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【第53回芥川賞受賞作収録】寸暇を惜しんで、ひたすら小説を書き続ける売れない同人誌作家の夫。そして、その夫の心の動きに一喜一憂しながら、こまやかな愛情をふりそそぐが顧みられぬ妻。破局寸前にありながら、奇妙なバランスを保つ夫婦関係の機微を、質実で丹念に書き込んだ、第53回芥川賞受賞作品「玩具」他、著者独自の文学世界を構築する四篇を収録。
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Posted by ブクログ
「芥川賞の偏差値」を読んで知りました。芥川賞の偏差値の中でも、高い評価が付いていたような記憶がありますが、そんな評価はどうでもよく、これ読むべき小説だと思う。女の機微がほんと秀逸だし、映像的でかっこいいのですよ。黒い十人の女みたいな感じで映画化してくれないかな。音楽は小西康陽先生でお願いします。 な...続きを読むんでこんないい本が映像化してないのか、意味がわかりません!
いっしょに住んでておたがいにおたがいの気持ちを探りあうようなことはあまりしたくないんだけどついついそうなってしまう男と女にはつきものの。男はたいていそうなると何かに逃げるというかそらすというか。そういう男心をわかりつつも。金魚に逃げられたらそりゃちょっと戸惑う。でも。ほかの女に逃げなきゃたいていそう...続きを読むいう男はちゃんと女のこと好きだよ。と。そう思いながら読んでいても女があまりに健気で。かわいそうに。玩具っていうタイトルがとってもいいことワカリマス。
65年の芥川賞受賞作を含む短編集。 だいぶ前のですが…昔は女性の受賞者って少ないんですね。 同人誌に小説を投稿している風変わりな夫に尽くしながら満たされない平凡な若い妻の話。 妻の嫌いな金魚を飼ったり、何かにとりつかれたように勝手な夫… 「名短編ここにあり」に掲載されていた吉村昭が作者の実際の夫。 ...続きを読むその作品のことが小説中で触れられてます。奥さん像は違うし、私小説というのではないようですが。 作者は1928年福井県生まれ。
なぜそのような男を、という女もいれば、"上手く"やっているような女もおり。思ったより哀愁は少なく、それぞれに違った弱さや逞しさや献身性や利己性があって色合いは様々。面白かった。
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