小説・文芸 - 青笹慶彦作品一覧
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-薩摩(さつま)国の沖にある三島(さんとう)と呼ばれた島々でとれた砂糖きびは黒砂糖に加工されたかたちで藩が買い上げていた。しかも文政年間のおふれで島のお金はすべて無くなって物々交換のとりひきになっていた。 島の少年の杉平は恋人の少女「かな」を連れ去った傘印の屋号をもつ豪商の手代が「かな」の父に乱暴するのを目撃する。 そんな時、誰も御用商人に逆らえぬ島内に迷いこんだ大陸人に杉平と十蔵は出会う。異民族に支配された大陸を解放のために他の国に助力をもとめようと各地の特産物をもとめていると言う劉梅邦に杉平と十蔵は黒砂糖を集めるための協力を申し出る。島内のしきたりに一杯食わしてやりたい気持ちからだった。 計画をたてる杉平と十蔵を待つ運命は何か。
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-古書店経営者3代目・本郷瞬は、訪れた顧客の相談事を一緒に解決をめざす。以下の3作収録! 「ブラッククイーン」 本郷は知り合いの占い師、村上里絵に相談を持ちかけられた。占いブースを出店したショッピングセンターにあるアパレル店ラミーで津山店長が業務用手帳を盗まれたという。 「伝えてほしい」 本郷は歯科の待合室で隣り合わせた営業員の東本から以前にあった珍事件について質問される。 「1859年の奇蹟」 本郷は毒島の患者でアメリカ船員のカーチスが持参した日記を読み下す。そこには南北戦争前夜の時代の人々の生と、女性教師アーニーが遭遇した奇蹟が記されていた。
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