英雄たち。 ウシャナスの不死の術、聖なる飲料ソーマ、最強の武器ブラフマシラスなど、不可思議な秘術・宝物。 そしてヨーロッパ、北欧、日本の神話との謎めいた符合。 ・わかりやすいあらすじと一八〇項目の小事典を収録、入門篇としても最適! ・『世界の神話』が1万部を突破、いま最も売れている神話学者、沖田瑞穂さんの研究成果13篇を凝縮! ・FGO、パズドラ、バーフバリ……。ゲーム、映画のファンも必携! 【目次】 はじめに 第Ⅰ部 あらすじ 第Ⅱ部 論考 『マハーバーラタ』の構造 第1章 『マハーバーラタ』のふたつの構造 第2章 ヴァルナからヴィシュヌへ 第3章 神々の不死の起源——アムリタとソーマと蘇生の術 第4章 呪術師ウシャナス 第5章 ビーマはなぜ料理人に変装したのか 第6章 英雄たちの二重のイニシエーション 『マハーバーラタ』と世界の神話の比較 第7章 悪魔と富の比較神話 第8章 乳海攪拌神話とラグナロク——終末の神話 第9章 ゴーヴァンの比較神話 『マハーバーラタ』と日本の神話の比較 第10章 花咲か爺の起源 第11章 マータリの地底界めぐり 第12章 ヒルコとアルナ 第13章 シヴァとスサノヲ——その奇妙な類似 第Ⅲ部 小事典 おわりに 【著者】 沖田瑞穂 1977年生まれ。神話学者。神話学研究所を主宰。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。専門はインド神話、比較神話。『世界の神話』(岩波書店、2019年)、『マハーバーラタ入門』(勉誠出版、2019年)、『インド神話物語 マハーバーラタ』(監訳、原書房、2019年)、『怖い女』(原書房、2018年)、『世界女神大事典』(共編著、原書房、2015年)『マハーバーラタの神話学』(弘文堂、2008年)など多くの著書がある。

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