津村節子 - 集英社文庫作品一覧

  • 愛する伴侶を失って 加賀乙彦と津村節子の対話
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    夫である作家吉村昭を闘病の末亡くした津村節子と夫人を突然に亡くした加賀乙彦。80歳を目前に長く連れ添った最愛の伴侶を失った人気作家ふたり。最期の看病をできなかったと悔いる妻と、神は存在し妻と天国で再会できると信じる夫。夫と妻の立場から辛く苦しい胸の内と、それをどう乗り越えていくかを語り合う。伴侶を偲び、夫婦という不思議なものを想い、生と死について考える心にしみる対談。
  • 石の蝶
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    昭和初年、飢饉と恐慌のふき荒れた時代に、吉原で若い生命をすり減らしていった遊女・さよ。貧困から品物のように売買され、閉ざされた世界から一歩も外へは出られず、一年中一日の休みもなく客をとらされた遊女さよ。傷つきやすい魂と肉体を備えた一人の少女の屈辱と絶望の半生をヒューマンなタッチで描く長編野心作。
  • 凍蝶
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    恋も諦め自己を捨て、ひたすら生き甲斐にしてきた弟の再婚が大恋愛の末と知り、打ちのめされたような虚無感に襲われる秋代(「凍蝶」)。旅先で思いがけなく再会した男の誘いを無視できず、同行の友人をまいてまでホテルで待つ男に電話する人妻菊子(「水仙」)。日常の中の非日常な出来事を、こまやかな洞察としなやかな筆致で描く珠玉の短編集。表題作他8編を収録。
  • 女

    2.0
    “女”は可愛く、愛らしい。が時として底意地が悪く、また嫉妬深い――。かつて妻子ある教師と心中未遂事件を起こした東尋坊にいま、亡母の墓参りに夫と訪れた。何も知らない夫のひたむきな労りに心やすまるが、この安らぎもいつ崩れるか知れない。男と女の脆い結びつきを描く「蟹の爪」ほか、短篇五篇を収録。
  • 玩具
    4.3
    【第53回芥川賞受賞作収録】寸暇を惜しんで、ひたすら小説を書き続ける売れない同人誌作家の夫。そして、その夫の心の動きに一喜一憂しながら、こまやかな愛情をふりそそぐが顧みられぬ妻。破局寸前にありながら、奇妙なバランスを保つ夫婦関係の機微を、質実で丹念に書き込んだ、第53回芥川賞受賞作品「玩具」他、著者独自の文学世界を構築する四篇を収録。
  • 婚約者
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    平穏無事な日常の少し外れたところには間違いなく不幸の嵐が吹いている。婚約した彼に中年の女性がいることを知った由美子、妻ある男と関係をもつ伊佐子、夫の先妻からの電話に心を乱す加代子、社長の囲われ者になっている章子……。孤独な影を曳きずりながら、幸せと不幸の間に、自ら身を添わせ、納得して生きる女たちを華麗な筆で描く8編。

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